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中立地ハウゼム
24/32

震える獅子 #24 

「ここに来たその心意気。未だ眠れる武士の魂。そして、若さ故の勢い。それらは認めてやろうではないか。」


「だがな小僧。お前のその若さ故の自己過信といものを、おれは大嫌いなんだよ!!!」


(震えがとまらない…。、)

猛獣を前にして足が微塵も進まず、怯えから引き起こされる震えに文頼は窮地に陥っていた。

しかし、その猛獣は文頼に手加減せずに力任せの一撃を入れる。

弱肉強食の世界には何ら不思議ではなく、只の自然界における捕食であった。


この一撃は文頼を縦に割るかの如く亀裂が走り、文頼の腹は落雷のような線が入り、血飛沫を大きくあげた。


豪久は続けて刀を持ち直し再び大きく振りかぶる。

「クソガキ!!お前の運はここまでなんだよ!!何が陽高の危険分子だ。只のガキンチョじゃねえかよ!!!」


そして、再び力任せの一撃は文頼に向かって走り出した。


その一撃は再び文頼を二つに割るほどのものであり、普通の人間が受けたらすでに跡形もなく消え去っているほどであった。


しかし、それに耐えるのが文頼であった。

腹には十字の傷を負い、周りには味方は居らず、相手方との一対一の試合。

これに敗れるものには、死のみが待ち、後退を告げる合図すら鳴らない。


「その耐久力も認めてやるよ!」

僅かに戸惑いを浮かべるも未だ有利の立場であるが故の発言であった。

「その褒美に良いことを教えてやろう。」


「この世は間もなく外部からの力により完全に陽高は失われることになる。」


「お前には何も出来やしないんだ。黙ってこのまま消えてくれ。」


その瞬間。

文頼の時は止まり。

周りが闇に堕ちる。


そして、ハウゼム全体を襲うほどの衝撃波が走った。


木々が大きく揺れ、ものによっては折れて倒れるものさえあった。


文頼へ目をやると、心が燃え盛る炎のように熱く輝いていた。


「何故だ!! 。これは。、…まさかな、。」

そう豪久が零すと、文頼は生死を彷徨う様子から無事復帰を遂げると、口を開けた。

「はあ。…、さて、反撃といこうか、化け物!!」


            ー


ブルート街。

この衝撃波は、ハウゼム内の将に何らかの影響を与えていた。

劣勢に立たされる、畠山重洋や北畠業雅らは身体の至る所に疲弊を感じられ、長克や則慶両名の体力は依然底知れぬものであった。

そこに、波が走る。


「文頼、…。とうとう片鱗を魅せたか。、」

重洋は文頼へかなりの期待を持っていた為か、当然かのように振る舞う。

「これは。まさか意魂なのか…?」

困惑を隠しきれないのは名越長克であった。

震えの止まらぬ身体を必死に操作しようとするが何も効かず。

それを見ると重洋、業雅の2人は大きく振りかぶり長克へと襲い掛かる。

そこに則慶が援護へと入ろうとするも、春房、盛時がそれを制し、長克は大きく後へと反動をうけると一瞬にしてその場が赤黒く染まった。


そして、則慶がそれに気を取られている隙に宣尚、信嗣が致命傷を狙い斬り込むと、則慶はそれを上手く流し、後へと避ける。


「さあ!!!どうする!!!形勢逆転のようだな!!!則慶!!!!」


則慶は自らの後方にて倒れ込む中将長克を目にすると、覚悟を決め、GEARをまた一段上げていく。


勝負は未だここから。


ブルート街にて。

名越長克、柳本則慶vs畠山重洋、北畠業雅、北畠信嗣、伊勢盛時、白河春房、上杉宣尚


城付近にて。

   大野照景、木下隆房、元川清時vs数多の兵士


城内にて。

        牧野文頼vs長野豪久

このどれも勝敗の予想など出来ず、どこが破裂してもおかしくない。

中立地ハウゼムの終わりは近い。










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