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死なないだけの僕がいつか世界を救う  作者: 木挽
誕生と新しい町
16/40

第16話『双子の誕生』



「……生まれたよ、朔くん。見て……ふたりとも、元気」


リリィの声は、涙で震えていた。

俺は、言葉が出なかった。

ただ、彼女の隣で、小さく息をするふたりの命を見つめていた。


---


男の子と女の子。

小さな手、小さな瞳。

名前は――ユウとミナ。

リリィが考えてくれた。意味は「優しさ」と「皆の光」。


「あなたが変わらなくても、子供たちはちゃんとあなたを“父”として見てるよ」


リリィはそう言って笑った。

その笑顔は、10年前と変わらない。

でも、彼女は確かに“母”になっていた。


---


仲間たちも祝福してくれた。

街の人々も、温かく迎えてくれた。

俺たちは、仕事の合間に育児を覚え、家族としての時間を少しずつ積み重ねていった。


危険な任務は減らし、穏やかな日々を選ぶようになった。

それでも、剣と魔法は手放さなかった。

それは、俺たちが生きてきた証だから。


---


夜、眠る双子の隣で、リリィがぽつりと呟いた。


「ねえ朔くん。子供たちが大きくなったら、あなたのこと……どう思うかな」


「……わからない。でも、俺は彼らを守る。それだけは、変わらない」


「うん。それでいい。あなたが“生きてる”ってこと、ちゃんと伝わると思う」


彼女は俺の手を握った。

その温もりは、確かに“今”を生きている証だった。


---


>「止まった時間の中でも、命は生まれる。

> それは、俺にとって――奇跡だった」


俺は、父になった。


引きこもりの俺が、ママ、パパ…俺父親になったよ…


そして、家族としての旅が、静かに始まった。

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