アリス②
ある日、鏡の中から出てきた手に引っ張られて「鏡の国」へやってきた陽菜。
そこで、ウサギのアリスと出会う。
鏡の国のアリスをモチーフにした、とても不思議な世界を主人公の陽菜が旅をするお話です。
「さあ、どうしますか?」
現実世界に自分の居場所がないことにショックを受け、うつむいていた陽菜に聞きなれた声が語りかけた。
「アリス?」
そう、なぜか目の前にアリスがいた。
「陽菜さん、ここにあなたの居場所はありません。さあ、どうしますか?」
どうでも良かった。
陽菜にはこれが夢の中の出来事のように思われた。
自分が存在しないという悪夢。
考えたくもなかった。
「知らないよ」
これが夢だったらどんなに良いだろう。
けれど、そうではないことはわかっている。
しばらく陽菜は黙り込み、東の空からまた新しい太陽が生まれる頃、陽菜はポツリと言った。
「私・・・・・・どうすればいいの?」
陽菜がボソッというと、アリスは満面の笑顔で答えた。
「やる気になってくれたのですね」
陽菜は覚悟を決めるしかなかった。
〈世界を救え!!~ 簡単な依頼?~① へつづく〉
この時のアリスは、書き手を離れて勝手に暴走している状態だったので
書いていて「陽菜・・・がんばれ」でした(笑)