生きるのだ。

生きる意味など、の続きです。

別視点からの補足というか、批判というか。

深く考えずに、こういう考えの人もいるんだなあ、という気持ちでどうぞ。

読んでいただき、ありがとうございます。

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生きる意味など、ない。

そうだね。

私も大前提はそう思う。

でも私たちは生まれたままの、変わらないままではいられないから。

変わらないものなど、何もないのだから。

だから、いらないと分かっていても、欲してしまう。

求めてしまう。

生きる意味というものを。

何故、神様はアダムとイヴをつくったのだろう。

何故、2人でなければいけなかったのかな。

もしイヴだけをつくっていたら、たった一人で、地上に落ちていくことなど、できなかったかもしれないのに。

もしアダムだけをつくっていたら、知恵の実など、食べなかったのかもしれないのに。

私はね、2人じゃないと、2人いないと、生きられなかったからじゃないかと思うんだ。

私たちが欲してやまない、他人からの生きる意味を、与える誰かが、2人いないとできなかったからじゃないかと思うんだ。

人は弱い生き物だから。

一人でなんて、立っていることさえできない生き物だから。

一人でいい、一人でだって生きていける？

そうだね、生物学的にはそうかもしれない。

食べて、寝て、食べて、寝て。

でもそれでは、私たちの本当の欲求は満たされない。

自分では、自分が自分であると。

自分が、今、生きて、本当にここにいると、許可できないから。

だからいつだって私たちは求めてる。

ここにいていいんだよ。

いてくれてありがとう。

きみがいてよかった。

そう言ってくれる誰かを。

満たしてくれるだれかを。

人生とは、苦しくも、悲しくもあるものである。

私たちはこの世に生まれ落ちた瞬間から、この酷い飢えと戦う日々が続く。

最初は両親という他人が満たしてくれていた自分という存在は、成長するごとにどんどん大きくなっていって。

いつしか、家族では私という存在を満たせないほどになっていって。

ほしい、ほしい。私が生きる、生きていていい意味が。

何時だって、誰だって、誰かからの許可が。

胸の中にぽっかりとあいた虚無感を埋めるために必死にその方法を考えて、この飢えを少しでも和らげるために、自分で生きる意味を定義して。

そうしなくちゃいけないと、社会が思わせる。

将来の夢？自分の名前の由来？

自分が生きる意味を自分で定義させるのだ。

それがどんなに不安定なことかも知らないで。

とりあえず、の言葉で塗り固めていく。

私たちはそれがどんなに脆いことかも知らないで、只々歩いていくことしかできない。

自分の本当の渇望を知らないで。

その足元が崩れる日がくるかも知らないで。

その不安を抱えたまま、いつ爆発するとも知らないで。

だから、君が言ってくれた言葉は正しかった。

自分で定義づけるものですらないと、そんなことは必要ないと。

元々自分一人でできるものですらなかったのに、必死になっていた自分が馬鹿らしくて、

阿保らしくて。

只々簡単なことだったのに。

頑なにならずに、ただそれを認めてしまえばよかったのに。

認めることが強くても、ただ、ひとつ、声に出して、言葉にすれば、それだけで楽になれたのに。

なんで一人でもいいなんて思ったのかな。そんなわけなかったのに。そんなはず、なかったのに。

私はまだ、人生を走るスタート位置にさえつけていなかった。

只々、周りが走り出しているのを一歩後ろから、唇をかみながら見て、飢えを満たされない自分を見たくなくて。

言えばよかったのに。言っちゃえばよかったのに。只々。

1人は寂しかったんだ、と。

1人では、満たされないんだ、と。

只々、生きる意味がほしいんだ、と。

許可を、ください。

私たちは、みんなが孤独だ。

どんなに他人と関わって、生きる意味をもらっても、関われば関わるほど、自分という存在が大きくなる。

もっと、と、欲してしまう。

その繰り返し。

私たちはみんな孤独だから、寂しがりやだから、同じだから。

不安を我慢しなくていい、誤魔化さなくていい。みんな不安だ。

認めるのが怖いなら、一言言ってしまえばいい。

誰にもきかれないように、寂しいなあ、と。みじめだなあ、と。

満たされた後に、幸せだなあ、とより感じれることができるように。

生きる意味を、かみしめることができるように。

ああ、君が言ったことは正しかった。

生きる意味など、自分でもつ必要はなかったんだ。

だってそれは他人から与えられるものだから。

君が埋めるものだから。

君は自分は自分のために生きていいと言った。

でも、それだけじゃ、満たされないよ。

自分を肯定できるのは自分だけ？

ううん、違う。

自分を肯定できるようにさせてくれるのは、自分以外だけなんだ。

自分では、自分の存在を肯定できない。逆に相手を肯定できるのも、自分だけだ。

生きているから、生きる意味を得、自分が生きる意味になりたいとも願う。

最初から、生きる意味などない。

生きているから、生きる意味を与え、与えられる。

そして満たし、満たされる喜びを知る。

だから君の言葉に続けよう。

生きる意味など、ない。

それを得るために、生きるのだ。

私は君の生きる意味になれたかな？