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世界を渡る竜  作者: 海響
第1章:幼少期
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誕生(忍視点)

「―――おぎゃーっ!おぎゃー!!」



私は不思議な声とのやり取りから、突然明るい世界へと出た。


眩しい・・・何っ!!

体が動かない・・・でも全身で叫んでいる気がする。


「おぎゃーっおぎゃー。」


わたしっ?私の口から赤ちゃんの泣き声がしているっ!?


「―――元気な御子がお生まれです!」

「っ!?この御子はっ!!」


誰かが息を呑む声が聞こえてきた。


どういうこと?わたし・・・もしかして転生した?一度は死んだのだから転生よね?


そんな事を考えている内に、気が付くとベットに寝かされていた。

生まれたばかりで目は見えないが、軟らかい生地にふかふかとした感じが背中にあたる。


やがて母親らしき人の声が聞こえてきた。


「この子の行く末は・・・貴方・・・。」

「私の気持ちは変わらない。お前もだろう?」

「もちろんよっ!でもっ!!」

「そんなに興奮するな。少し落ち着け、産後の体に良くない。それに心配する気持ちももっともだ。そのためにはフェスニストの協力が必要だが。」


なんだろう?私、変なのかなっ?

だんだん不安になってきた・・・この先どうなるんどろ?



―――バンッ!!


「御父様!生まれたのですね!!」


突然の声に驚きながら、今後のため話を聞くために集中する。

盗み聞きのようで気が引けるが、自分自身のことなのであまり考えないことにする。





その後は家族らしいやり取りをしていたが、途中から様子が変わった。


「あれっ?この魔力・・・」


えっ!?魔力?私、魔力あるんだ!!


どうやらファンタジーな世界に転生したらしい。

前世でもファンタジー小説好きだったので気分が上昇する。


「その子はこれから色々困難が待ち受けているだろう。だが、私達が支えて幸せにしてやろう。」

「御父様、もちろんだよ。その努力は惜しまないよ。」


そんなやり取りに感動していた私を衝撃が襲った。


「それにこの子は、”両性の原種に近い竜人”なんだ。」


っ!?リョウセイ?ゲンシュニチカイリュウジン??

なにそれ・・・わたし人間じゃないの?

たしかに周りが話している言葉は知らない言葉だけど、意味は理解できるし・・・。

目が見えるようになったら・・・そのことを考えると恐くなる。


「えっ・・・まさかっ!?」

「いくら私でもこんな冗談は言わない。」


兄と思われる人物も驚いた様子だ。

そんな兄に父親が落ち着いた様子で話しかけている。


「たとえこの子がそうでも、家族だから何も変わらないよ。」

「あぁ幸せにしてやろう。」


そんな兄に父親が安心した様子で答えている。


これから家族になる人達の気持ちが嬉しかった。

人間でないのは不安だが、きっとこの家族がいれば大丈夫な気がする。

前世では失ってしまった大切な家族・・・でも、新たな家族が迎え入れてくれた。



その気持ちを胸に秘め、眠りの世界に落ちていった。









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