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気づくのが遅すぎました  作者: 桜谷衿菜
4/5

役割決めをしましょう

チャイムがなり、席につく。この学園は全生徒、教師も全寮制で、様々な役割を決めなくてはならないのだそうだ


ちなみに一部屋に生徒は二人。


私は運良く紅葉と同室になった

ちなみにどうでもいい話だが、休み時間から戻ってきた私の隣の彼は何故か頬に湿布を貼っていて何が起きたんだ…とは思ったが私の心は少しスッキリした。何かを起こした人ありがとう!


話を戻すが、寮は別れていて男子寮は食堂や浴場を間に挟んで、その反対側に女子寮があるのだそうだ

つまり、食堂は合同。男女別れているとはいえ学年関係なく、浴場も合同らしい

ちなみに部屋にも自炊する器具は揃っていてシャワールームくらいは部屋に設置してあるらしい


「じゃあ次は、寮の役割について決めるぞ」

海藤先生が、黒板に役割を書いていく。絶対に役割を持たなくてはならないらしく…初等部からの人からすると役割分担がこの1日で凄く面倒な授業らしい


役割は、

点呼係

消灯係

飼育係

放送係

教育係

保健係

先生係

の七項目。百歩譲って飼育係は認めるが、なんなんだ教育係と先生係って…一緒じゃないのか…というか先生係ってなんだ



「おら、花宮。」

「……先生係ってなんだ…」

「お、花宮は先生係だな。」

「…へ?」

「じゃあそれで決定。次いくぞ」

考えを巡らせている間に役割が決まったようだ


隣の彼がまたニヤニヤと笑いながら私に話しかけてきた

頬の湿布が痛そうである


「花宮さん話し聞かないと…先生係になってるじゃん。」

「……なんかなってるね。というか、先生係って何…」

「文字通り先生のパシリだよ」

「いや、文字通りじゃないよ、先生係としかかかれてなかったよ…」

「まぁ仕方ないよね、ぼーっとしてるんだもん。自業自得ってやつ?」

「…………。頬の湿布痛そうですね、それも自業自得ですか?」

「……まぁね。」

冥桜院は苦笑いをして頬を擦った

嫌みの一つでも言われるのだと警戒していたが、そんなことはなく冥桜院は頬を擦るだけだった

反対の頬がほんのり色ずいているのは、その痛みに悶えているのではないとおもっている………多分



そんなことを冥桜院と話ながら、役割は着々と決まっていった。ちなみに紅葉は、教育係。彼女も訳のわからないものに入ってしまったようだ


そして最後に委員会決めが行われた

「委員会決めるぞ。原則としては、皆入らないといけなくなってるからな」


委員会は

文化委員会

環境委員会

飼育委員会

保健委員会

図書委員会

生徒会委員会

ファンクラブ委員会

の七項目

こちらも訳のわからない委員会が混じっている。ファンクラブ委員会とかファンクラブを委員会にしていいのか?とか生徒会委員会って、生徒会のパシリでもするのか、とか


いろんな思考が頭のなかをグルグル回っていると、いつの間にか私は図書委員会になっていた


隣の彼も図書委員会だ。どうやら奴が何かをしたようだった


ちなみに紅葉は、生徒会委員会に入り木ノ原君も米原君も同じらしい


生徒会委員会ってなんだ…


そんなこんなで役割決めが終わり、1日のミッションがクリアされた


「ああ、先生係は残っとけよ」


かに見えただけだった


「みつき!じゃあ先に部屋にいってるね!食材は厨房にあるらしいから貰ってきて、部屋で作って待ってるからね!」


「うん!楽しみにしてる」

紅葉は腕にシワをかけますといってさっていったが、それは腕に寄りをかけるんじゃないのか…とつっこみたかった


隣の奴は紅葉の言葉に涙を流しながら震えていた

殴りたい…


「腕にシワ……ぶはっ」

「紅葉はたまに抜けてるの!」

「はいはい、ぶはっ、アンタもだけどお友達も面白いね。」

「紅葉は面白いんじゃなくて可愛いの!見た目もさることながら性格も温和で優しさに溢れてて、たまに抜けてることもあるけど、良い子なのよ…。」

「………ずりぃ」

「へ?」

「いや、なんでも。それより海藤先生こっち見てるよ」

「あ、先生係…」


私が先生の方を向くと奴は教室からそそくさといなくなってしまった


「他の奴には、教科書を運んで貰った。今から先生係が、自分達のクラスに配ることになってるからな」

「では私は…」

「花宮には、その教科書を置いていた場所の掃除をしてもらう。教科書を置くためだけに随分移動させたからな」

「はぁ、わかりました」

「じゃあいくぞ。」

海藤先生が私の前を歩く。

私は海藤先生の背中を追いかけながら、物理準備室に到着した


「んじゃ片付けるぞ」

「はい!」

教室内は見るからに荒れていて、逆に何処にあんな真新しい教科書を置いていたのかと疑問に思ってしまった


私が黙々と作業をするなか、海藤先生は作業の手を止め、何かを見ていた

そういえば先生は、面倒臭がりだったな。

それにしては良く此処に連れてきたな…先生だったら地図でも書いて「やっとけよ」といっていなくなるはずなんだが…


「先生…。」

「ん?…なんだ?」

「他にやることがあるんじゃないですか?そちらにいってもらっても構わないんですが…」

「……いや、今はない。」

先生にそういうと普通なら、「じゃ任せる」とくるかと思ったのだが、先生は眉をひそめただけでそこから全く動かなかった




気まずい…


そういえばあのゲームにはこの学園の伝説を集めるというイベントがあったはずだ


「そ、そういえば、この学園って何か伝説があるんですか?」

作業をしつつ先生に背を向けたまま問う

「ああ。」

先生は教室で話していた時より低い声で 短く返事をした

それに少し寒気を感じたが、伝説の方が気になってしまったため負けじと言葉を紡いだ

「伝説って何なんですか?」

「…桜ノ宮学園の伝説『八人の王子と創成の魔法使い』……昔々遥か昔……ある国に王様がいました」

どうやらしぶしぶ話してくれるようだ


『八人の王子と創成の魔法使い』

昔々遥か昔……ある国に王様がいました

王様の国には偉大な魔法使いが付き、魔法使いは王様を定めては導いていました

その年、魔法使いは村の娘を次の王様に定めました

娘は魔法使いを痛く気に入り、魔法使いと時を共にしました

魔法使いも娘を王様にすべく導き、国は大いに栄えました

そんなある日、周りの国で病が流行りました。病は瞬く間に広まり死者が倍増しました

しかし、魔法使いの導く国には病は一切流行ることはありませんでした

それを魔法使いの守護だと思った周りの国の王様は自分の国の息子に、守護を貰って来るように命令しました

王子達は、渋々王様に従い魔法使いの導く国に病の止めかたを聞きに向かいました

魔法使いは女王となった娘と共に王子達に病の止めかたを伝授し、周りの国の病も瞬く間になくなりました

それで、世界が平和になったかに見えました




「……っともう時間だな。花宮、もう戻っていいぞ」

「…え?話の続きは……」

妙な終わりかたをしたため海藤先生の方をむくと、海藤先生から不穏なオーラが放たれていた

流石に不味いと思ったため、深くは聞かず私は準備室を後にした





寮の部屋に入ると紅葉がニコニコと笑いながら私を待っていた為、もう話の続きなんて気にすることなく、私は夕食を頂くことにした



「みつき!」

「ん?」

「そういえばね、厨房で冥桜院君に会ったよ!」

「えっ…」

「みつきにコレ渡してほしいって言われて。」

紅葉が小さな小袋を私に付きだした

私が受けとると、紅葉はヘニャと笑って米原君の話を初めてしまった


私は小袋をポケットに押し込むと、紅葉の話を聞きながら、この子がヒロインなのにな…とか、紅葉の相手は米原君かな…とか相づちをうちつつ夕食を口に運んでいた




「ふぅーお腹一杯!みつき!お風呂どうする!?」

シャンプーハットにタオルとその他もろもろを持った彼女はきくまでもなく大浴場に行きたいのだろう。


しかし、紅葉…私は行かない。今日は疲れたのだ。それにちょっと考えをまとめたい

「今日はやめとく。部屋のシャワー使うから紅葉は、大浴場にいっておいで」

「む~っ!明日は一緒に大浴場だからね!」

「わかったよ。」

私の言葉に紅葉は渋々といった感じに部屋を出ていった


「さて、シャワーを浴びるか」

服を脱いでいるとふとズボンに違和感

そうだ…忘れていた。奴には貰った小袋だ


怪しみながら恐る恐る袋を開けると、そこには珈琲豆が入っていた


「……アイツ喧嘩でも売ってるのかしら」

ムカムカと珈琲豆をつまんでいるとふと中から綺麗な石が現れた3センチ程の結構大粒な石だった

ほんのり赤色で、何だが冥桜院にそっくりな石だった


「ルビー?ガーネット?」

その石を確かめるように手に取ると、突然電気が体に流れた



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