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第二章 赤さかはやと①
伊とうはどこに行ったんだろう?
あいつに家出する理由なんてあっただろうか。
ぼくには思い当たるものがなく、ふしぎだった。
ぼくは伊とう君に関する情報をさがそうと思った。
さた川や"あいつ"には伊とうをさがすことはできないだろう。
あいつらはまだおさない。
ぼくはスマートフォンを使って、小学生が失踪する理由を調べた。
1番上に出てきたページをクリックしたけれど、そこに書かれていたのは"軽い家出"や"迷子"みたいなものしか無かった。
そんなことをするくらい伊とうはおさなくないだろう。
さた川とかとは違って。
ページをそのままスライドしても、どうでもいい事しか書いていなかった。
だけれど、その中で一つだけ現実味をおびた言葉があった。
それは"誘拐"だった。