誕生
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竜人達が住む地域サラスにあるクローゼ家の屋敷では、廊下をメイド達が忙しなく行き来していた。
そんな中で一人の少年が、両親の居る部屋を目指し荒々しい足取りで駆けている。
青色の髪に金色の切れ上がった瞳、とても整った顔の少年だ。
バンッ!!
「御父様!生まれたのですね!!」
16・17歳くらいの少年が扉を開けて飛び込んできた。
「フェス。そんなに慌てて困った奴だ。とても可愛い子が生まれたよ。」
少年がもう少し成長し、落ち着いた感じの顔の男性は苦笑しながら答える。
「そんなに慌て危ないわよ」
「御母様、早く赤ちゃんに会いたかったのです。」
「そんなに慌てて怪我でもしたらどうするの?兄の貴方がしっかりしなくてはね。」
蜂蜜色の髪に碧い瞳の母親が窘める。
「そんなことより赤ちゃん・・・」
ふて腐れた顔しながら言いつつも、目線は母親の横にあるベビーベットに釘付けだ。
そんな息子に苦笑しながらも母親は微笑ましそうだ。
「うわ~珍しいっ!白銀の髪だ!!しかもカワイイ!!」
兄のフェスニストはベビーベットの中を覗き込み、笑顔で両親に話しかけた。
「あれっ?この魔力・・・」
そんな息子に困った顔をしながら、父親が話を切り出した。
「その子はこれから色々困難が待ち受けているだろう。だが、私達が支えて幸せにしてやろう。」
「御父様、もちろんだよ。その努力は惜しまないよ。」
「それにこの子は、・・・なんだ。」
「えっ・・・まさかっ!?」
「いくら私でもこんな冗談は言わない。」
「たとえこの子がそうでも、家族だから何も変わらないよ。」
「あぁ幸せにしてやろう。」
やり取りを黙って見ていた母親は、安堵した微笑みを浮かべていた。