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君と同じバスに乗りたいから

作者: 朝馬手紙。

授業と授業のスキマ

教科書の準備とか知らない

辞書なんて忘れてしまったさ

何がしたいのか分からない

だから僕は

ヨルシカの歌の歌詞をノートに書いた


大切なことって何?

比較対象は勉強ばかりだね

逃げているだけかもね

それでも、僕にとって

僕にとっての一番を探している




自宅と学校の往復

明日までの宿題とか知らない

進路調査の紙は今日で二枚目さ

何になりたいのか分からない

だから僕は

ヨルシカの歌の妄想をノートに書いた


大切なことって何?

一般回答はアテにならないね

誰だって変なのかもね

それでも、僕にとって

僕にとっての正解を求めていく




7月の休みはどこか遠くへ行くよ

2時間に一本のバスを太宰治と待ってる

持ってきた文庫が終わる少し前

やっときたバスから君が降りてきたね


あぁ、もう、嫌だな


栞も挟まずに立ち上がる

恋になってしまわないように

僕は一歩、また一歩

けっして振り返らない

窓の外から探したりしない

あの歌を思い出して

泣いたりなんかしてないよ

引っ越しても元気そうで良かった



























息を切らしながら乗り込む人が

ゆっくりと、ゆっくりと、僕の席へ

近付いて来るのを“女生徒”越しに見ていた

夏のバス停の歌みたいだなって笑った

君が書いていた歌詞みたいだなって思った



「おかえり」 「ただいま」


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― 新着の感想 ―
[一言] 普通のポエムかなと思って読み流していたら、ひょっと太宰が出て来て笑った。 そして読み返して見ると、所々文学の香りがする。 へええ、と唸らされた。 最後、二重写しになるのも面白い。 才気を感じ…
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