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第一章 さた川ゆうき①
伊とう君はその前の日まではふつうに学こうに来ていた。
いへんに気づいたのは10月29日の放か後だった。
伊とう君が家でかぜでも引いてるのかと思って、伊とう君の家に行ってげんかんチャイムを押した。
そしたら出てきたのは伊とう君ではなく伊とう君のママだった。
伊とう君のママはすこしこわい顔をして、ごめんね、あの子は今日げんきがないの、と言って、そのあとすぐにげんかんのドアをしめてしまった。
その日はげんきがないだけだと思ったけど、次の日はあきらかにおかしかった。
げんかんチャイムを押しても、誰も出てくることはなく、それで、気になって伊とう君のお部屋をのぞいたら電気が付いていなかった。