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システム

起きるとヌヒャービンは元気な姿になっていた。


彩美「…ヌヒャービン…?」


ヌヒャービンは愛おしそうな顔で私を見ながら


ヌヒャービン「昨日は…ありがとう……」

「ずっと隣に居てくれたんだね。」

「りゅう…は?」


彩美「もう、大丈夫なの?」


ヌヒャービン「あっうん……で、りゅうは?」


彩美「よかった……ごめんね……」


ヌヒャービン「もう俺は大丈夫だけどあれからりゅうは……どうした?」


なんでそんなりゅうの事…。


彩美「怒った様子で帰った。」


ヌヒャービン「…っ……やばいかも……しれ…ない」


彩美「えっ?なんで?」


ヌヒャービン「性行為をしたもの同士は…どうにかしてここから出るか…」

「そのままその人の子供を作って殺されるかの2択」


彩美「えっ……」


ヌヒャービン「だから…あの時帰っていれば…」

「アイリにたのんでおいたのに……」


彩美「あいり?」


ヌヒャービン「この世界4回目の子」

「さっき話してなかった?」


彩美「あっ、さっきの女の子……色々教えてくれた……」


ヌヒャービン「彼女は何回もここにきている」

「来させてるのはりゅう」

「彼女は何をしても子供が出来ないから、りゅうも悔しがっていたんだ」


子宮が…無いことは……知らないんだ。

言わない方がいいよね。


そこまで人間の体を調べていないって事か…。


彩美「すこし……聞いていい?」


ヌヒャービン「分かることなら……」


彩美「なんで子供が出来て産まれると殺されるの?」


ヌヒャービン「そこの話……か……」


彩美「まだ産めるんだから…それこそ……」


ヌヒャービン「君はまだ分かっていないんだね」


彩美「なにを?」


ヌヒャービン「いいかい、人間はいつもそうしてきただろ」

「産ませるだけ産ませて……用済みを捨てる……」

「この世界では1度、1人の母体からだけで他の犬からも沢山産まれるからね。だから一体だけでいいんだ」

「ここに何万と人間はいる。全て女の子だ」

「しかも、昔に出会った。助けてくれた女の子がほぼだ」

「でも、犬神様は…あえてそーゆー子を選ぶ」

「引き込みやすいからだ」

「性格の悪い子なんて、僕たちを助けてくれないからね」

「だからそーゆー事になるんだ」

「僕は……彩美に出会って人生捨てたもんじゃないって思った事を思い出す」

「そもそも死ぬ前に、携わった人間とは関われない」

「彩美は特別なんだ」

「はじめてここに降り立った時、君は迷っていただろ」

「基本、部屋のベッドで目が覚める」

「そう笑りゅうが失敗したんだ笑」

「だからだよ」

「そして、彩美の……ご家族……は複雑だ」

「こちらの世界に取り込む事が難しかったのもある」


彩美「待って待って待って」

「意味がわからない」

「特別に?」

「え?いいことした人が殺されるシステムなの?」

「意味わからない」


ヌヒャービン「……そうだよね……」

「だから……言いたくなかった」

「人間の言葉で言ったら、矛盾だ。そう、矛盾している」

「この世界は天国なのか地獄なのか分からない世界」

「俺はもう長い。」

「そう、歳をとってる」

「でも……りゅうは……たくさん生贄を差し出している」

「生贄の生涯を自分に移動させる……そういう儀式なんだ」

「でも、女の子は不思議と笑顔で殺される」

「そう、もう人間じゃない」

「翻弄されている操り人形になる」

「今の彩美は翻弄されかけている」

「普通ならもう翻弄されているが、多分愛をあまり知らないまま育ったから……」


彩美「……なんで……そう思うの……」


ヌヒャービン「目……かな」

「目が……曇っている」

「大体の家族から愛を受けていた女の子……は目が透き通る」

「彩美は……来た時から…曇っていた」

「でも、大抵はりゅうの手にかかれば、目が透き通る」

「でも彩美は、透き通らなかった」

「だから、りゅうは悔しくて……どうしても君を手に入れたい……いや、生贄にしたい……」


彩美「よく分からない……ってか、なかなか失礼極まりないこと言ってるよね?笑」


ヌヒャービン「……ごめん……笑」

「でも、そうなんだ……」


あの……ホントに意味がわからない。

で、どうしろと?


ヌヒャービン「キミは……彩美は……素直……じゃないから……」


彩美「あっ、なんかすいません」


ヌヒャービン「いえいえ。そんな事ございません」


あっ、敬語で喋ったからか。


ヌヒャービン「さぁ……選ぼうか……」

「生きるか…死ぬか……」


ヌヒャービンは急に低い声で言う。


え……待って……りゅうの時と一緒……


ヌヒャービン「ごめん……ちが……うんだ……」


え?さっきと同じ声……。

何か苦しそう……。


ヌヒャービン「っ……やめっ……やめて……くれっ……」

「こないで……くれっ……」


彩美「えっ?ヌヒャービン……?大丈夫?」


ヌヒャービン「あやっ……みっ……にげ……ろ……奴が……くるっ……」


ヌヒャービンは私を窓際においやる。


ヌヒャービン「はやっくっ……」

「うぉーーーーーやめてくれっーーーーーー」


彩美「ヌヒャービン?ヌヒャービン?大丈夫?大丈夫?」


私はヌヒャービンに近寄らず、窓際で叫ぶ。


カビロミ「もおーーーヌヒャービンうるさいっ……」

「って彩美じゃーん笑」


ヌヒャービンの声を聞きつけカビロミが、きた。


カビロミ「ってか、彩美はりゅうじゃないの?笑」


カビロミが私に近寄ってくる。


ヌヒャービン「カビ……ロミ……やめっ……ろ……」


カビロミ「ヌヒャービン……もうきっと力尽きちゃうねー生贄……あっ……」

「彩美、もう知ってたりした?笑」

怖い声の高笑と私に迫るカビロミ


やっぱり、カビロミは、初めから私を生贄に……。


カビロミ「俺はとりあえずまだ若いしー笑」

「まだ生贄いらないからー笑」


年齢……それも関係しているんだ……。


ヌヒャービンは息を整えながら

ヌヒャービン「カビ……ロミ……たの…む……あやみ……は……やめてくれ……」


カビロミ「えー笑だってもうすぐ生贄じゃなーいのぉ?」


ヌヒャービン「ちが……う……あやっ……みは……生贄……じゃない……」


カビロミ「あれー?笑おじいちゃん、彩美に本気になっちゃったのぉー?笑ウケる笑」

カビロミは爆笑しながら床をたたいてる。


怖い。

怖すぎる……。

ヌヒャービン……。

生きて……。

お願いだから……生きて……。

見ていただきありがとうございました!

アクション頂くと励みになりますので今後ともよろしくお願いいたします。

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