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第二章 赤さかはやと④
"さいじょう そう太"が失踪した公園は、伊とうが消える前日にぼくと遊んでいた公園だった。
ぼくは驚いた。
そして気づいた。
この公園には、誘拐犯が現れるんだ!
絶対そうだ!
伊とうはそいつに誘拐されたんだ!
そう思った。
ぼくは、"さいじょう"のお母さんに電話番号を教えてもらい、その後別れ、ぼくは公園で、誘拐犯の登場を待つことにした。
夜7時の公園。
遊んでいる子供は数人だった。
ぼくは息を潜めて、草むらに隠れた。
トゲトゲした草が顔に当たって痛かった。
だんだん寒くなってきて、上着を持ってくればよかったと思うようになった。
数十分くらいだろうか、待っていると、歩く音が聞こえてきた。
その音は後ろからだった。
振り返ろうとした瞬間、ぼくは口元にハンカチを当てられ、気絶した。
次に起きた瞬間、そこは、山の中だった。
顔にマスクをつけた小柄な人間に、ぼくはスコップで殴られた。
ぼくは命を落とした。