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貫(つらぬく)  作者: 浮世離れ
第一章
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星波月④

明日は待ちに待った日曜日。

いつもの日曜日じゃない、特別な日曜日。

私にとってはご褒美の日と言えるかもしれない。

お化粧をしてみた。

美容院にも行った。

流行りの服も用意した。

子供っぽさを無くして、大人の女性になるために背伸びをしてみた。


(すっごく楽しみ!なのに、、)


なぜか少し切ない。

でもやっぱり待ち遠しい。

天気はやっぱり晴れてくれた方がいい。

でも雨でもいい。

私は約束以来、家族を困らせてはいない、と思う。

料理の腕は上がった。

作れるレパートリーは両手じゃ収まらない。

失敗して手伝ってもらったこともあったけれど。

話したいことは山ほどある。

一日だけじゃ話しきれないほど沢山ある。


(明日上手く話せればいいのだけれど、、)


明日は、大地兄さんとお出かけの日。

浮かれて忘れないようにしなくちゃいけないのは、明日気を使ってくれた太陽兄さんのお土産くらいかな。


待ち合わせは駅の前。

いつも通る駅前なのになんだか妙にソワソワしてしまう。

まるで知らない別の場所みたい。

日曜日だけあって、駅前はネクタイをしたサラリーマンよりも家族やカップルが多く行きかう。


(この一員になるのかなぁ。)


そう思うとなんだか嬉しいさと恥ずかしさで頭が真っ白になる。

きっと大地兄さんは駅の改札口から歩いてくる。

分かっているのに、その方向を見ることが出来ない。

気晴らしにいつものようにスマホを見るけれど内容が全然頭に入ってこない。

今、私だけの世界に私はいる。

入れる鍵をもつ人は一人だけ。


「月、待たせたかい?」


(駄目だ!ドキドキしすぎて頭が真っ白になっちゃった。、、でも、なにか、返さないと、、)


「ひ・・久しぶり。ま・・待ってないよ。」


俯いて話してしまう。

でも、顔が真っ赤になっているはずだから上げられない。

実は30分位前からいる。


(普通男性が待つ側なのに、女性がって、、変かも。)


「あれ、太陽兄さんは?」


「あぁー!太陽兄さんは仕事とか用事とかがあるって、今日は・・来れないって・・」


(しまった。やっと大地兄さんの顔は見れたけれど、声が裏返っちゃった。しかも内容が滅茶苦茶。)


「???。そう。忙しそうだね。それじゃ仕方がない。」


大地兄さんは笑顔で答えてくれた。


「う、、うん。」


(とりあえず、気持ちを落ち着けないと。)


私は胸に手を添え、大地兄さんに聞こえないようにフゥ、、と大きく息を吐いた。

少し落ち着く。


「今日の月は大人っぽくて素敵だね。見違えたよ。」


(!!!!!!折角落ち着けたのに、、もう、、駄目かも、、)


「じゃあ、行こうか。」


私はもはや頷いてついていくしか出来なかった。


(ずるいよ、、大地兄さん。いつも彼方は落ち着いて余裕があって優しくて。そしてさらっと私を幸せにしてしまう。)

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