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太陽 #5

伊庭家への襲撃を企む牧野家は、味方を集めるべく多数の家に使者を送り込んでいた。その使者に次郎も入らないはずもなく。

次郎が初めての側近への緊張が解け始めた頃。

次郎は自らの為、家臣の為、家の為、進む道を着実に選んでいく。ここから次郎の伝説は始まっていくことになる。


「ええー!!皆川家へ出仕ー!!??」


次郎の大きな声が屋敷中を響かせた。


驚くのも無理はなく、皆川家は豪族でありながらも良い噂を一片も聞いたことがないような家だったからだ。


「いきなりの出来事ですまないな。」


次郎の祖父であり牧野家当主の男の名は信正。

灰色の羽織を着ていつつ灰色の頭を持っている。


「皆川家には話はつけた。だから、まあ、側近ら

 は連れて行けるぞ。」


次郎は明らかに不服そうな顔をしながら、荷造りをした。


その二日後、皆川家へ出仕するため屋敷をあとにした。見送りには、信正や兄弟たちの親族、そして海野安重らがいた。

          〜

70里程、馬を走らせた。ようやく皆川家の門構えが見えてきた。


「はあ、、やっと着くな、、、、」


疲れ果てながらも次郎一行は、無事に皆川家へ到着した。すぐに、門番が駆け寄ってきた。


「本日より出仕予定の牧野次郎殿でございます

 か。」


次郎は驚いた。丁寧な口調でそのまま案内され、皆川家の接待部屋へ招かれたのだから。


「お待ちしておりました。」


そこには、既に皆川家の者がいた。この者は、紫色の衣服で身をまとい何やら堂々とそこに佇んでいた。


「私は、皆川家の当主をしております。皆川宗良

 と申します。」


まさかの接待部屋に既に当主がいる事に驚きを隠せず、次郎一行は言葉が発せずにいた。

そしてしばらくして、


「わ、私の名は、牧野次郎と申します。」


緊張した面持ちで続ける


「今後とも宜しくお願い申し上げます。」


その場で軽い世間話をした後、家来より部屋の説明をうけ、自らの部屋で休息をとっていた。


今日は何もする事が無いと言われたため、照景らと共に竹刀を振り、武芸に励んだ。


夜が明けると、次郎たちは朝一番に広間へ向かった。広間には、宗良と家来らの中に、変装などしようにも出来ないような光を放つ、眩しい程の次郎と同い年であろう太陽のような姫がいた。


「お呼びでございますでしょうか。」


次郎が座ると、周りの空気が動き出した。


「次郎殿を呼んだのは他でもない。」


「貴方様には、この家の執事として娘の見守りをしてもらいたい。」


次郎はしばらく固まった。


それも当然であった。家の執事となることは分かる、しかし娘の世話も任せられるとは次郎自身、考えてもいなかった。


「私の名は、夢と申します。」


可愛げの姫から声が発せらたものの、次郎は特に動じすに、この話を受け入れた。


「夢姫。宜しくお願い申し上げます。」


その後、次郎を交え皆川家の規則を改めて確認し、この議会は散会となった。


そして、夢姫と共に部屋へと戻った。


「改めて宜しくお願い申し上げます。」


次郎が改めて挨拶をすると、


「同い年であるのだから私は敬語を使わぬ、次郎

 も堅苦しい言葉はいらぬぞ。」


夢姫は次郎を気遣い敬う必要は無いと明言しても、次郎は出仕している身分である以上、そこは越えられないと考えていた。


夜が更け、自らの部屋へと戻った次郎は頭の中で、夢姫について振り返っていた。


第一印象は、大人しめな方。と、一人ながら結論づけていた。


翌日。日が明けると共に戸が開いた。


照景らだと思っていた次郎だったが、それが間違いだと気付いたのは、声が発せられた時だった。

新登場

◯皆川宗良→皆川家当主。牧野家へ出仕を依頼。

◯夢姫→主の娘。次郎と同い年で、輝かしい程に可愛い。

◯皆川の門番→皆川家に仕えて2年目で門番になる程のエリート。

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