ヌヒャービンとの別れ
ヌヒャービンには、多分何かが乗り移ってる可能性がある。
え？じゃあ、りゅうもカビロミも？
あと、気になっていたのは、執事がくるとみんないつも目が死ぬっていうか…。
でもそれより…ヌヒャービン…。
ヌヒャービン「ぼく…は…もぅ…」
「あり……が…と……」
彩美「え？ヌヒャービン？」
「ヌヒャービン！」
私は彼を揺らす。
びくともしない…。
カビロミ「ヌヒャービン、おつかれー」
執事「失礼します」
「彩美様、こちらのものは生涯を終えました。」
「来世でお会い出来る事を願って…」
ウソでしょ…
あっけなさすぎて涙も出ない。
一瞬大丈夫になったと思ったのに…。
ヌヒャービンは執事に運ばれどこかに行った。
カビロミ「さーて、彩美、これからどうするの？」
「頼れる兄貴は居なくなったよ」
カビロミは心配そうな顔で私を覗き込む。
もう、どれがホントのカビロミなのか分からない。
あの後もずっと、りゅうは顔を出さない。
彩美「わたしは…どうしたら正解なの？」
カビロミ「それは、自分で決めてよ。」
「少なくとも…これで分かっただろうけど、ここで生きるのは難しいと思う」
急に優しい？
声が優しい。
カビロミは本当は優しいの？
やっぱり誰かに操られているの？
彩美「カビロミ…カビロミは…本心…で話してる？」
カビロミ「今は、大丈夫。」
「今は。」
彩美「やっぱり、誰かに操られてるの？」
カビロミ「それは…」
りゅう「それはないよ笑」
扉の外から大きな声で高笑いする、
りゅう…。
りゅうは…操られていないのか。
カビロミは下を向きながら
カビロミ「りゅう、ヌヒャービンが…」
りゅう「あっ、死んだ？笑」
「おじいちゃんだったもんね笑」
怖い。
りゅうはやっぱり怖い。
さすがのカビロミも
カビロミ「おい。それはないだろ！」
りゅう「は？」
「なんなの？笑」
「もうちょいでお前もなー笑」
カビロミ「俺は…俺は…」
「……ヌヒャービンどんまーい笑」
急に声が変わる。
カビロミはりゅうのもとへ行き、
カビロミ「とりあえず、ひとりかたしたー！」
りゅう「いやいや笑お前なんもしてないだろ笑」
なんの会話これ。
悲しくないの？
仲間が…死んだんだよ。
彩美「2人とも…酷いよ…仲間が…死んだんだよ……」
りゅう「な？か？ま？それ、美味しいの？笑」
お腹をかかえて高笑いをする。
りゅう、最低。
ほんと最低。
あんな人好きになったなんて…私ってホント見る目ない。
ん？
カビロミ？
カビロミはりゅうが見てない時に目で合図？をしてる。
ん？なんだ？ろ？
私が首を傾げると、カビロミは自分も首を横にブンブンふる。
りゅう「え？なに？」
カビロミ「なんか、虫飛んでた笑」
りゅう「風呂入ったの？笑」
そんな変な話をしていた。
りゅう「とりあえず、彩美は自分の部屋に戻ろー笑」
「今日もたっぷりかわいがるかーら笑」
嫌だ。
絶対嫌だ。
でも、先に寝てしまえば…なんにもしない。
カビロミは何か言いたそうにしてるが……。
理解出来ない。
私は自分の部屋に戻され、
りゅうは……少し違う子の所へ行ったのかな？
少ししたら
カビロミ「彩美。逃げろ」
「俺にはこれしか出来ないから」
「りゅうが来る前に」
彩美「え？」
カビロミ「今ならまだ間に合う。」
「急げ」
カビロミは何かを我慢しながら話す。
コントロールされないようにしているのか？
彩美「わかった。ありがとう」
カビロミ「これは……ヌヒャービンからの遺言だから…」
ヌヒャービン「カビロミ、たのむ。彩美を逃がしてく……れ…」
カビロミ「え？りゅうが怒るよ…」
ヌヒャービン「たのむ…俺はもうダメそうだから…」
「りゅうにバレないうちに…」
「頑張ってコントロールされてないうち…に……」
カビロミ「わかっ…た……。」
「頑張ってみる。」
実はヌヒャービンが死ぬ前に、カビロミに伝えていたみたい。
急に涙が溢れてくる。
カビロミ「ダメダメ！涙は…ダメだよ…透き通っちゃう…」
「泣かないでお願いだから…」
「1度涙を流すと、透き通った目に…なっちゃうから…」
「だから急いで外へ！」
カビロミは急いで私を窓の外においやる。
カビロミ「元気で…ありがとう……」
そう片手を振って居なくなる。
カビロミ大丈夫かな…。
でもどうやって帰るんだろう…。
とりあえず出口を探して…見つからないように…
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