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墨雪物語
15/32

メイメイ #15

次郎らは、秋花家に外交という名目で姫探しに訪れ、秋花家の食卓へと共に参加することになった。そこでみたのは、墨に顔を覆われた何者かであった。奥方とは全く違った雰囲気であり謎に包まれていた。


そして、何も情報を掴めずに皆川家へと帰ると、しばらくして秋花家当主の尭義から外交の文が届く。そして、再び秋花家へ訪れると、尭義自ら次郎らを迎え今までにない雰囲気を醸し出していた。


さらに謎が深まり次郎は困惑するも、畳み掛けるように会合の3日間が始まった。その3日間は、次郎らへ徐々に謎を解かせる材料を提供した。その上、世話役の者からの助けを求める声も届き、次郎は救助策戦を実行する。


次郎らは、次郎と照景らの二手に別れそれぞれ倉庫と広間へ向かった。そして、どちらも刺客からの襲撃を受けるも、広間にて大きな音を立てて秋花尭義が現れた。

西側大廊下には尭義の弟、尭康も参戦した。


広間では無事奥方の確保が完了し、奥方はことの全貌を打ち明ける。


それと同じ頃、次郎は尭康の助けを得て墨の少女救出に王手をかける。





秋花家屋敷西側の物置部屋。


「おい、…貴様!!何をしている!!」


常日頃温厚な性格として知られる次郎が、珍しく怒りの感情を露わにする。


そして、次郎が自らの刀に手を触れると、対峙している汚らしい中年の将は、怯えながらも墨の少女を放り投げ、次郎に刃を向けた。


突然。次郎の心が炎に覆われ燃え始めた。そして、対する中年の将は血を噴き出しながら叫び声を上げた。


何やら心臓を押さえながら。


次郎は何が起こっているかなど考える暇もなく、その将へと向かって足を止めずに進み、相手の刃に一切触れることなく、首を獲った。


策戦開始から、およそ半刻と四半刻。


衝撃により気絶してしまっている墨の少女を急ぎ救助し照景らと合流を図る。


まるで墨のようにドス黒く、激しい臭いが蔓延る生を感じない西側大廊下をすぎて少女を抱きかかえなから進む。

            〜

広間。


尭義の加勢によって奥方を捕縛し、照景らは安堵していた。


「尭義様はこれから救って欲しかったのですね」


そう照景が言うと、尭義は頭の中で自分を納得させるように表情を暗くさせながら頷いた。


「秋花家は数百年前からより大きな領地を治める優良大名として名を馳せていた。それもある事件をきっかけに衰退は進み始め、幕府が成立すると同時に領地を統治することが不可能になり、一時は幕府に取り込まれた。

 

 数十年前になってようやく地位を取り戻し、旧領を安堵された。しかし、政治の殆どが幕府に委任されており、私に権限など一切なかった。散吉村の惨状を私は見ることしか許されていなかった。


だから、私はこれで良かったのだと思う。…」


そう自分に言い聞かせたように話す尭義を、照景らは、同情の気持ちで受け止める。


しばらくして広間へと着いた次郎は、墨の少女を尭義へと引き渡しことの真相を照景らから伝えられた。


(やはり、…尭義殿は助けを求めていたのだな。…よかった。、)


            〜


その後、墨の少女はすぐに医務室へと運ばれ、奥方らは獄中へと入れられた。

そして、この出来事が一段落ついた頃。

次郎は、尭義に対してある提案をする。


「我等牧野家と同盟を結んで頂きたい。」


尭義は、それにすぐに頷いた。

       

《 次郎が都へと修行へ行っていた時。


皆川家広間にて、尭義が宗良と言葉を交わしていた。


「ほう。私に国衆の下へつけと言うのか、笑」


尭義が宗良に対して少し嫌味を込めながら言った。


「ああ。今の皆川には幕府へと対抗することは出来ないが、牧野ならそれが出来る。頼む!!」


宗良は、尭義にそう返すと。


間を少し置いて尭義が答えを出した。


「外部からの力が無ければ、我々は何も出来ないからな。もし。今の秋花を救ったならば、考えてやろう。」 》


      宗良。ありがとう。


そう内心思い、涙すら流れそうな。そんな気持ちで。


和子(かずこ)。。ごめんな。。。こんな父で、。」


墨を完全に取り除き綺麗な顔を見せる墨の少女に涙を滝のように流しながら父は言った。


齢16の姫君であった墨の少女の名は、和子(かずこ)

秋花家の医務官は、あの地獄のような日々を完全に忘却させるには、長い時を要すると診断した。


「この文を宗良に渡してやってくれ。頼むな。」


そう尭義は見送りの言葉を次郎らに渡した。

すると、次郎らは傷を手当てされ無事に皆川家へと会合成功の報せと共に帰路につく。


            〜


「秋花の英雄が返ってきたぞ!!!」


そう皆川家の屋敷中に響く声であの門番が門を開けた。

そして、宗良に呼ばれた次郎らは広間へとその足で向かった。


「次郎。何を預かってきた。」


突然宗良に聞かれた次郎は、少し戸惑いながら〝文〟と報告し手渡した。

宗良はにこりと顔を緩め、1つ息を整えた。


「牧野家より代理を任されている。

 

 貴殿に元服を宣言する。

 

 ここに、幼名〝次郎(じろう)〟を改め、〝文頼(ふみより)〟と命名する。」





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