時計塔~そして陽菜の家は?~
2025.8.時計塔~「そして陽菜の家は?」~を更新しました。
ある日、鏡の中から出てきた手に引っ張られて「鏡の国」へやってきた陽菜。
そこで、ウサギのアリスと出会う。
鏡の国のアリス”をモチーフにした、とても不思議な世界を主人公の陽菜が旅をするお話です。
20年ほど前に書いた、冬桜初のファンタジーです。
その光景を黙って見ていたアリスが言う。
「“選ばれしもの”だしな~。アリスの家で良いんじゃないか?同居だ同居。お前も気に入っているようだしな、問題ないだろう?陽菜気をつけろよ、ウサギとはいえアリスは男だからな」
マーリはニヤッと笑った。
陽菜は、アリスが陽菜を「気に入っている」という発言に驚きアリスを振り返り見たが、アリスはそのことについて、一言も反論しない。
(気に入ってくれているの・・・かな?)
ちょっとだけ陽菜がうれしくなっていると、アリスがそれを突き落とすように言った。
「安心しろ。選ばれしものに手を出すほど私もばかではないさ」
アリスはマーリに向かって言う。
「その言葉、忘れるなよ」
「・・・忘れないさ」
マーリが挑発的に言うと、アリスは眉間にしわを寄せながら答えた。
「では、いきましょう」
アリスは陽菜に言うと、マーリに背を向け入り口へと向かって歩き出した。
陽菜がマーリのほうを振り向くと、なぜかにっこりと笑って手を振っていた。
「バイバ~イ」
アリスはマーリを無視したまま、時計塔を後にした。
<時計塔~アリスの家~に続く>
8月中のUP完了に向けて、ちょこちょこ更新。