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境界線の上  作者: 神無 乃愛
境界線の上
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投稿用に書いてみました。出来上がっているので、なるべく早めに全てあげます

 球体の惑星に、数百の国と地域がある。

 いつの頃からか始まった戦争は、年月が経つにつれ肥大になり、今や世界のほとんどで行われていた。たった一つ、中立を先にたてた国以外では。後の世に「世界大戦」呼ばれる戦争である。


 無論、中立をたてた国とて損害がなかったわけではない。


 世界のあちこちで核が使われ、大気は汚染され、人類はその大地に住めるのかというほど酷かった。誰もが、その戦争の終わりを望んでいたが、声をあげるものはいなかった。


 仲立ちを頼まれた中立国「エルド・ラド」で重い腰をあげ、戦争は終結した。その頃には、ほとんどの国が消滅していた。

 停戦になったと叫び、狂喜する声が数多から立ち込めたという。


 その日、数年にわたる話し合いが終わり、中立国「エルド・ラド」で世界条約が締結した。

 締結にあたって、参加したのは戦の発端となった神聖帝国「シャン・グリロ」と軍事帝国「カーン」、そして、何とか大戦を生き延びた小国がいくつかだった。

 小国の意見などほとんど入らない。それを危惧した某国の大統領が、小国で連盟を作った。


 条約の抜粋は以下のとおり。

一、核に汚染された大地を取り戻すため、発端国は最善の策で応じること。

一、小国への援助をすること。

一、ここまで少なくなった人類を何とか元に戻すこと。

一、二度と戦争に核は使わないこと。


 核の影響で少なくなった人類がどう開拓して増えるのかを実測する、という名目で「個体識別チップ<通称・個体チップ>」が残された人類へ埋め込むことが義務となった。無論、その後産まれた子達も管理するという理由から、満三歳になるまでに全ての人類へ埋め込まれることになった。

 それは表向きの事情。二大大国は、互いのスパイ行為を監視するという理由だった。そして中立国はそのチップを開発し、独占的に世界に輸出するという大儀ができ、後々まで潤うことになる。

 その逆も然り。高額な金が払えず、チップを埋め込まずに逃げる「難民」が増えた。

 それを打開するべく、第一子の完全無償化と各国での補助が盛り込まれた。


 仮初の和平は、長く続かなかった。

 秘密裏に開発を続ける軍事産業に新しい風が吹いたのだ。


 巨体(コア)と呼ばれる人型兵器の開発である。


 巨体の開発はまた争いの火種となり、レア素材の乱獲へと繋がっていく。

 二大大国がまた、レア素材を求めて国外へ進出し始めたのだ。


 地下資源にレア素材を豊富に持つ小国が、兵器開発における定義を提唱し、世界で承認された。

 ――レア素材使用は各兵器の一パーセント未満に留め、開発資金も五パーセント未満に抑えること――

 それで自国が長く潤うことを考えたのだ。


 どの国も己の国しか考えていないのだ。それが新たな火種になっていく。



 それから百年以上の時が経ち、また表向き惑星は豊かになった。

 しかし、大戦の前から残っている国は十にも満たない。残りはここ五十年くらいで出来上がった国ばかりである。

 二大大国の小競り合いと、内乱の立ち込める世界へと変貌していた。


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