裁判とは冤罪がたまに絡み合い一人以上を不幸にする話
不定期連載ですが、少しづつでいいから更新していけたらいいなと思います
七木田高校
そこでは自由な校風が特徴の学校だ。
特に今年は1年C組が波乱を呼んでいるらしい。
少し彼らの授業を見てみよう。
「被告人、入廷!」
ここは1年C組の教室。
俺たちは公民の授業の一環で裁判をすることになった。
「被告人、相模君。言い残すことはないかね」
「いや、めっちゃあるんだけど。被告人来た瞬間に判決ってあんた頭おかしいだろ」
俺は相模 雄太
今回の被告人をやることになった。
そして、さっきから俺に声をかけるのは司会の江口 流子さん。
司会なんだけど、なぜか裁判に参加している。
「被告人、相模君を死罪に処す」
「待て!裁判長もまだいないのに勝手に決めるな!」
「ちっ」
江口さんの舌打ちが聞こえた。うわあ、何この司会者。
「まあいいわ。裁判長入廷してください」
お前は何様だよと江口さんに言いそうになったが、なんとか言いとどめる。
「どーも美少女裁判長の美馬 静香でーす」
「同じく裁判長の柴田 楓っす」
「左に同じ裁判長の福田 緑だ」
「・・・・裁判長の・・・・瓜生・・・です」
「何人!?裁判長何人いるの!?」
「あー?見てわかんないの相模。4人だよ4人」と美馬さん
「それはわかるよ、美馬さん。問題なのはそうじゃなくて・・・」
「あーめんどくさいな。細かいことはいいしょ?あんまうざいととマジ死刑だから」
心底、美馬さんはめんどくさそうに髪をいじる。
美馬さんはいわゆるヤンキーなので冗談に聞こえない。
「いいじゃないっすか江口君。進行重視っすよ」
愉快そうに柴田さんは微笑む。
柴田さんは口調がおかしいがこれでも女子生徒である。
「・・・・・・・」
俺の親友である緑は黙っている。しかし、友人だからわかる。こいつの目は面白がっている。
こいつめ、心のなかで楽しんでいやがるな。あとで覚えとけよ。
「あの・・・とりあえず・・・裁判を進めた方が・・・」
気弱なクラスメイトの瓜生 成美がそういった。
癒されるなー瓜生さん。
俺は心のゆとりと取戻し・・・
「・・・ふっ・・・ふっ・・・ふっ!」
「そこの司会!教室内でヘッドバンキングすんな!」
「ふう。失礼取り乱しました。反省はしてません」
江口さんは何事もなかったような様子で冷静さを取り戻す。
「さて、裁判長。被告人、相模君の罪状はなんでしょうか」
江口さんは裁判長(4人)に言った。すると、それぞれ美馬さん、柴田さん、緑、瓜生さんが、
「さあ?」
「分かんないっす」
「知らん」
「・・・ごめんなさい」
だった。
俺はどうリアクションすればいいのやら。
江口さんはコホンと咳払いし、
「では、生きてることが罪っと」
「俺の人権は!?」
「さて、検察側の証言をお願いします」
「俺の発言無視!?」
検察側である如月 剛君が立ち上がる。
「ふひひひひ・・・・」
如月君の目が焦点に定まっておらず、へらへらと笑っている。
江口さんは何か変だと気づいたのかもう一度如月君に語り掛ける。
「検察側の如月君?尋問を」
「ふひ・・・ひひひ・・ふひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!!!」
何か如月君がゲシュタルト崩壊してるうううううううう。
「だそうです。検察側の意見は以上です」
「うん。とりあえず如月君は病院だね・・・」
その後、如月君は保健委員と保健室へ向かった。
「では、次は弁護側お願いします」
江口さんはそう言うが、検察側があれじゃどうするんだよと俺は不安になる。
「はい」
弁護側である大島 正太郎は元気よく答える。
これは安心していいかもしれない。
「弁護側は被告人に対して死刑を求めます」
へっ?
「被告人、相模 雄太は生きる価値のないゴミ虫で存在自体許されていません。それなのにも関わらず、息を吸ったり吐いたり食べ物を食したりするなど笑止千万。即刻、死刑に処すべきかと」
あれ?おかしいな。
目に水が溜まって止まらないや。
あと、弁護人って誰を弁護するんだっけ?
それに、さっきから裁判長(4人)は何もしてないように思われるんだけど。
「分かりました。それでは裁判長判決を」
「「「死罪」」」
即答かよ!
江口さんがニヤリと不敵な笑いをみせる。
「これで決まりましたね。被告人、相模 雄太君は死刑・・・」
「あ、あの・・・」
小さく手を挙げたのは意外にもある人物。
瓜生さんだった。
「なんですか。もう判決は出てるんですけど」
江口さんはバツ悪そうにそう答える。
「いや・・・あの・・・その・・・」
もじもじしてなかなか意見を言わない瓜生さんに美馬さんがハアとため息をつく。
「瓜生はさ、死罪に賛成じゃないらしいんだよね。そうっしょ?瓜生」
「うん・・・」
「なら、ちゃんと自分の言葉で言いなって。意見は多い方が面白いしね」
「ありがとう、美馬さん。」
瓜生さんは意を決してこう言った。
「これははたして裁判と言えるのでしょうか。私には何が何だかもう・・・わかりません」
それを今、言うか。ここで。
もう少し、空気をよんでほしかった。
「本日はこれにて閉廷!」
ちょっと待って!これで終わり!?
いや、ホントまだ終わらない・・・よな?
ギャグがつまらん?
大目に見てください




