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同僚の体験談1~見える人~

やや怖、お気に入りです

年上の同僚が話してくれました。


その同僚は結構体験しているとのことで

いろいろお話を持っていたのですが、

同僚のお母さんの友人にガチで見える人がいるそうで

それに関するお話です。


以後、同僚のお母さんを「お母さん」

その友人を「友人さん」とします。



お母さんと友人さんは仲良しで、

よく一緒にお買い物や食事に出かけるそうです。


ですがお母さんは一つだけ友人さんに不満が有ります。


幽霊が見えると公言し、やれそこにいるだの

あの人幽霊だの言いだすのです。


お母さんは怖いものは苦手だし

「あの人幽霊よ」なんて言い出した時は

もし聞かれでもして、文句を言われたら嫌だなと

「やめなよ、そういうこと」と軽く注意していました。


お母さんから見たらどう見ても普通の人なのですから。


それ以外はいたって仲のいい友人ですので

また出かけていたときの話です。


ランチを一緒に食べ、ブラブラ歩きながら次はどうしようかと

街中を歩いていた時でした。


「あの人見える?幽霊よ」

また友人さんが言い出したのです。


せっかくの楽しい気分に水を差されたお母さんは

ムっとして言いました。


「失礼よ、聞かれたら怒られるわよ」


「大丈夫よ、何もしてこない人の時しか言わないもの」


「冗談だとしてもやめてよ、私怖いの苦手だし

 そもそも言われてもわからないわよ」


なんて会話を始めたら友人さんが言いました。


「そうだ、私がどうやって幽霊だと判断してるか知りたい?」


お母さんはまた何を言っているのかとも思いましたが

少し気にもなりました。


「どこで見分けてるの?

 やっぱり透けて見えたりするの?」


友人さんは得意げに言いました。


「そもそもね、幽霊も生きてる人もみんな同じ様に見えるの

 私はその区別がなんとなくつくのよ」


「なによそれ、それじゃあ私が聞いても参考にならないじゃない」


「あら、嫌がってると思ってたけど見たかったの?幽霊」


「あなたが変なこと言い出す時がわかれば

 びっくりしなくて済むじゃないの」


「あぁ、そういう」


と結局なんともならない話をしていると踏切に差し掛かりました。


ちょうど電車が来たので足が止まりました。

すると友人さんが


「踏切の向こうのあの男の子、幽霊よ」


と言ってきたのです。


「さっきの今じゃ驚かないわよ

 どうみても元気そうな男の子じゃないのよ」


反対側で踏切を待つその男の子は

透けているわけでも顔色が悪いわけでもない、ただの男の子でした。


話をしてるうちに電車が来て反対側が見えなくなりました。


いい加減怖い話は嫌だったお母さんは

友人さんに振る話題は何がいいかと考だしたところで。


「ねぇ」と下から声をかけられました、


「え?」と思い見下ろすと反対側にいたはずの男の子が足元でこちらを見上げていました。


お母さんは驚きました、違う子かとも思いましたが

先ほどの友人さんとの会話の流れでしっかりと見ていたので間違いようが有りません


では何故?かと考えたところで


「なんで分かったの?」


とその男の子は言うのです


さっきの会話を聞かれていたようです


「分かった?」とは会話で出た幽霊かどうかという事でしょう

そして電車が来たのにもかかわらず反対側にいた子が

こちら側にいるのです。


そこまで来たら嫌でもこの子が幽霊だと分かってしまいました。


あまりの驚きでお母さんは声も出せず

すがる思いで友人さんの方を見ました。


友人さんも男の子に気づいているようですが

ただ見ているだけで何かしようとする素振りは有りません。


お母さんは「助けて」とか「何とかして」と言おうとしましたが

思ったように声が出ません。


言葉にならない声でどうにか友人さんに伝えようとしていると

友人さんがお母さんがパニックになっていることに気が付いてくれたようです。


「ね、言ったでしょ」


友人さんはそう言いました。


「それだけ?」と友人さんの言葉に気が抜けてしまいました。


友人さんの態度からあまり怖い事は無いのかも?と感じたお母さんは

恐る恐る男の子のいた方へ向き直りました。


男の子はもういませんでした。


電車が通り過ぎ踏切があがっても、さっきの男の子はどこにもいません。


「話しかけてくるなんて珍しいわ

 まぁ、何かしてくるのもそうそういないから気にしなくていいわよ」


と友人さんは言うと何事もなかったように歩き出してしまいました。


その日はカフェで休んだり買い物したりした後

もう一度同じ踏切を通りましたが何もありませんでした。


それからお母さんは、枕元にだれか立っていたりだとか

別の踏切であの男の子を見かけるだとか

そういうことは有りませんでしたが、

前より怖い話が苦手になってしまったそうです。

駅のホームとか、人がいっぱいいるところでこの話を思い出すと

もしかしたら、この中にいるのかなと考えてしまいますね。

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