兄の心兄妹知らず
大地の出した提案。
これからの3兄妹の事について。
星波家は太陽と月。
当摩家は大地。
(まだ俺たちは未成年の子供なのに、やれ学費や教育費だの、やれ通学が大変になるだの大人が考える領域だろ。血が繋がっていない人達にお世話になるのはわかっているけれども、、)
まるで他人事の様に、すいすい決めてしまった大地に太陽は嫉妬をしてしまう。
それ以前に月と同様、太陽としても大地の提案には反対だった。
話し合いが終了し、3兄妹が自宅に帰ると議論は蒸し返された。
(兄さんは現段階で一番自立に近い存在。公立の大学2年生になるし今後はさほど学費もかからず、社会人としての自立できる時間が一番短い。月と二人ならば経済的には然程大きな負担は無い。もし僕と月が一緒になってしまうと高校生と中学生。新しい家族に経済的な負担を強いられるのは確実。僕と月が一緒になるのは賢明ではない。次に当摩家は田舎で、3兄妹の通うそれぞれの学校から非常に遠く、特に兄さんの大学からはあまり現実的な距離ではないためその中言うと僕が一番近い。)
大地の見事ともいえる意見に太陽、月は納得するしかなかった。
太陽はどうにか大地と月を一緒にしたかったのだがこれ以上の合理的な意見は出せない。
(結局3人が離れ離れにならなくてはいけないのか。)
太陽は自分なりに無い頭をフル回転させ考えていたが最終的に諦める。
(俺は長男として兄妹の役に立たなかった、、)
ならばと太陽は二人の兄妹にこう告げる。
「大学を中退して就職をする。」
太陽の強い希望により、最初は反対をしていた大地と月だったが、太陽本人は大学に行った目的は父の要望であり、自分の希望ではないとのことでとうとう二人は折れる。
はれて太陽は就職への道へと歩み始めたのだった。
太陽は少なくても経済的な面で兄妹を支える決心をしたのだ。
さらに言えば、太陽は最近大地が宇宙の影響から医学の方向へ興味を持っている事に気づき、自分の出番だと言わんばかりにその時が訪れても良いように協力体制を作っておきたかった。
「しかし、大地も凄いよなぁ、本当に医学を目指すなんて。学校も転校せず2時間近くかけて登校して。」
太陽は結局大学を退学をした。
「なんでも一人で出来てしまうんだもん。大地兄さん。太陽兄さんとは大違い。」
月は皮肉めいたことを口走った。
「こらっ。一言余計なんだよ。」
太陽は月の頭を軽く小突く。
「痛っ!ひどーい。太陽お兄ちゃんにばいしょーせいきゅうしてやる!」
月は痛くもない箇所を両手で抑え訴えた。
「お前・・そんな言葉どこで覚えたんだ。」
太陽は背伸びしすぎてボロが出る月を引いた目で見る。
(変なところでしょーもない単語を持ってくるな、、)
太陽は思った。
「ふん!学校で習ったの。ちゃんと勉強しているの。凄い沢山のお金が手に入るんでしょ?」
(あー、、こうやって歪んだ人間が形成されていくのか。)
太陽は、現代社会の偏向的思想に落胆したのだった。
「それで、お金を手に入れたらどうするんだ?」
余りにも馬鹿げた思想だったが、太陽としてはその後仮に手に入れたその金がどんな目的に使用されるのか僅かながら興味があったので聞いてみる。
「勿論、大地兄さんと幸せに暮らす為に使うの。」
月は笑顔でそう答える。
(末恐ろしい、、)
太陽は本気でそう思うのだった。




