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33/33

大業 #33



馬から飛び降り、左側に位置する文頼らに向けて駆け出した中将の男は近づくにつれて顔は変形し始め、体は大きく歪み、男が走った後には突風が吹き荒れる。

「見ろ!!!!俺の無道流の技を!!!!」

          “風烈旋盤(ふうれつせんばん)

文頼らが反応できない程の速さで斬りかかり、傷をつけられたと思うと、また違う場所を斬られ、手が出ない。

文頼らにとって始めて経験した“技”であり、流派を極めし者のみが扱える事は、この短時間のうちで伝わっていた。

「まさか、二本か、?」

文頼は斬られ続ける間にも思考を巡らせ辿り着く。

しかし、打つ手はない。

何の流派を身に着けているわけでもなく、斬られ続けるのみしか選択が無かった。

「無様だな!!!!このまま身を献上しろ!!!!」

通為や氏兼は限界が近づきつつある中、文頼も頼澄らだけは抗おうと必至であった。


その時。

志筑会を思い出した。

そこで対戦した根津とかいう男から、戦闘中に耳打ちされた。

「お前は何者だ。お前の師に〝意魂〟の教えを乞うてみよ。きっとお前は扱えるだろう。」

確実に自らより力量の上の者から言われたことをのみ、尋ねてみた。

「意魂か、。あれは、教えられて出来るものではない。その時の心身の状況や場面によって開花することが出来る。そして、基礎が大切だ。諦めてくれ。」

しかし、師はそれを許さなかった。

そしてこの場の基礎とは、相手の魂と自分の魂を自らで感じそこから力を振り絞ることである。


「そうだ、。魂を、魂を感じれば、、。」

その瞬間、文頼は確実にその二本の短刀を視界にいれると、刀を隙に抜き短刀を捉える。

「は、?」

中将は驚くように動きを止め後ろへとたじろいだ。 

血だらけに傷ついた文頼の反抗と、もはや立っていることこそ奇跡まで感じれる通為や氏兼、頼澄らに僅かに苛立ちを覚えていた。

「なんだ、今の。、こんな小僧に、流派もないようなくそガキに、おれは止められたのか、…?」

独り言のように吐き捨てると、その中将は再び二本の短刀を構える。

「まぐれなのか、判断させてもらうぞ。小僧!!!!」

          “風烈旋盤”

「さっきよりも、素早く動きが無雑作だ。、だが、魂だけはずっとそこに居続ける!!!」

そう文頼が話した瞬間、また二本の短刀は文頼の一本の刀によって封じられた。

「ま、、またなのか、?これは、偶然じゃないみたいだ、…。」

そうして一度、二本の短刀をしまうと、中将は口を開いた。

「そこの若人らに敬意を払い、名を紹介する。拙者、中将の鈴木重直と申し上げる。次は、互いに武士としてお手合わせ願いたい。」



そして、もう一方では。

「じゃあ、私も行かせてもらうよ。笑」

          “震天雷(しんてんらい)

そう言い放つと周りには雷鳴が響き、大地が揺れた。

その次の瞬間であった。

中将のもつ薙刀に雷が墜ち、その薙刀はそこそこの距離をとっていた玄治らに届くほどまで肥大化した。

そして中将はニヤリと笑みを魅せると、玄治ら目掛けて薙刀を横から大きく振り、殺意の纏った薙刀はそのまま玄治らに襲い掛かる。

「なんだあの殺気、…。」

その時、頼久は動揺していた。

初めての大技に動揺するのは当然のことながら、それに纏った殺気を感じ取ると、より心は安定さを失っていく。

そして、最も槍に近くいたのも頼久であった。

「これは、避けきれない、!」

頼久もこれには死を覚悟する程に、恐怖を植え付けられていた。

そんな時。

頼久の頭上を何かが通り抜けると、突風が吹き上がった。

「頼久!!!立ち向かえ!!!!」

その後、強く言葉が発せられると薙刀は大きく弾かれる。

「ほう。中々やる奴も居るようだね。笑」

そう中将を納得させる程に力を示したのは、何を隠そう唯一人。長兄玄治であった。

「しかし、力は荒削り。笑、まだまだのようだよ。笑」

そして中将は大きく薙刀を振り被ると、それを風を切り裂くように振り下ろし、場を整える。

その切り裂いた空も、玄治らにまで届く程の強さだった。

「さあ、次はどう出る。笑」

          “電震柱(でんしんばしら)

その瞬間、玄治らの頭上に大きく広がる黒い雲。

そして、反応できぬ間に雷のような斬撃が降り注ぐ。

頼久の肩や、裕頼の右足、元清の両の手首が一瞬にして斬り込まれる。

しかし玄治だけはこれを避けきり中将の元へと駆け出す。

「何だと、これの弱点を見切ったというのか、。」

その時、中将は大技を途中で止め玄治の首元を的確に狙う刀を受け流す。

中将はこの玄治の行動に恐怖心を抱いた。

あの一瞬で、大技の弱点を見破られたからである。

そして中将は玄治を後ろへとまた追い返すと、息を落ち着かせる。

それと同時に向こう側では、鈴木重直中将が文頼らを認め名を示した。

「重直の気持ち。分かる気がする。これは、武士として挑む必要があるな。」

そして、また一息つき間を作る。

「私の名は、村木重綱だ。次は本気で仕留めに行く。」




橋本の戦い。

      牧野軍   vs   幕府軍


前線部隊  800騎         5000騎


総勢    3000         40000


指揮官  牧野玄治 中将    宇都宮和秀 大将


将官   牧野頼久 中将    村木重綱  中将

     牧野裕頼 中将    鈴木重直  中将

                柳本則慶  中将


     牧野文頼 少将   ☠️????  少将

     牧野頼澄 少将   ☠️????  少将

     牧野氏兼 少将   ☠️????  少将

     牧野通為 少将   

     牧野元清 少将


総大将 ☠️牧野信正 隠帥    宇都宮和秀 大将

     

     牧野正一 将帥





          




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