ソネット
驚くべきことがわが身に起こった。突然、7と8とどちらが先か忘れてしまったのだ。
私は、隣人にこのことついてどう思うか伺おうと家をあとにした。
彼らもふいに数字の順番を思い出せなくなっていたことが判明したとき、私も彼らもどれほど驚いたことであろうか。1,2,3,4,5,6までははっきりしている。しかし、その先は忘れてしまっていたのだ。
我々はみんなで、ズナメンスカヤ通りとワセイナヤ通りの角にある食料品店「食べ物屋さん」へ行って、レジ係に我々の疑念について尋ねた。レジ係は悲しげに笑い、口から小槌を取り出すと、軽く鼻を動かして言った。
「私の考えでは、8が7のあとにくるときは、7が8のあとにくるでしょう。」
我々は、レジ係に礼を言うと喜び勇んで店を出た。しかし、よく考えるとレジ係の言葉は全く意味をなさないように思えて、また肩を落とした。
我々は何をすべきだったのか。我々は夏の庭園に行き、木を数えはじめた。しかし、6までたどり着いたら、我々は数えるのをやめて、口論を始めた。ある者の意見では、7が後に続き、別の意見では8が次だとのことであった。
我々はもっと議論をすることができたが、幸いなことにそのときベンチからどこぞの子供が落ちて両顎を砕いてしまった。このことが私たちの気をそらさせた。それで我々は、めいめいの家に帰っていった。
(原題:Сонет、1935年11月12日)