第七話。帝国証券設立。相談役になる。
第七話 帝国証券営業所を設立(順子相談役に、なる)
「こちらこそ。宜しく。」そして堤社長が。
「私どもは。二社で、六階に。営業所を設立します。・・・事務員を常駐させますので、ジャパン、ケミカルと。これからの、上場企業の件に対しては。全て六階で管理する事に成りましたので。覚えて置いてください 。」
「あ。そうだ。・・・えーと、今後の上場に対する、投資家(株主)の売買は、順子相談役が、一手に引き受けて、六階が管理する事に成りましたので。ご理解ください。」根津頭取が、話した。誰も、異議なして決まった。おおよその話は、此れで終わりだ。皆でワイン、ヘネシーを酌み交わした。皆さん。晴れ晴れとしていた。鈴木社長は、資金の調達の事で、一安心だ。ニコニコしている。
「順子相談役。・・・今後ともよろしく。」
「こちらこそ。・・・皆で頑張りましょう。」根津が、順子に、紙切れをそっと渡した。
(終わったら、後で、プレジデントホテルに、来るように。)と。書いてあった。七時だ。
「そろそろ解散しますか。」根津頭取が言った。すると皆さんが。順子に、封筒を渡した。
「此れ。・・・皆からのボーナスです。」
「えー・・・」七人分。堤社長が纏めて渡してくれた。順子は、お辞儀をして頂いた。皆解散した。順子は、片づけている。そして、消毒液を店全体に吹き付けた。エタノール。と。書いてあった。順子は、八時頃店を出て、タクシーでホテルに着いた。ボーイが出てきた。案内された。十階の部屋に行った。ドアが開いていた。ソファーで根津が待って居た。順子は透かさず、抱き着いた。そしてシャワーを浴びて、支度を整いて、レストランに行った。フルコース料理を頼んだ。乾杯した。
「ご苦労さんだったな。・・・」
「いいえ。お心遣い。有難う。・・・」
「旨く行って居るね。・・・鈴木社長が、頑張っているようだから、大丈夫でしょう。」
「私も。・・・そう思います。」
「正月。どう過ごしますか。」
「はい。三十一日。一日は、麗さんとこで。過ごすの。」
「そうか。お店は、何日から。」
「お店は、五日に、女の子達と、新年会で。六日から営業です。」
「そうか。・・・二、三、四は、空いている。」
「空いています。・・・じゃ。・・・強羅へ来るか。・・・」
「え。・・・良いですけれど。・・・」
「俺は先に行っているから。・・・待って居るよ。・・・」
「ぱぱ。・・・麗さんに。何て言おうかしら。・・・パパの事。・・・」
「そうだな。気づいてはいると、思うけれど。美江から。・・・俺から言うよ。・・・お前からじゃ。変だよ。・・・俺が誘った事にすれば。なんにも言えないだろう。・・・そうしよう。」
「お願いします。」
「う。いつ行くの。・・・明日。」
「かもしれない。麗さんから、電話来るの。」
「そうか。明日此処から、俺が電話するよ。・・・起きたら。」
「お願いします。・・・」二人は、年の差無く、何となく、気が合うようだ。順子も、裁けてきたようだ。益々根津の力が分かって来たから。か。・・・
「ぱぱ。こんなに入っていたよ。・・・店で、貰った封筒。・・・十二万円。」
「おー。良かったじゃない。」根津が決めた金だ。そして根津は。
「皆。順子を褒めて居るよ。綺麗で頭良くて。色っぽくて。・・・一緒に、銀座を歩きたい。て。」
「えー。本当ですか。・・・」
「本当だよ。・・・気づいて居るかもね。・・・皆俺には逆らえないから。黙っているようだけれど。・・・ま。良いか。」根津は、独り占めして、喜んでいる。順子も分かって居る。
「パパが、私を、独り占めしている。・・・悪い人ね・・・」
「おいおい。・・・強盗みたいなこと、言うなよ。ハハハハハ。ま。そんなもんだよ。世の中は。・・・運の良い人は、得をする。てね。」
「でもパパ。・・・お金が先ですか。・・・」
「ま。・・・どっちもだ。・・・順子。・・・」二人は遅くまで居た。一一時だ。部屋へ戻った。二人は、シャワーを浴びて、ベッドインした。
次の朝。十時に起きた。根津が麗さんに電話した。
「もしもし。根津だ。お早う・・・・」
「あら。・・・珍しい・・・どうしました・・・」
「あー・・・実は、順子の事だが。・・・」
「根津さん。分かって居ますから。・・・話さなくても、良いですよ。・・・人格が下がるわよ。・・・」
「そうか。・・・有難う。」分かって居たようだ。女の話で、頭、下げて居たら、人格が。落ちる。て。言われた。と。順子に話したら。
「麗さん達は、分かって居る。人達ね。・・・経験の勘が、鋭いですね。」
「あー・・・俺とも長かったから。・・・分かってくれた。んだ。」二人は。お昼を食べて、ホテルを出て。分かれた。順子は。虎屋の羊羹を買って行った。麗さんに上げる為。そして麗さんの部屋へ行った。
「お早う。麗さん。・・・」
「あら。お早う。・・・お店は何時までお休み。」
「はい。四日まで、です。五日は、女の子達と、新年会を遣ります。お昼の十一時から。」
「そうですか。・・・じゃ。私と、深川神社に、初詣、行きましょうか。此処の神社は。深川芸者たちが来るの。綺麗どころが。・・・
「へー行きたい。・・」
「今日は、何処へ行こうか。・・・お寿司屋さんは。此処。五日間は、忙しいから、いけないの。お客さんと話している暇なんか。無いのよ。私達が言ったら、邪魔になるだけ。・・・年越しそばは、深川で。・・・其処の中華飯店に、行きましょう。・・・予約します。」麗さんは。電話をかけた。予約を取った。まだ三時だ。コーヒーを飲みながら。ソファーで休んでいた。
「順子。家に居たの。・・・朝。根津さんから。電話あったの。・・・順子の事で。とか言って。・・・まだ私に気を使って居たのよ。・・・だから、女事で話したら人格が、落ちるでしょう。て。言ったの。・・・分かって居るわ。ヨ。て。頭取も直ぐ分って。・・・有難う。て。言って居た。・・・そうでしょう。・・・私が順子を連れて行ったのは。その為よ。・・・でもさ。決めるのは順子だから。ね。・・・ここ二年位。探していたのよ。誰か。綺麗で頭良くて、優しくて。て。・・・根津は、ね、きつい人は、だいだい嫌いだから。若い時に、女に叱られて、尻にひかれて。悲しかった。て。今でも言うのよ。・・・だから、美江さんも。私も、分かって居たの。今の店も、止めたかったのよ。美江ママも、・・・だから、順子。此の運命は、逃がしたら駄目よ。私達に気を使わなくても良いのよ。・・・本妻とも離婚しているから。チャンスよ。」
「えー・・・・そうだった。んですか。・・・」
「だって。・・・根津の人格も、分かったでしょう。・・・優しくして居れば、良い。だけの、事だから。根津は。其れが生きて行く。望みなの。・・・順子だって、此れから生きて行くには。楽でしょう。何十億。何百億円の資産が有るの。よ。」
「そうですか。・・・なんか。怖くなってきた。・・・何十億円。何て。」
「まあね。普通聞いたら。なりますよ。・・・でも本当なのよ。・・・順子。頑張って、私達の事は、良いのよ。・・・出世したら、私達二人。温泉にでも連れて行って。貰えば、嬉しいですよ。」
「そうか。・・・そうだった。んだ。・・・麗さん。・・・有難う。」
「ね。・・・近所で生まれて、妹のように、育って。大人に成って。又一緒になって。大金。儲けして。しかも銀座で。・・・小説に成ると思うよ。順子。」
「えー・・・そうね。生まれた時から、一緒に育って、おむつ取り替えて、頂いて。就職も探して頂いて、・・・小説かー。・・・」
麗さんは。空から降りてきた。エンゼルみたいだ。て。言って居る。
「あ。時間だ。・・・近いから歩いて行こう。」二人は中華飯店に行った。やはり、満員だ。
「しょうがないのよ、時期が時期だし。評判のお店だから。」二人は、奥のテーブルに、案内された。
「あら、麗さん。お久しぶりね。」
「はい。ママ。忙しい。かったの。」
「麗さんは、人のお世話で忙しいのよ。ね。・・・お二人で。・・・コース料理にしますか。」
「あ。その方が。・・・じゃ。Aコースで。」
「はい。有難うございます。・・・」
「此処の女将も、私達と一緒に。銀座界隈で、ホステスをしていたの。今の旦那さんと知り合って。此処にお店を構えたの。・・・順子。皆さん苦労して、此処まで来ているのよ。」
「うん。・・・そうかー。」それぞれ。いろいろ、と。ご苦労が有る。んだな。料理が運ばれてきた。
「大皿だから。小皿に、自分でよそって食べるのよ。・・・まだまだ来るのよ。」
「へー・・・こうなる。んだ。中華料理。て。」順子は、コースメニューは、初めてだ。又運ばれてきた。食べて居る。・・・又運ばれてきた。
「麗さん。・・・又来るの。・・・そう。・・・デザートで終りね。」
「えー。お腹、いっぱい、だ。」
「順子。・・・ゆっくり食べなさい。・・・中華屋さんは、時間かけてゆっくり食べるのよ。」
「正月は、何処か、行く。んで、しょう。」順子は、隠さないで、話した。
「うん。二、三、四日。間。伊豆の強羅って。温泉の別荘に、誘われているの。・・・」
「え。あそこ。私は行ったこと無いのよ。出来たのは知っているけれど。・・・良い所だ。て。評判よ。」順子は、もう行って居たが、話さなかった。
「帰ったら教えて。・・・どんな雰囲気の、場所だったか。・・・おそらく凄い、と思うよ。・・・根津の設計だから。・・・あの人は、全て知って居るのよ。・・・ほら。渋沢栄一。て。・・・明治時代を発展させた。人が居るの。・・・その一派と知り合いになったから、根津は、運が良かったし、慶応大学卒業で優秀だった、らしいから。・・・出世したのよ。・・・全て、一流の、考えだから、勉強なるよ。順子。」
「え。渋沢栄一。・・・学校で習ったかな。」
「鉄道。日本銀行。蚕糸工場。製紙工場。鉄工場。煉瓦倉庫。石造り倉庫。日比谷公園。田園調布。等、等。数えきれない程。会社を立ち上げた人だから。・・・渋沢栄一。て。・・・その考えを、根津は、フル活用している人で。運の良い人なの。」
「えー・・・そう。なんですか。」
「だから、金融に関しては、東京じゃ、逆らう人は居ない。と言う。噂されている人だから。・・・殆んど成功するよ。順子。」
「え。・・・なんか、分からなく、なっちゃう。」
「ま。・・・焦らないで。・・・若い。んだから。」此れからは、根津の話が、チョコチョコ出て来るような感じがする。二人は、お腹いっぱいになり。麗さんの、奢りで、帰った。ソファーで、休んだ。順子は、泊った。十時頃起きた。順子はシャワーを浴びて、コーヒーを飲んでいた。麗さんも起きて来て、シャワーを浴びて、一緒にコーヒーを飲んでいた。
「もう。三十一日ね。・・・除夜の鐘か。・・・田舎でも有ったでしょう。小さな、お寺だけれど。」
「うん。行ったわよ。何回か、・・・大きくなってからは、行かなかった。」
「浅草は、・・・賑やかよ。・・・人。人。人で。ま。順子。経験だから。一通りね。知って居た方が。話のタネだから。」
「はい。そう思います。行きたいです。」
「じゃ。・・・何処が良いかな。・・・ふぐ料理か。すき焼きか。・・・」麗さんは、すき焼きに、電話した。・・・混んでいる。けれど。二人なら。何とか。取れた。・・・麗さんが、知り合いの店だから。(はんだ)
「あー・・・順子。やっと。取れた。・・・私の顔で。八時に。・・・観音様の近くなの。・・・良かった。」
「え。・・・予約しなくても、取れたの。」
「そう。麗さんなら。しょうがない。て。」女将に何か、お土産でも買おうか。と。虎屋に行って。羊羹を買って。千疋屋で、ケーキを食べた。夜の為に。昼食は抜いた。
「すき焼き屋の、女将も、苦労して、・・・あの人も、もともと、私達と銀座に居たの。・・・綺麗すぎて、男たち、大勢寄ってきて、逃げて居たの。あの頃は、レジャー。て。無かったから。バーとか、クラブが、流行ったの。・・・ま。良い時代だった。」
五時だ。順子が羊羹を持った。二人は寒いので。着重ねして、コートを羽織った。
「麗さんこれ。・・・重いー・・・」
「でしょう。三個、入ったから。・・・女将も、羊羹なら、お使い物に成るから。」麗さんは、友達でも。お互い気を配る大切さを順子に教えた。浅草へ着いたがまだ早い。人も大勢いだ。一時間ある。休むところを探していた。何処も無い。すき焼き屋の前に行った。休む椅子が、置いてあった。・・・空いた。
「順子。あそこ空いたよ。」二人は急いで座った。
「あー疲れた。・・・年だね。私は。・・・」
「え。私だって。疲れて居ますよ。・・・」やっと。休めた。今日は特に寒い。座って居ると、余計に寒い。おかみさんが出てきた。
「あら。・・・麗さん。寒いのに。・・・」
「此れ。お土産。・・・」
「えー。有難う。何時もね。・・・どうぞお入りください。」まだ三十分前だ。入れて頂いた。
「あー暖かい。・・・」二人は、ホッとした。女将さんが来た。
「麗さんこちらへ。・・・」案内された。二人は、部屋に入って休んでいた。
「麗さん。沢山いただいて。・・・」
「良いのよ、女将さん。こちらこそ。無理に頼んで。・・・ごめんね。」二人は意気が合って居た。
「麗さん。て。凄いですね。・・・皆さんと。知り合いで。」順子は、驚いている。
「うん。・・・昔、馴染みだから。・・・一緒に苦労した。・・・順子も友達作って。大事に付き合った方が。・・・こういう、結果に成るのよ。」順子は。感心していた。すき焼きの準備が始まった。・・・けっこう。面倒くさそうだ。お姉さんたちが、てきぱきと、動いて居る。薄切りの、牛肉が、いっぱい並んだ。
「えー・・・こんなに沢山。・・・」
「順子。大丈夫よ。薄いから。そうでも無いのよ。」順子は、こんな沢山。出てきた肉は、初めてだ。お姉さんたちが、横に座って、あくを、取ってくれる。この店の仕来りだ。
「えー皆さん。ずっと傍に付いているの。」
「そうよ。あく取りが、大変なの。・・・さ。食べましょう。」
「あー・・・美味しいー。・・・柔らかー」順子は、高級すき焼きは、初めてだ。こんな食べ物が有る。・・・お母さんや、弟達に、食べさせたい。・・・でも高いのかな。
「順子。どんどん、食べて。・・・卵も入れたら。」麗さんが気を使ってくれている。
「はい。・・・でも美味しい。・・・」又、肉を運んできた。
「えー・・・また来たよ。麗さん。・・・」
「ん。・・・これで終わり。・・・順子。追加注文すれば又来るよ。」
「もうーお腹いっぱい。・・・」順子は、こんな肉は、初めてだ。牛肉。て。美味しい事が分かった。好きに成りそうだ。・・・すき焼き。二人はお腹いっぱいだ。麗さんが精算した。
「麗さん。こちらの方は。・・・」
「あ。女将さん忙しかったから。紹介。忘れていたの。私のお友達なの。今度ゆっくり来ますから。その時。」
「あ。そうね。今日は。バタバタして、居るから。今度ね。」二人は店を出た。時計を見た。混んでいる。順番に本堂へ進む。並んだ。
「順子。すき焼き屋さんの。女将さん。綺麗でしょう。・・・」
「はい。・・・全ての仕草が、絵に成る。・・・感じがしました。」
「順子も、見習ってね。今度ゆっくり来ると、女将さんが、あく取り、してくれて、いっぱい話が聞けるから。・・・色々と為に成るよ。」
「はい。又来ましょう。・・・美味しかった。」順子は、喜んでいた。もう直ぐ、除夜の鐘が鳴る。丁度、本堂の境内に差し掛かった。
「順子。今年は、いっぱい良い事が有るよ。何故ならば。此の境内で、除夜の鐘をきけるのは。余程。運の良い人達よ。・・・私達は、今年は、運が就いているのよ。」
「へー・・・そうですか。・・・」
「そうよ。根津に話したら、凄い、喜ぶと思うよ。・・・何年来ても、此処で聞いた事は無いのよ。私も初めて。」すると、ゴーン。・・・百八回。聞くまで皆さんじっとしている。順子も、鐘の音が、体の内まで響いているのを感じていた。成る程。熱いものがこみ上げる。昨年の良い事だけが、鮮明に、脳裏に浮かぶ。・・・これが神の、恩恵か。・・・あと一つで百八。ゴーン。・・・終わった。皆深くお辞儀をした。万歳を三唱している人も居る。順子も、心が晴れ晴れした。二人は、国際劇場に向かった。ゾロゾロ、繋がっている。ホテルのロビーを開放してくれている、みたい。あ。ここだ。二人も休んだ。コーヒーを持ってきてくれた。凄い、サービスだ。明るく成って来た。電車も走り出したようだ。皆動いた。二人は。タクシー乗り場立った。タクシーに乗って帰った。
「あー。疲れましたね。順子。」二人は、それぞれ寝室で寝た。起きたのは。十二時だ。
「順子は、シャワーを浴びて、ソファーでコーヒーを飲んでいた。麗さんも起きて、シャワーを浴びて、ソファーで休んだ。コーヒーを入れて置いた。
※昭和四十年。一月一日。(元旦)
「明けましておめでとうございます。」お互い。挨拶した。
「順子。昨夜は凄かったね。・・・」
「はい。・・・初めて体験しました。・・・浅草寺、観音様。て。聞いて、いましたけれど、凄いです。・・・」
「順子。明日は。・・・箱根ね。・・・頑張ってね。・・・成功を祈って居るよ。」
「有難うございます。・・・」
順子は、歩いて、家に帰った。
「あー。疲れた。・・・」ソファーで横になって、テレビを見ながら。ウトウト寝た。もう六時だ。でも混んでいるから、出ない方が良い。家で残り物を食べながら。ワインを飲んでいる。テレビも賑やかに、各地方のお正月を映している。カラーで奇麗だ。
リリリリ。電話が鳴った。お母さんかな。
「もしもし。おめでとう。・・・」
「順子。帰ってこないの。・・・」
「うん。友達と伊豆の温泉に行くので、帰れないの。明日から。・・・汽車も混むし。近いうちに帰るから、待って居て。弟達。お小遣いある。」
「あー。別に何処行く当てもないから。小遣いなんか。使わないよ。」
「そうか・・・何処も行くところ。無い。ね。・・・とにかく待って居て。」
「順子。身体。大事にね。・・・あまり焦らないようにね。」お母さんは、身体の事が、気になるみたいだ。(男に気を付けろ。と言う。意味だ)都会の、男女交際の。激しさが分かって居るみたい。麗華お姉さんも、そうだったから。思い出しているのかもしれない。でも、私は、根津とのやり取りもハッキリして頂いて居るし、席はどうしようかと。悩み中だ。別の遺産も有るみたいだし。ま。良いか。根津に電話した。
「もしもし。順子です。・・・明日。お昼前に着くように。出ます。」
「あ。そう。気を、付けて。な。・・・」電話を切った。シャワーを浴びて寝た。六時に、目覚ましをセットした。・・・リリリリ。目覚ましが鳴った。
※一月二日。土曜日。シャワーを浴びて、化粧して、衣類を持って家を出た。新宿までタクシーで行った。小田急の改札口で降りた。切符を買って。九時発の電車に乗った。強羅着。十一時三十分頃だ。箱根でも強羅は、山の上だから、寒いみたいだ。電車に揺られて強羅に着いた。電話した。
「順子。今強羅駅に着きました。タクシーで行きます。」
「あ。そう。門は、開けて有るから。」タクシーで着いた。家に入った。叔母さんが居た。
「いらっしゃいませ。・・・お待ちしておりました。」案内された。地主の叔母さんだ。手伝いに来ている。様だ。直ぐ帰った。
「お早う。・・・」
「おー待って居たよ。・・・混んでいた。」
「はい。・・・うん。八割位。居たかな。」
「そう。正月は、箱根も混む。んだよ。・・・十日位まで。」
「へー・・・温泉に来る。んですね。・・・東京からでしょう。」
「殆んど。ね。・・・箱根も開発しているから。どんどん人が集まるよ。西武鉄道が開発しているから。直ぐ進むよ。あの会社は、資金が有るから。」コーヒーを用意してあった。順子はソファーに座り、コーヒーを飲んでいた。
「観光するなら。タクシー貸切るから。何時でも。」
「え。タクシー貸切る。・・・」
「歩くじゃ。大変だよ。山ばかりだから。まだ今日は、雪降らないから良いけれど。雪降ったら。歩けない。・・・ホテルの中で、過ごすしかない。だから温泉に浸かって居れば。外へ出る必要ないから。」
「うん。温泉の方が良い。・・・外は寒いし。」
「このホテルは大きな露天風呂が有るから。其処で過ごせば。退屈しないよ。」順子は、一人で、露天風呂へ行った。
「へー・・・凄い、広い。山が見える。・・・湯煙が上がっている。」順子は、箱根をまだ勉強していないので、分からない。大涌谷の山だ。ケーブルカーも有るが、冬は、休みだ。やっぱり温泉だ。風呂から帰って来た。
「順子お昼。食べに行こう。・・・」すると順子は。寝室へ行こうと、手招きをした。根津も直ぐ分って、二人は寝室へ入った。一時間位過ぎて、出て来て。レストランに行った。根津は魚が好きで、海鮮フルコースを頼んだ。伊勢海老。貝類。タイの活け造り。殆ど、活魚だ。
「ぱぱ。美味しい。伊勢海老。て。こんな大きい。エビ。タイとか。・・・こんなにいっぱい。食べられる。」
「あー。ゆっくり食べなさい。・・・時間は有るから。ワインも有るし。」順子はゆっくり食べた。
「順子。今年は、順子の年に成るかもね。・・・ジャパン、ケミカルの。発展は、日本に取っても、重要な仕事だよ。俺も、最近コンピューターに興味が有って、いろんな人と、話をするが、日本で、組み立てることは、まだ知らないで居るよ。俺も喋らないけれど、でも小型化に成ることは、皆が望んでいるよ。小さくすれば、様々な機械に取り組んで、世界をリードする。て。・・・皆が言っている。」
「パパ。私らには全然。想像も付かないですね。・・・コンピューターで、計算が、正確に早く成れば、モノ作りは、早くなりますね。私が考えても。」
「うん。・・・順子。流石だ。・・・サインコサイン。此れが数秒で、答え出せたら。早いですよ。・・・全て物体だから。設計から加工まで。数ミリ単位で、しかも、五ミリの、千分の一とか、計算できれば。・・・凄いな、順子。目の付け所が。・・・」
「パパ。此れは、全てに関わる事じゃ無い。・・・コンピューター。て。」
「此れは、投資する価値。有るね。・・・順子を、窓口にすれば、自ずと金は入ってくる。其れに株式投資も。だ。・・・こういう企業を増やして、投資すれば、・・・ただ、百パーセント。は。無理か。ま。アンテナを高くして、監視しよう。順子。」
「そうね。・・・ジャパン、ケミカルの発展次第ですね。」
「そういう事だな。・・・順子。・・・相談役に。ぴったし、だね。話が分かるから。」
「そうですか。・・・そう、言われると、自信が付きます。」
「十二日頃。招集掛けて、・・・鈴木社長に言っておくよ。ただね、俺が、しゃしゃり出ると。不味い。んだよ。・・・今回だけは。電話して置くよ。」
「はい。お願いします。」二人は意気統合している。ワインも一本。無くなった。二人は部屋へ帰った。ソファーで、のんびり休んでいる。うたた寝、していた。眼を覚ましたら。九時だ。ベッドで寝た。
※一月三日。
十時に起きた。順子はシャワーを浴びて、化粧をして、コーヒーを入れていた。根津も起きて来た。
「お早う。・・・あー寝たね。」
「うん。鼾。かいて、いたよ。・・・」
「そうか。順子が、頑張るから。・・・疲れるよ。・・・まだ、若かったらな。」
「何。おっしゃいますか。・・・十分ですよ、パパ。」
「そうか。・・・そう言ってくれると嬉しいな。・・・」根津も満足だ。・・・ただ、順子は、まだ初心なので、そんなに激しんない。麗華とか美江じゃ、そうはいかない。しつこく迫ってくる。・・・だから、俺は、こういう。初心な女を探していた。根津は頭をよぎった。
「今日はどうしますか。順子さん。・・・」
「は。・・・順子さん。て。言った。・・・」根津は笑っていた。
「私は、露天風呂に入って、サウナに入って。水風呂に入って。・・・アスレチックも、会ったから。久しぶりに運動したいの。」
「あ。そうか。アスレチック。・・・俺も遣ってみるか。」
「え。良いじゃない。・・・先に行っている。」二人は。露天風呂に行った。男湯。女湯に。分かれている。順子は何回も入った。根津は、露天風呂から、アスレチックに行った。順子はまだ露天風呂に入って居た。
アスレチックに行った。
「お。凄い。なんでも有る。」マットも有り。平均台も有り。珍しく吊り輪も有った。
へー。吊り輪。順子の得意なものばかりだ。ここは、男女兼用だ。
「どれから行こうか。・・・マットから。」得意の宙返り。誰も居ないので、本気で遣って居た。すると、人が集まった。パチパチパチパチ。拍手。
「えー。・・・」皆。見物に来た。順子は、久しぶりに気合が、入った。次は平均台。宙返り。バック転。又割。逆立ち統立。・・・パチパチパチパチ。ものすごい拍手だ。
今度は、吊り輪だ。全部見せた。根津も見ていた。パチパチパチパチ。拍手。
「あー。疲れた。」下はスキャンテ。上は長袖の肌着だ。子供達が集まった。
「お姉さん。・・・プロでしょう。」
「オリンピック出たの。」
「もう一度やって見せて。・・・」パチパチパチパチ。アンコール。アンコール。順子は。アンコールに答えた。マットから、始まった。順子は、疲れているのを感じた。平均台の、バック転は、遣らない。吊り輪も、後で筋肉痛になる。のは、分かって居たが。最後に吊り輪を遣った。子供達が寄って来た。
「凄い。・・・」皆に触られた。順子は、こんなに子供達に触られたのは、初めてだ。
「可愛いねー。回ってみる。」マットで皆に教えた。お母さんたちも、いっぱい集まった。根津も遠くから。喜んでみていた。もう終わらない。お母さんたちが来て。
「ごめんね。・・・子供達が。・・・」
「ううん。良いのよ。・・・私は体操、遣って居たの。中一から、高三まで。・・・だから、普通なのよ。」
「えー。ほら。お姉ちゃんみたいに。成らないと。」
「でもできる子も、居ましたよ。・・・」パチパチパチパチ。拍手を貰って。終わった。そして、根津と順子は。部屋に帰った。
「順子。凄いねー・・・見直したよ。・・・本当に。素晴らしい。こんなに近くで見たの。初めてだ。大学時代は、横目で、ちらっと、見ただけだから。・・・良いね。近くで、真面目に見ると。」
「そうですか。有難う。・・・でも疲れました。あー。」ソファーに横に成った。が。二人は。寝室へ行って寝た。ぐっすり寝たようだ。起きたら。十一時だ。順子は、シャワーを浴びて化粧をして、コーヒーを飲んでいた。根津も起きて来た。二人でコーヒーを飲んでいた。
※一月四日。
「パパ。私、お昼要らない。お腹いっぱい。・・・筋肉痛。・・・」
「そうか。・・・あんなに動いたから。」
「そう。でも楽しいね。・・・身体を動かすのは。・・・子供の頃は、毎日、二時間から、四時間。宙返り。跳び箱。十二段、飛んでいたの。」
「そうか。身体は丈夫だね。」
「そうね。かぜ、ひいたこと無いです。・・・ぱぱ。帰りますよ。・・・じゃ。十二日頃ね。鈴木社長。と会うの。・・・楽しみですね。・・・バイバイ。」手を振った。
タクシーを頼んで、伊豆箱根駅まで行った。切符を買って。電車に乗った。二時だ。四時頃就くかな。順子は。根津の心は、完全に掴んだ。と。思って居る。でも顔には出すまいと、注意する。事にしている。新宿に着いた。タクシーで家に向かった、空いている。スイスイ走った。家の前で降りた。
「あー。疲れた。」順子は直ぐ寝た。
※一月五日。
順子は。九時頃起きた。シャワーを浴びて化粧をした。今日は三時から、新年会だ。お寿司を取ろうか。二〇人だから、五人前入りの桶。四個。か。寿司屋さんに電話した。
「もしもし。明けましておめでとう。ございます。順子です。・・・マスター。お店に、何時もの、お寿司。四桶。三時まで届けてください。私が居ますので。」順子は、二時に家を出た。歩いた。二〇分。着いた。八階で遣る事にした。
「まいどー。」
「あら。早かったね。・・・幾らですか。」
「一人前。二五〇円で二十人だから。・・・五千円です。」
「あ。そうー・・・」順子は精算した。前の桶を返した。
「お早う。明けましておめでとうございます。・・・ママ。・・・これ。」虎屋の羊羹。
「有難う。今年も宜しく、ね。皆で。一緒。」
「うん。皆で待ち合わせして。虎屋で、コーヒー飲んで。・・・羊羹買って。」
「さ。テーブル並べて。・・・けっこう。ゆったりしますね。」ワインヘネシーを揃えた。つまみは、お寿司が有るから出さない。
「じゃ。弘子さん新年の挨拶。お願いします。」
「えー。・・・じゃ。明けましておめでとうございます。・・・皆元気で揃いました。明日から。クラブ「JUN」を。益々盛り上げて行く様に。頑張りましょう。」パチパチパチパチ。みんな揃って。順子は、嬉しかった。
「皆さん。誰も欠員無くて。本当に嬉しいです。本年もこのメンバーで。楽しく過ごしましょう。それから。私が、たまに留守をすることが、多くなりますので、八階の。チーママを。北海道の美輪さんにお願いしますので、了解してください。美輪さんあまり固く成らないようにね。弘子さんは、七階で引き続き。・・・お願いします。じゃ美輪さん挨拶。」
「えー。何。喋る。・・・私、人の上にたつの。て。苦手、なんです。皆と一緒お願いします。」
「そうですか。・・・あのね。上に立つ。じゃないのよ。精算とお金と。在庫の。管理をお願いしたいの。弘子さんと二人で、お願いしますね。」
「はい分かりました。」
「じゃ。皆さん。ジャンジャン、遣りましょう。・・・何か、特技遣ってくれても良いのよ。歌でも、漫才でも、・・・どう。弘子さん。」
「えー。・・・じゃ。歌を歌います。美空ひばりの、お祭りマンボ。・・・」パチパチパチパチ。・・・・・・ほーらほら。ほーら、お祭りだー。
「えー。弘子さん。凄い。上手。・・・」順子が褒めた。パチパチパチパチ。
「じゃ私。大津良子の、銀座の蝶。(弱音、はいちゃ駄目。さー、にっこりと、夜の蝶々は、あああ、あー。飛ぶ、んーだーよー。)パチパチパチパチ。
「凄い。皆。・・・美和ちゃん。」ママが、
「私最近覚えたの、でも、皆で歌いましょう。・・・御座敷小唄。」
(富士の高嶺にふる雪も、京都先斗町にふる雪も、雪に変わりはないじゃ無し、溶けて流れりゃ皆同じ。)
「えー。ママ上手だ。・・・」パチパチパチパチ。流石に、女の子達は、都会に溶け込んでいた。
「今年から。皆さん。・・・プロに、成った。んだから。恥ずかしがらずに。知り合ったお客さんを大事に。付き合ってくださいね。・・・もう大人。なんだから。自分で責任をもって、羽ばたいて下さいね。・・・楽しく生きて行こう。」
「ママ。・・・楽しく生きます。・・・」皆。賑やかだ。時間は早い。七時だ。
「そろそろ終りね。・・・明日から、頑張ろうね。」
「ママ。お寿司美味しかった。・・・」皆。美味しかったって。言ってくれた。そして解散した。順子は、タクシーで帰った。筋肉痛で、疲れている。直ぐ寝た。
※一月五日。
リリリリ。電話だ。時計を見た。十時だ。
「もしもし。パパ。はい。十二日。七時に八階で、・・・社長達三名で分かりました。有難う。パパ。・・・」十時か。ずいぶん疲れている。体操の性だ。・・・でも、あんなん。で疲れたら、情けないですね。・・・何とかしないと。身体が、生っちゃうね。・・・
順子は独り言。言っていた。
一月六日。
仕事始めだ。順子は、六時に店に着いた。
「お早うございます。・・・」
「あら。お早う。・・・昨日はありがとうね。
「こちらこそ。ママ。・・・お上手だった。流石だ。な。て。」美輪ちゃんも早く来た。
「お早う。・・・」
「あら。美輪ちゃん。早い。・・・あのね。この四人さんは、お掃除手伝ってくれているの。行為でね。・・・」
「そうでしたか。・・・」
「美輪ちゃん。気にしないで。」ドアが開いた。ママが出た。
「いらっしゃいませ。・・・あら。社長。」西川社長だ。
「お一人ですか。・・・」
「あー一人だ。・・・会社の連中に、内緒で、・・・」
「ご苦労様です。・・・女の子。十人全員座った。・・・」ボトルとつまみをセットした。
「新年あけましておめでとうございます。今年は、JUNに通いますので。宜しく。」
社長は続けた。
「本当は、此れを遣りたかったの。一人で、十人に囲まれたかったの。ハハハ。」
「えー・・・独り占めにしたいの。・・・美輪が傍に付いた。」
「そう、なんですよ。・・・あなたは。良いね。背が高いし。・・・でも皆さん大きいね。・・・全員。俺好みだね。」順子ママが。
「この人は、芸能界のプレーボーイ。・・・なんだって。」
「えー・・・でも素敵ですね。・・・でもお年。」
「あなたね。恋愛に年の差は。無、い、ん、で、す。」
「ハハハ。社長。話せる人。・・・」
「でもさ。芸能界は、素敵な人。ばっかり。でしょう。・・・」
「でもね。あの人達は。売り物なの。商品。なの。だから商品には、手を出したら。駄目なの。」
「え。・・・あ、そうか。ですね。・・・社長。話し分かる。」
「だから、クラブに来る。んだよ。・・・羽目。外しに。でもね。夜の銀座は。奈落の底に、落とされちゃうから。・・・男も女も。・・・」
「えー。怖い、社長。・・・」
「うん。JUNは。そんな事。無いよな。・・・皆さん。純粋に見えるから。・・・男を、騙した、り、しないだろう。」
「それは。時と場合に、寄りますよ。社長。」
「あー。色恋の話は。尽きないね。ママ。・・・金儲けの話。無いですかね。」
「社長の方が知って居るでしょう。・・・付き合い、広い。んだから。」
「ま。・・・付き合いは。広いね。芸能界は、元より、スポーツ界。レスリング界。相撲協会。政治家。企業社長。・・・何故ならば、公演興行を頼まれる。各地方巡業も多いから。キャバレーは、特に多い。・・・それに各商店会の、大売り出しイベントで
。歌手の公演。・・・だから全国歩きます。」
「じゃ全国の、女性を口説いて、歩くの。・・・」
「うー。まーね。・・・それは、想像に任せますよ。・・・」
「今度。良いお話。情報が入ったら。お伝えしますよ。」
「お。本当か。・・・待って居るよ。ママ。・・・芸能界は、今。金余り。何ですよ。何百万。て。稼いでいるから。・・・歌手が。」
「そうか。地方巡業ね。商店街大売り出し。で。○○歌手招待券。付き。」
「ママ。良く知って居るね。・・・田舎何処。」
「福島です。・・・」
「行きますね。・・・福島。郡山。いわき。会津。・・・全国の市町村。・・・ママ。家の歌手達も、金の置く場所が無い。んですよ。」
「そうですか。・・・大きな声では言えない。んです。けれど。上場株。て。有る、んです。投資しませんか。・・・」順子は。耳元で囁 いた。
「えー・・・後で教えてよ。・・・旨く行くなら。俺の知り合いだけでも。何百人も居ますよ。俺家は、浅草に住んで、三代目だから。・・・増してこういう仕事をしているし。・・・教えてください。金持ちも大勢居るからよ。」名刺の裏に自分専用の電話番号を書いたのを、順子にくれた。
「分かりました。必ず、伝えます。」
社長は、九時頃帰った。
「賑やかですね。芸能界は。・・・あの社長は裁けていますね。・・サラッとして。」ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか。」美輪が出た。
「城南開発です。」
「ママ。城南開発さんで、六名です。」
「あら。笹川、社長。いらっしゃいませ。どうぞこちらへ。」二番テーブルにセットした。ボトルも有る。女の子十人座った。
「とりあえず。明けましておめでとう。」
「今年も宜しく、御贔屓に。」
「ママ。今年は出だし、好調ですよ。・・・二日に。新聞に。建て売りのチラシを入れた。んですよ。電話が、対応できない。掛かってきます。」
「えーそうですか。・・・小田急線。京王線。辺りでしょう。」
「狛江。調布。町田。周辺ですね。・・・此処まで進むと。金余りが、発生する。て。世間の噂ですよ。・・・だから会社で、何処かね投資先を、探していますよ。皆で。」
「えー・・・社長ね。大きい声では、言えないですけれど。上場企業が有りますので、投資しますか。」
「え。ママ。其の、上場企業を、皆で探している。けれど。探しようが無い。て。」
「そうでしょう 。・・・いちいち表に出すような話じゃないですからね。・・・難しいでしょう。探すのは。・・・私は。上場したい企業の相談を受けている。人を知って居ます。・・・何故ならば、投資も必要とするので、合わせた相談です。」
「えー・・・それは。凄いママ。・・・是非。教えて下さいよ。・・・」
「はい。社長なら。・・・教えてあげても、良いですよ。・・・何百万円でも。良いらしいですから。ご存知と思いますが、上場すると、三倍。五倍に成る。・・・」
「知って居ますよ・・・ママ。・・・それをどうすれば、探すの、かが。・・・問題なんですよ。・・・凄いね。ママ。その情報聞いたら。殺到しますよ。JUNに。」
「えーそうですか。・・・」順子は、惚けた。
「それはそうですよ。・・・そんな情報。持っている人。・・・絶対。居ないですよ。・・・ママだけですよ。・・・」
「そう。だとしたら。・・・社長。誰にも教えないでね。・・・約束ね。・・・はっきりしたら。連絡します。ただ。企業が発車するまで。二か月位。掛かりそうなの。」
「ママ。何か月位なら、待ちますよ。・・・」
「分かりました。・・・その時は、連絡します。」
「良かった。其れをすれば。社長として、一株。上がります。宜しく。」順子は人を操るのを。少し覚えたようだ。十一時だ。看板だ。七階から弘子が、清算書とお金を持ってきた。来ない時は順子が行く。解散した。順子は帰って直ぐ寝た。お店もお客が途切れることなく、まー、まー、の。入りだ。
※一月十二日。十時。リリリリ。電話だ。
「もしもし鈴木だが。」
「はい。社長。・・・」
「今日ね。十二時頃。お昼食べながら、お店の八階で、会議、できないですかね。」
「え。・・・私は、大丈夫ですむけど。」
「夜だと、お客さんが居るので。と。思いまして。・・・お寿司を取って頂いて。四人分。・・・お願いします。」
「はい。有難う。じゃ。寿司を持ち込みで、行って、居ます。」
「そうか。・・・ですね。」順子は。シャワーを浴びて、支度して、お寿司屋さんに行った。
「いらっしゃい。・・・あら。ママ。」
「お早う。・・・今日はね。お寿司を五人前。出前を、お願いしたいの。お店に。其れで、一緒に、乗って、行きたいの。」
「う。・・・あ。そう。・・・じゃ、此処で待っている。何時まで。」
「十二時まで。・・・あ。其れから、一人前三〇〇円で、一五〇〇円にして下さい。」
「はい。有難う。・・・十一時過ぎた。ばかりだから。・・・今急いで、造ります。」じゅんこは待って居た。女将さんがお茶を、だしてくれた。
「ママ。・・・忙しい、そうねー」
「はい。おかげさまで。・・・此処のお寿司が、食べたい。んだって。・・・家の店で。ちょっと相談事が有るの。」
「其の儘。お店続く。んでしょう。」
「そうね。でもソファーで、休めるから。」
「はい。・・・お待ちどう。」順子は、精算して、一緒に乗って店に着いた。入口で三人待って居た。
「あら。・・・待って居ました。・・・」順子は。寿司桶を持って、車から降りた。社長がお寿司を、持ってくれた。
「はい。有難う。シャッターを開けてエレベーターで、八階に着いた。
「どうぞ。・・・」奥の三番テーブルに座った。
「ママ。休んでいる所。すみません。」
「大丈夫です。社長。」四人。対面で座った。
「おビールでも、飲みながら。お寿司を食べながら。話しましょう。順子は。ビールを、二本出してきた。
「はい。どうぞ。」皆に注いであげた。
「先ずは、明けましておめでとう。今年も宜しく。」
「じゃ。始めましょう。」書類を出した。
「株価は、一株=五十円。発行株=百万株。五千万円。
内。役員の持ち株=四十%。を持つ。
一人=二万株=百万円。・・・四名で、合計四百万円を。資本金で。登録します。目標としては、二千万株=十億円。夢の様な、数字ですが、あくまでも、目標です。了承して頂きたい。株の管理は。帝国証券。丸中証券が、この回の六階で、管理します。今後他社で上場したい企業が有れば。六階で受付できます。・・・したがって我々四人で、情報を集め。勧誘する事も可能です。そして此の六階は、今後、上場したい企業に、出資する。出来る。・・・窓口が順子相談役です。何故ならば。新日本銀行を動かす事が、出来るからです。他社の銀行は。一万円の金を、引き出すにも、時間が、掛かりすぎます。上場したい企業は、皆さん急いで居るので。即決でなければ、ならない。順子相談役ならば。即決可能です。とすれば、我々も、その企業投資に、参加する事が出来る。んです。一石二鳥です。小遣い取りに、成ります。従って、日々四人で情報を集めて、六階で、打ち合わせをする。・・・以上です。・・・食べながら。飲みながら・・・」
「社長。六階の事務所は、何時からですか。」
「それは二社に任せて有ります。・・・二、三日中に、来ると思います。店に挨拶に。来るでしょう。」
「それから大事な件。アメリカから来て、機械の配置などの設計を決める。日時は、何日にしますか。皆さんの都合で。」
「鈴木社長の工場だから。・・・」
「うん。工場はいつでも入れるように、成って居ます。ので、いつでも良いです。」
「すると、ジョンさんの。都合ですね。・・・順子相談役に、連絡とって頂いて。連絡待ちですか。」
「そうですね。・・・はい。じゃ相談役。お願いします。」
「はい。分かりました。・・・時差が十六時間。なので、夜の十一時に電話して、聞いておきます。・・・明日朝十時に社長に、電話入れます。」
「はい了解しました。・・・」
「今度は雑談と行きますか。・・・何時ところで。」
「四時過ぎたばかりです。・・・ママ。」
「私は大丈夫です。まだ。飲んでいないから。六時半ごろ。女の子達が来ます。」
「後二時間。大丈夫ですか。」
「大丈夫ですよ。先程の、百万円の、徴収は。・・・」社長が。
「私が立て替えて。払ってあります。・・・ま。何時でも良いと言うか。二、三日中で、・・・」
「私は明日、払います。・・・お店に来ますか。・・・」
「まだ、新年会していないから、新年会しながら来ますか。一五名、何ですが。入れますか。」
「大丈夫よ。女の子会わせて二五名。・・・一寸、きついけれど。」
「じゃ、そうしましょう。」
「えーじゃ。家も。七階で遣ろうか。二社で何人。七人。七人。一四名だ。良いじゃない。・・・でも、みんな顔合わせしていないから。半分に分けられるかな。・・・」
「大丈夫よ。仕切れば。・・・終わる頃に、顔合わせしたら。今後の為に、皆さん名刺交換してさ。・・・」
「あ。・・・そうしよう。じゃ明日。七時から。貸し切りで。其れでママ。値段決めようか。一七人。と。一四人。で。・・・悪いけど。」
「そうですね。・・・お寿司とつまみと。ヘネシーだけで良い。ワインは出さないで。一人一万円と。言いたいですが。・・・勉強して、八千円で。・・・如何ですか。」
「ママが大丈夫なら。俺達は。・・・・家賃も高いでしょう。銀座だから。・・・金の事言う人は、銀座に来る。資格は無い。て。巷の噂だから。」
「うちは、一五人だから。十二万円。」
「七人で、五万六千円。・・・・八人で、六万四千円。で。お願いします。・・・今払っていきますよ。」三人で。十六万二千円。今日の分は、二万円。締めて、十八万二千円払った。
「私も明日。百万円。払います。・・・」
「設備費用は、どう。なんでしょう。・・・相談役。」
「アメリカ持ちでしょう。当然。・・・だって、機械全て。持ってくるので。買うわけじゃ無いから。・・・それで、私、ハッキリしておきたいことが有るの。其れは。会社の仕事の、内容とか、人事とか。細かい事には、タッチ出来ませんので。・・・私の仕事は。融資、投資、株の取引。のみですので。・・・六階には、常にお邪魔します。」
「そうですね。・・・分かりました。」皆、分かってくれた。
「今後は、細かい事が、多々、出て来ると思いますので、その時ドキで、話し合いましょう。・・・それからご三方は、此処で飲む分には。お金は頂きませんから。・・・ただ。お連れ様は、ご三方の顔で。七千円で。飲み放題で。・・・時間は二時間で。」
「えー・・・良い。んですか。・・・助かります。・・・その代わり、成功した暁には。お祝いしますので。」
「有難うございます。・・・」 三人は帰った。
「お早う。弘子達だ。
「はい。お早う。ご苦労さん。・・・今までお客さん居たの。帰ったばかり。」
「へー。・・・今の三名の方たち。・・・見た事有る人達だと、思った。」皆で掃除した。順子は、飲んでいないので、普通だ。
「ママ、美輪さんが。喜んでいたよ。・・・チーママに成った。て。お友達にも、褒められた。て。・・・」
「そうですか。・・・でも良い人だからね。美輪ちゃんも。」
「北海道の、山奥で、学校まで、冬は、ノルディックスキー。だ。て。だから本気で選手に成るのに、嫌じゃ、無くなった。て。だから。スキー。上手らしいよ。ノルディック。てさ。大変らしいですね。足腰が。・・・だから・美輪さんの太もも。六十五センチ、有る。て。」
「えー。其れは凄いですね。・・・」女子全員来た。・・・コーヒー飲みながら待機している。ドアが、空いた。
「いらっしゃいませ。何名様ですか。」
「プレジデントホテルの専務。大橋です。・・・五名です。」
「あら。お久しぶりです。・・・お元気なようで。どうぞ、こちらへ」三番テーブルに、セットした。ボトルは有るので。
「明けましておめでとうございます。」
「本年も宜しくお願い致します。」ママも皆で、新年の挨拶をした。女の子、十名で接待した。
「今日は、一段落して。・・・僕は明日から、休暇を貰って、一週間休みです。五人で、だから一杯。・・・JUNで。・・・この人達。誘ってきた。んです。」
「そうですか。・・・暮れから休み無しで。・・・そうか。交代制。なんだ。・・・同じ接待業でも、私達とは違うから大変ですね。」
「ま。仕事は、皆、同じだけれど。ホテル業は、大変です。・・・毎日トラブルが発生する。んですよ。・・・物無くなった。り。男女の揉め事。病気。頭痛。歯痛。・・・」
「えー・・・そうですか。・・・お泊りだから、三泊とか。四泊とか。・・・何かイベントも、有る。んですか。」
「餅つき大会は、毎年元旦に。遣りますよ。・・・マジックショウが、一番人気で。大喜びですよ。」女の子達も打ち解けて話している。
「休みで。何処か、行かれる。んですか。」
「はい。・・・強羅の別荘に行く。んです。・・・頭取の別荘で。毎年。今頃、この5人で。三泊四日。残り、二日間は家族サービス。」
「えー強羅。・・・聞いては居たけれど。」
「凄い。んですよ。・・・広くて。日当たりが良くて。暖かいし。・・・のんびりして、癒されますよ。会社の車、一台借りて。」
「ホテル。大手企業は、スケールが違いますね。」
「それも、家の社長の友達が。良いからですよ。・・・普通、空いていても、貸さないですよ。頭取だから。あの人は、皆を面倒見てくれるから。」
「へー・・・そう。なんだ。頭取。て。」順子は、又惚れ、直した。
専務たちは。二時間位で帰った。ジユン子は。時計を見た。十時だ。アメリカに電話した。
「ハロー。ジャパン。順子。ジョンさん。・・・」
「はい。明けましておめでとうございます。・・・」
「ジョンさん。日本に来られる。日時を、聞きたいのですが。」
「はい。そちらの方は。何時。良いですか。」
「日本は、何時でも、良いです。・・・土曜日曜も良いですよ。」
「はい。・・・それでは、日本時間。一月一六日。午後二時頃。東京駅、八重洲口。出たところ。で。会いましょう。如何ですか。」ジョンさんは、何度も日本に来ているので、分かって居る。
「大丈夫です。・・・何名ですか。」
「私と、エンジニア。四人で。五名ですね。」
「分かりました。お気をつけて。お待ちしております。バイバイ。」
これで、よし。一六日。午後二時。東京駅八重洲口。出たところ。との事。だから、東京駅に。行って居る。そして、次の朝。十時。鈴木社長に電話した。
「もしもし順子。・・・社長。アメリカの、ジョンさん達が、一月十六日。土曜日。午後二時。に。東京駅。八重洲口の出たところで、会いましょう。との。連絡が取れました。」
「はい。十六日。午後二時。東京駅。八重洲口の出たところ。・・・分かりました。皆に伝えます。・・・ご苦労様でした。」順子は、一安心。
「社長達。新年会やるでしょう。七時から。」
「行きますよ。七階八階で、ママ。忙しいね。」
「はい。待って居ます。」順子は、寿司屋に電話した。
「もしもし。順子です。又、お寿司頼みたいの。一人前、三百円の、二十九人前。今日七時から。忘年会で、七階一四人。八階一五人。に分けてください。・・・私は六時ごろ店に行って居ます。」
「はい。・・・毎度有難う。頑張ります。」合計七五〇〇円。だ。順子は支度して、百万円をバックに入れて。家を出て歩いた。良い運動に成るので。店に着いた。弘子達も来た。・・・準備しながら、弘子達に話した。寿司も届いて、テーブルにセットした。飲み物は。ヘネシーだけ。
「弘子さん今日は貸し切りね。八階が一五名。七階が一四名。・・・お金は、頂いているから。飲み放題で、」
「はい。分かりました。」女の子も全員来た。弘子は貸し切りの事皆に話した。
「お早う・・・ゾロゾロ男性達が入って来た。・・・此処八階だ。」七階一四人。八階。一五人。それぞれ。別れて座った。社長の挨拶で、始まった。若い人達が多い。こんなに、若者が集まったのは初めてだ。女の子達も燥いで、いる。社長達もいつもとは違う。
「皆、今日は、ジャンジャン飲んで。明日から頑張れるように。」
話題は、田舎の話が多い様だ。インテリーも居て、大学の話をしている。JUNは、大卒は誰も居ない。でも皆。お客に合わせて居る様だ。女の子も、若い男が、話し合うようだ。こんな雰囲気は、順子も初めてだ。お寿司が旨いと。大騒ぎだ、初めて食べたと言う、お男の子も居た。皆。地方出身者が、多い様だ。順子は、社長達に、十時前に、終わるようにお願いした。酔っぱらう人も出てきたようで。・・・社長達は、了解してくれた。鈴木社長が。
「皆さん。盛り上がって居る所。申し訳ありませんが。時間に限りが、有りますので、この辺りで、お開きとさせて頂きます。」
「えー・・・」若者たちは、残念がっていた。そして解散した。鈴木社長達三人が八階に集まった。
「ママ。有難う。・・・皆楽しんでいましたね。」
「良かったね・・・鈴木社長・・・あ。・・・これ。」封筒を渡した。百万円だ。
「あ。有難う。・・・領収書持って来ました。」領収書と交換した。
「やっぱり。若者たちは、居酒屋と間違って居る人も居ましたね。ママ。」
「ま。これから、だんだん。分かるでしょう。JUNで、新年会、遣ったよ。て。思い出に成れば。・・・家で自分のお金で、飲めるようになるには。・・・でも良い子達、みたいですね。社員たち。」
「あまり、揉めた話は、聞いた事が無いですよ。・・・」
「じゃ。此の辺りで。」又、十六日。に。
「ママ・・・どうもね・・・」三人は帰った。今日は、早いけれど、閉店した。
順子は、寿司屋へ行った。
「お早う・・・・」
「いらっしゃい。・・・もう終わったの。」
「うん。終わり。・・・疲れました。大騒ぎで、先にお日ビール下さい。小さいので。」
ビールを。一気に飲んだ。
「あー美味しい。・・・ワインにしよう。・・・」ワインを飲んでいた。八千七百円。を出して。先に払った。
「マスター。今日のお寿司代金。」
「えー。一緒で良いのに。・・・じゃ頂きます。」
「本当に疲れた。・・・こんなに騒いで飲んだの、初めてだから。若者だけで。・・・楽しいですね。若者は、・・・私も、若い。んだ。けれど。なー・・・マスター。」
「え。・・・本当ですね。・・・二〇才か。・・・若いですよ。ママ」
「でも。今日。つくづく感じたの。・・・若い。て。素晴らしい。でも私は。」女将さんが。
「でも、順子ママは、・・・目指すところが、違うでしょう。・・・チャラチャラ出来ないわよ。・・・銀座のママですから。・・・とても女子には見えないよ。ママは。本当。二十代、後半に見えますよ。・・・」
「えー女将さん。・・・」
「本当よ。・・・もう順子ママは、大人ですよー」
「此れも。運命だね。有れ。お寿司出てこない。」
「え。食べたでしょう。お店で。・・・」
「え。食べて居ないのよ。私達は。・・・」
「あ。そうか。・・・あれは、お客さんだ。・・・ごめん。ごめん。直ぐ。」
「あーお腹空いた。」すぐ出てきた。バクバク食べた。
「あー美味しい。・・・今日の若い人達。こんなおいしいお寿司。食べた事無い。て。ガツガツ食べていたよ。こんな美味しい、寿司。初めて食べた。て。」
「そうですか。・・・嬉しいね、そう言ってもらえると。」
「本当。美味しかった。・・・帰ろう。幾らですか。」
「お寿司だけでしょう。・・・あ。ビールか。・・・四百五十円です。」払って帰った。直ぐ寝た。
そして、一月十六日。
順子達は、東京駅でお昼を食べて。一時三〇分に、八重洲口を、出たところで待って居た。来た。順子は見つけた。
「ハロー・・・順子さん。お久しぶり。・・・ハグした。」順子は三人を紹介した。ジョンさん達も、五人で、名刺交換をした。鈴木社長が、
「ジョン社長。・・・ホテルは、予約して有りますか。・・・」
「えー。まだ予約して居ないですよ。・・・何時も、一人だから、予約取らないです。今回も、着いたら、探そうかと。・・・」
「そうですか。もし。会社に近い方が、良いと、思いますが。・・・そうすれば近くで、予約できます。」
「ぅん。・・・順子さん。・・・」
「えーと。ジョンさん。その方が、良いと思います。・・・千葉県市川。と言う。ところで、東京から近いですから。」
「はい。そこは。順子さんに任せます。」
「はい。じゃ、社長。市川にホテルを予約して頂いて。」社長は直ぐホテルを予約してくれた。ツインで。三室。
「有難うございます。・・・じゃ。工場を、先に、見ましょうか。」鈴木社長達は。タクシー三台で。市川に向かった。二時間で着いた。工場に入った。
「おー・・・広い。・・・誰も使用していないですか。」
「はい。私の工場です。・・・空いています。」
「素晴らしい。広さ。OKです。電気、高圧。」ジョンさんは。普通に日本語を話せる。
「はい。高圧、二〇〇ボルト入っています。」
「OK―・・・」ジョンさんとエンジニアと、廻って見て、歩いていた。設計図を出した。テーブルが有ったので図面を広げた。全員で眺めている。順子は、離れて見ていた。
「おー。・・・機械の設置場所が。五か所に開かれている。」鈴木社長が、ジョンさんに、聞いた。
「五種類の機会が。ある。んですか。」
「そうです。五代装置。・・・入力。記憶。演算。出力。制御に。分かれて組み立てます。・・・最後に、この五つを纏めて。一個のコンピューターに成ります。・・・現在は、此れが最小の。コンピューターです。ディスク・トップ。で。キーボードは、別で。机一個分。有りますね。・・・」六時だ。
「順子さん。今日は、此れで。終わりましょう。・・・ホテルに、行きますか。」ジョンさんが言った。
「社長。今日は此れで。終了して、ホテルに行きたいそうです。」
「あ。分かりました。・・・疲れて居るよね。・・・じゃ行きましょう。会社一〇人乗りの、ワゴン車で、市川駅前の輪輝に行った。順子も行った。
「あ。良いホテルですね。・・・新しい。」
「OKー・・・」五人は、受付カウンターで、チェックを済ませた。
「ジョンさん。何日滞在しますか。」
「あー・・・言って居なかった。・・・ごめん、ごめん。・・・十六。一七。十八。十九日。羽田。午後二時。フライトです。・・・だから、一九日。十二時まで。発着ロビーに、着きます。
「そうですか。社長。二日。滞在するそうです。」
「はい。・・・良かったです。・・・明日から二十名ほど、社員を集めます。」
「おー・・・良いですねー・・・日本の、若い人達に、憶えて頂ければ、有難いですね。・・・まだ機械は無いですけれど、勉強している人は、図面で、おおよそ分かります。順子さん。社長さん。・・・又、帰る時、説明しますが、機械代金。設置費用は。私達が、全て負担します。面倒なのは。工場内に、設置した物。全て、私の物です。契約。交わしますけれど。」鈴木社長が。
「はい。分かりました。・・・それでも大丈夫です。・・・宜しくお願いします。」
「じゃ。此処で、別れますか。・・・」順子が言って。分かれて帰った。順子も工場へ帰った。
「順子相談役。・・・素晴らしい。・・・日本で初めて、アメリカの下請け工場。・・
・今日、どうしますか。・・・」二人は。帰って、明日来る。
「私も、帰る、けれども。・・・じゃ。私と一緒に、会社の車で、送っていきます。・・・家は墨田だから。お店に行きますよ。」
「そう。有難う。・・・何時ですか。時計を見た。七時だ。電話貸して下してください。」
電話借りて店に、電話した。
「もしもし。私。弘子さん。・・・用事が有って、少々遅れますので宜しく。ね。」順子と社長は、銀座に向かった。二時間。掛かる。順子は一安心だ。
銀座に着いた。
「社長。寄ってくでしょう。・・・」
「はい。・・・飲んでいきますか。」社長も降りた。八階に行った。三番テーブルに座った。まずビールで乾杯。女の子、三人座った。美輪も居た。
「ママ、今日は、ワインにしようかな、久しぶりに。」
「そうですか。・・・私もワイン。・・・此のワイン。どうですか。酒屋さんに。勧められているの。・・・」
「う。・・・ま。好みだから。分からないよ。ママ。」
「そうね。お断りしますか。・・・」
「今日はね。社長と、デートしてきたの。千葉まで。」
「えー・・・千葉まで。遠い。・・・」
「車で。・・・工場見学で。・・・凄いの、社長の工場。でっかい。て。言うか。広い。て。言うか。とにかく広い。」
「へーどうして。・・・」
「ちゃんと決まったら。・・・お披露目しますから。ね。社長。」
「う。あーそうですね。まだハッキリして、いないから。・・・」
「手も、図面見たけれど。・・・そんなに、難しく、無いような気がする。」社長の夢は広がりそうだ。社長疲れているようで、帰った。
※一月十七日
朝。九時。鈴木社長に電話した。
「もしもし私、順子です・・・社長。私は工場には、行きませんので。皆さんで相談してください。」
「あ。・・・そうですね。相談役は、来なくても、大丈夫です。後で報告しますから。」
「頑張ってくださいね。・・・失礼します。」電話を切った。順子は、家で休んでいた。
午前九時。鈴木社長は。ワゴン車で、ホテルにジョンさん達を迎えに行って、工場に入った。小林・渡辺取締役、三名の他に。十名の社員も、参加した。皆さんと、テーブルを囲んで、図面を広げて、コーヒーを飲みながら。ジョンさんと、エンジニアが、細かい説明をしている。それぞれ気づいたことを、何でも質問して、いる。又、部品の実物も、並べられて、見ているので分かりやすい。機械は五か所の、部署に分けて。壁伝いに、部屋を設け。各部署に四名で、クループを作り。此処で細かい部品を組み立て。
中央の部屋で、総合組み立てで、完成する。
①入力装置
②記憶装置
③演算装置
④制御装置
⑤出力装置
⑥中央総合組み立て
この六。部署に四名。づつ、配置し、グループとし、稼働して行く。そして機械設置後は。アメリカの、エンジジニアが、滞在し。完全に覚えるまで、指導します。
此処までは。内部の説明です。
ボックス(キャビネット)。の製造も有ります。プラスチックの材料で。型が出来ていますので。流すだけです。
①デスク・トップ
②キーボード
③マウス
このケースを、造れる、工場も必要です。・・・ここで造れますか。
これまでが。工程の説明です。後は、機械を設置して。造りながら説明する必要が有ります。何か質問有りますか。ジョンさんの説明が終わった。
「えーと。ケースの製造について。・・・型は、有りますか。」鈴木社長が聞いた。
「はい。型は、機械と一緒に、運ばれてきます。・・・建物を別に設けなければ、なりません。何故ならば。粉塵が飛ぶからです。離れた場所で。造らないと駄目です。」
「そうですか。・・・」社長達三人は、集まって、話している。・・・
「ジョンさん。・・・その工場は。近所に有ります。私の会社です。そして、其処では現在。プラスチック。型流しを、稼働しております。・・・」
「え。・・・それは、それは。一致しましたね。・・・稼働しているなら。最高です。」鈴木社長は、ホッとした。・・・仕事が無かったからです。
「会社。名前有りますか。」
「はい。株式会社・スミダ、ケミカル。と言います。・・・ブラスチック型作り。専門です。」
「OK。社長。お願いします。鈴木社長さん。・・・稼働しているなら。見る必要ありません。」ジョン社長も気分が良い様だ。ニコニコしている。
「それでは、皆さん。質問が無ければ。お昼ですね。・・・社長。レストラン有りますか。」
「はい。海鮮レストランが有ります。」
「其処。行きましょう。私が奢ります。」全員で行った。一八名だ。おお広間だから、大丈夫だ。海鮮鍋だから丁度。外国人には、珍しい。かも。車から降りて店内に入った。
「おーOK。・・・」嬉しそうだ。対面で、テーブルを囲んだ。鈴木社長は。鍋を五つ頼んだ。魚がいろいろ、入って居る。
「おー素晴らしい。・・・」グザイも揃った。皆でグザイを入れて待って居た。ぐつぐつ、煮いて、きた。小皿を取って上げた。
「あ。・・・スプーン。・・・」社長はスプーンを頼んだ。外人は、箸は無理だ。た。喜んで食べてくれた。
「もっと。注文すれば。来るよ。」
「ジョンさんは。ノーノー。いっぱい。・・・」食事がすんで、少し休んで、店を出て工場に行った。皆図面と。実物。現物を見ている。カラーだから、分かりやすい。コーヒーを飲んで、講義が始まった。
実物を、見ながら説明してくれている、溶接も有る。様だ。
「溶接有るよ。大丈夫。・・・ですか。」
「OK」大丈夫。」四人、手を上げた。ジョンさんは、嬉しい様だ。皆さん。もう、分かった。とすれば。私達。帰りますが。・・・鈴木社長が皆に聞いた。
「はい。・・・大体わかりました。次は、機械を動かして、から。で、良いと。言って居ます。・・・」
「OK。じゃ私達は、今日、東京に泊って、明日は、東京見物して。十九日。朝、帰ります。・・・宜しいですか。」鈴木社長が。了承した。ジョンさんは、順子さんに、電話をしたい。と。言って。電話をかけた。
「もしもし。順子さん。ジョンです。・・・会社終わりました。東京へ帰ります。・・・ホテル有りますか。・・・」
「有りますよ。・・・ツイン・二部屋。シングル一部屋。お願いします。・・・お店に行きます。」大丈夫。安心だ。
「じゃ。銀座まで。お送りします。此れは、八人乗り。」鈴木社長が銀座まで送ってくれた。順子は、プレジデントホテルの専務に電話して、部屋を取った。でも店に降りたので。早く店を開けた。
「ご苦労さささまでした。・・・どうでした。・・ジョンさん。」
「おーOK。大丈夫。皆頭良いですね。直ぐ分って、くれた。・・・機械設置。アメリがで、相談して。順子さんに連絡します。帰って直ぐ準備しますから。荷物の着き次第ですね。」
「え。良かったですね。・・・ホテルチェックイン。九時です。此処で、八時まで、居ますか。今、六時過ぎた、ばかりだから。大丈夫よ。」
「ママ、良いですか。・・・」
「良いですよ。・・・何、飲みますか。ワイン。ヘネシー。」
「ワイン。飲みたいね。」5人でワインを飲んでいる。つまみも、出した。食べた。
「えー美味しい。・・・」アワビ。ホタテ。とり貝。アサリ。ホッキ。ハマグリ。燻製で、柔らかいので、凄く美味しいです。
「ママ。美味しいです。」ジョンさんも、食べている。以前食べていたから。分かって居た。他の人達は、全部食べちゃった。お代わりを下さいと。言って居る。順子は出して上げた。大喜びだ。燻製は、腹が膨らむので、いっぱい食べると、後で苦しくなる。でも美味しいと言うので、食べさせてあげた。ジョンさんは、お代わりしない。知って居るから。ニコニコ笑って居た。ワインも飲んだ。
「ママ。・・・」封筒を出した。お金が、五万円入っていた。ジユン子は、ビジネスだと、受け取った。アメリカ人は。サービスとビジネスは、別で、ある国だと聞いていた。そしてタクシーで。ホテルに行った。明日は、東京見物するらしい。
※一月一八日。
朝。十時。順子に電話機が入った。
「鈴木です。・・・俺達三人で、会いたいと思いますが。順子相談役の近所で宜しいですが。・・・お昼食べなから。」
「ぁ。・・・そうですか。・・・えーと。銀座の三越の通りで、新橋より8丁目に。ライオンと言う。レストランが有りますので。其処にしますか。」
「あの、広い通りね。・・・一二時に、着くように行きますので宜しくお願いします。」
順子は、シャワーを浴びて、化粧して、洋服を選んだ。少し落ち着いたほうが良いかな。久根のパンタロンのスラックスに、白いニットの薄めのハイネックに、紺の短めのジャケットを羽織った。靴はヒールを止めて。パンタロンだから足が長く見える。低めの白い靴を履いた。歩いて行った。時計を見た。十一時四十五分だ。店の前に立っていた。手を上げている人たち、三人が来た。
「あ。どうも、お休みの所。・・・」
「いいえ。大丈夫です。・・・」順子が先に、四人で中に入った。奥が空いていた。
「良かった。空いていて。・・・」丸いテーブルを囲んだ。
「えー。素晴らしいですね。天井高くて。」皆初めてみたいだ。順子が適当に注文した。
「メニュー。見ても、・・・私に任してね。」
「外国の方も多いね。・・・」
「此処は、終戦後。GHQの、食堂に成って居たらしいです。・・・ライオン。て。サッポロビール。ですね。」
「えー。・・・店も素晴らしい、けれど。相談役も。今日はシックで、素晴らしいですよ。・・・女優さんと、会って居るみたいですよ。・・・」
「鈴木社長。・・・有難うございます。」食べ物が運ばれてきた。先ずはビールで乾杯した。そして、ワインを飲んだ。
「早速ですが。昨日の報告です。ジョン社長に。非常に気に、入られました。アメリカに帰って、日時を検討します。順子相談役に連絡します。と言う。結論です。其れに、近くに、プラスチックの型を、製造している。私の会社が有ります。其処でも、肩を造りたいと言う事に成って。帰りました。・・・先方の返事待ちです。・・・工場の経費、全て、アメリカが負担するそうです。」
「それに稼働しても、皆が仕事覚えるまでアメリカのエンジニア。四、五人。滞在してくれるそうです。」
「えー・・・そうですかー・・・旨く行きそうですね。」
「はい。・・・素晴らしい、会社を紹介して頂いて。・・・旨く行くと思います。」
「そうね。アメリカからすれば逆輸入ですね。・・・日本の方が、経費は、三分の一位、らしいから。」
「来週ぐらいに、荷物を送って、飛行機なら、早いですね。」
「そうですか。荷物輸送が。ネック、ですね。・・・でも、組み立て覚えるのに、時間かかる。んですか。」
「はい。それがまだ。・・・遣ってこない事には。・・・」
「そうですね。・・・皆さんの顔が明るく見えて、いますよ。」
「えー俺は。始まった、気分です。・・・兎にも角にも。アメリカと仕事。出きる。んです。からね。・・・誇りですよ。・・・買う人が決まっているし。これから無くてはならない、商品ですから。」
「だから今後の課題は、よく言えば、数量生産に終われる。・・・おそらく、ジョン社長としては。一気に伸ばそうと、考えて、いるかも。」
「そうすれば、我が社も、一気に伸びつつある。と言う。・・・まだ、早いか。」
「社長。・・・夢は大きく。・・・でも、広い土地が有るから、大きくなれますよ。」
「この前、子供達と話した。んだが。今、高校で、電子科。と言う。部署の、競争倍率が上がって、中々入れない。て。言っていた。・・・やはりコンピューター。だって・」
「えー皆さん。情報集めているね。・・・そうなったら、私の出番で。わが社の株か、高騰しますね。」
「そうなるように、神田明神に、お参りしましょう。」四人は、先行き明るく成る事を願う。ばかりだ。」
「それにしても、相談役。今日は、スッキリして、爽やかですね。・・・足は長いし。どう見ても女優ですよ。」
「社長。何も出ませんよ。」ハハハハハ。楽しい報告で、順子も気合が入る。
社長が、精算して、別れた。順子は。三越の、洋服売り場に、入った。いろいろのブランドが並べてある。順子は、あまり詳しくない。思い切って、教えて貰う事にした。お金は、三十万円ある。
「すみません。お洋服を買いたい。んですが。・・・探すのを。手伝ってくれませんか。」
見た感じ、詳しそうな店員さんに、見えるので、話した。
「あ。・・・はい。私は、洋服コーディネーター。で。アドバイスを。承っております。」名刺をくれた。
「そうですか。・・・じゃ。お願いします。」
「有難うございます。じゃ。商品を見て、廻りましょうか。でもお時間は。」
「大丈夫です。・・・」
二人は、見て回った。一周、回った。順子は、余計に迷った。
「お客さんは、素晴らしいスタイルで、・・・全てお似合いですよ。・・・強いて言えば、色の選択ですね。自分好みの。色は有りますか。」
「地方から、出て来たばかりで、何も分からない。ですよ。・・・」
「あ。さようでございますか。・・・高級ブランド。と。中位のブランドが。ございますが。・・・価格の問題ですね。」
「そうか。やっぱり値段か。麗さんの事を思い出した。初めて買うとき。の事。値札を見るな。一番高いのを買いなさい。・・・順子は、考えて居る。まだその気に成れない。田舎もんだ。お姉さんが持ってきた。高いのと安いのと、ワンピースだ。順子は、いち早く。値札を見た。倍違う。震いた。迷った。差額を計算した。九千円と一万二千円だ。
(ちなみに、大卒で、月給二万円だ)一万二千円の。を。
「此れ下さい。・・・」お姉さんは、一瞬。順子の顔を見た。
「有難うございます。・・・どうぞ、試着室へ。」順子は、試着しないで決めた。
来て見た。出てきた。大きな鏡を二人で見た。
「やっぱり、お似合いですよ。・・・大きさは、私が見て、此れぐらい、かな。て。丁度会いますね。・・・最高級のブランドです。バーバリー、と。言います。女性ものは少ないです。が。イギリスでは。流行しています。・・・」
「あるそうですか。・・・下さい。」カウンターで、袋に入れて。財布を出して清算した。その時、順子は、財布の中身を、チラ。と。見せた。
お姉さんは丁寧にお辞儀をしていた。順子は。初めてのブランド品を買って。気分は、晴れ晴れただ。三時か。順子は買い物袋を下げ。銀座を歩いている。何となく、銀座の女に成った、気分だ。喫茶店に入り、コーヒー。こー茶を飲んで歩いた。でも未だ四時だ。フラフラ歩いた。すると、後ろから。声をかけられた。男性だ。
「ママ。・・・一人で。」後ろを振り向いた。西川社長だ。
「あら。・・・まさか。西川社長。・・・」
「おー。やっぱり。・・・一人。」
「はい。・・・」
「丁度良かった。・・今人と会うんだが、一緒に行こう。・・よかったら。」
「でも・・・お邪魔じゃない。・・・」
「良い。んだよ。俺の友達だから。・・・ナベプロの。」
「そうですか。・・・」順子はついて行った。」薄暗い。サロン。と言う。らしい。鍋社長は待って居た。
「おー・・お早う。・・・社長。又違う人。連れて歩いているね。」順子が先に。
「お早うございます。お久しぶりです。・・・」
「おいおい。・・・西川社長。・・・見せびらかして。・・・」
「まーまー。・・・今。ばったり。会った。んだよ。其処で。偶然。・・・」
「あ。そうか。・・・来た違う女を見つけたな。て。・・・」
「それ、言うなよ。・・・ママ。何飲む。頼んで良いよ。」
「じゃ。美味しい。ワイン。頂きます。」
「美味しいワイン。・・・ま。値段高いのは、美味しいだろう。此れ一番高い。・・・いっぱい五千円。・・・頼んだ。
「えー。いっぱい五千円。・・・」
「良い。んだよ。ママ、この人は、今、飛ぶ鳥、落とす勢いだから。・・・」
「なに。言って。居ますか。・・・貴方だって。」二人は、地方公演で、ウハウハだ。
「ところでママ。今日の、洋服の、コーディネートは、誰に頼んだの。・・・俺達は服装には、ちょっと、煩いよ。」
「え。・・・自分で。です。けれど。・・・」
「へー・・・良いね。・・・素質有るね。ママ。女・・・優に成れるよ。紹介しますか。監督を。」
「えー。成れません。よ。・・・好きじゃないから。出来ないし。」
「スタイルが良いですよ。・・・何か、遣って居たの。」
「はい。体操遣って居たの、子供の頃から、・・・山奥でしょう。お母さんと二人で、遊びながら、だって、吹雪で、外へ出られないから。・・・中学校に成って、体育の先生かが、教えてくれたの。高校も、体操を遣って居た、先生だったの、其れで、少し。上達したかな。て。」
「どおりで。足が長いし、顔も小さいし、ボインだし。」
「何。・・・ボイン。て。」
「あ。・・・此処ですよ。此処。」胸を指さしていた。
「社長達は、お暇でするねー・・・でも巡業には、行かない。ですか。」
「役割分担が有って、係が違うから、行けないの。」
「あ。そうですね。・・・会社だから。・・・」
「此れから。店・・・」社長達は、気になるようだ。
「そうです。七時から。・・・後三〇分か。・・・寂しいなー順子ちゃん。」
「まーまー。御二方は。・・・お暇ですねー。じゃ私は、此れで、失礼します。」
「あ。・・・後で行くよ。二人で。」
「本当。お待ちしています。・・・ご馳走様でした。」順子は店を出て歩いた。女の子達が居た。
「お早う。・・・」
「あ。ママ・・・えー素敵ですね。ママ。パンタロンで、・・・お似合いです。」
「有難う。・・・行きましょうか。」八階に行った。弘子達が居た。
「お早う。ママ。・・・素敵。ママ。パンタロン。」
「有難う。・・でも着替えないと。・・・」奥で着替えた。
順子は着替えて店に出た。ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか。」帝国証券。丸中証券の社長達だ。
「順子相談役。・・・今日六階に、入りました。其れで、明日。事務所お披露目します。・・・形だけで、・・・お知らせに来ました。
「あ。そうですか。其れは、それは。・・・知らなかった。」
「えー。三時頃終わったから。・・・事務員が、二名、常駐しますので面倒見てください。
「そうですか。何時まで、開いていますか。」
「一応。九時から、五時まで。です。」
「いよいよ発車しますね。」奥の三番テーブルに、セットした。飲みながら話している。
「だから。根津頭取。俺達二人。順子相談役。ジャパン、ケミカル、三人。の。七名です。・・・ただ、形だけのお披露目だから、午後二時。です。」
「その時話そうと、思って居たけれども。・・・アメリカとの経緯を。」
「どうなりました・・・気に成って居たから。」
「結果は、良い方向に進んで、います。・・・アメリカから来て、工場を見て頂いて。OKを頂いて。帰りました。・・・そして機械を導入する。日を決まったら私に連絡が来ます。・・・稼働させて、仕事を覚えるまで、エンジニアが、滞在して指導をする。と言う。事に決まりました。
「おー。凄いね。・・・順子ママの、音頭取りで。・・・」
「はい。でもね。社長、ご三方が、本気だから。・・・旨く行くと思います。
「良かった。六階に来た。甲斐が有りそうだね。」
「ま。・・・バックに頭取が居るから、・・・」
「でもさ。コンピューターが、小型化したら、何処まで行くか。利便性が。凄いことに成る。て。噂だよ。」
「鉄腕アトムの、時代だよ。・・・人工頭脳。考えた作者は、凄いですね。」
「そうだな。・・・未来が見える。思考力。」
「自分で想像したのか。・・・誰かに聞いたのか。・・・会ってみたい。」
「とにかく。我々も、良く成って貰わないと、・・・株が動ないから。」
「順子相談役も、忙しく、成りそうね。」
「うん。声は、かけて居ます、・・・何となく煽って。・・・こうなったら良いね。とか。・・・引き付けています。」
「えー・・・何名とか。」
「そうね。十名以上いますよ。・・・アメリカ人も買えるでしょう。」
「もちろんですよ。・・・」
「えーそれなら。まだ増えますよ。・・・アメリカ人のお金持ちは、何億円とか、何十億円。とか。・・・」
「そりゃ。そうですよ。桁が違いますよ。」二人は明日の為に、帰った。順子は、七階に降りて見た。弘子と話した。今日は、十二人。来たと、言って居た。八階に帰り、ソファーで、雑談していた。ドアが開いた。九時だ。
「いらっしゃいませ。・・・」三ツ星不動産の社長。
「あら。・・・三井社長。・・・」
「え。・・・覚えていたの。・・・三人だよ。」
「覚えていますよ・・・どうぞ、奥の三番テーブルにセットした。取り敢えずビールで乾杯。ボトルを出した。
「ママ。ボトル。ヘネシー。入れて、置いて。」
「有難うございます。・・・御贔屓に。」
「あー。今日は、疲れました。・・・上福岡と言う、地域に、五百戸分の土地を買ってきた。建て売り用地。駅から、二十分位かな。・・・来週から。区画整地が、始まりますよ。・・・ママね。オリンピック後は、人が動き出しました。土地付き住宅が、見事に当たって、不動産業界は。上昇中です。・・・だから、株上場を、申請するのにね勉強中ですよ。・・・」
「この。ビルの、六階に・・・株上場のプロ集団が、入りますので、紹介しますか。」
「え。本当ですか。・・・」
「本当です。・・・その会社が申請すると、認定が早いそうです。」
「えー。是非紹介してください。・・・」
「分かりました。・・・来週・・・頃。如何ですか。・・・此処でお会いしても、宜しいですよ。・・・家も助かりますので。」
「それは此処で、良いですよ。・・・連絡ください。・・・この人たちは。開発担当の。部長たちです。宜しく。」名刺を交換した。
「ママ。家が旨く行ったら。業界が、大勢来ます。・・・何と言うか。・・・難しいらしい。手続きが。・・・だから希望はあるけれど。現状は、動けない。」
「見たいです。お話を聞いたら。でも、六階は、早いです。」
「ママは。凄いな。・・・若いけれど。・・・世の中。見透かしている。みたいに。」
「まー。そんなこと無いですけれど。社長。・・・情報だけは、入ってきます。」
「ママ。其の情報が。無い。んですよ。・・・」社長達は嬉しそうだ。
とにかく、上場すれば、その金を回転させて、会社の開発に挑むことができる。メリットが、沢山ある。どの企業も、立ち上げた以上は、上場したい。
※一月十九日。
ジョン社長達は、アメリカに帰国した。そしてビルの六階に、午後二時。七人が集合した。
「お早う。・・・」根津頭取が来た。皆、起立して挨拶した。
「順子相談役。アメリカが早かったね、・・・」
「えー五人で来ました。」鈴木社長が。
「二日、会社を案内しまして、結果はOKを、頂きました。直ぐ、設備機器を、日本に輸送する準備が整え次第。日時を決めて、順子相談役に連絡する事に成りなした。」
「そうでしたか。・・・じゃ連絡は明日位かな。」
「はい。早ければ。」順子もテキパキ答えた。
「根津頭取。会わせて、コンピューターの、箱と言うか。枠を。プラスチックで、型抜きをしてくれる。会社を探して居たらしく。・・・それが、私の会社が手掛けているので、その旨を話したところ。会わせて、製造して頂きたいと言う。承諾を頂き。二つの工場を、合わせて稼働する事に成りました。・・・その、プラスチック型も、一緒に輸送してくるそうです。」
「おー。そうですか、それは良かった。・・・その会社は、鈴木社長が経営している。んですか。」
「それは株式に登録してあるの。・・・」
「はい。一応は形にしてあります。家族三名が役員です。」
「そうですか。・・・そしたら、その会社も、上場出来るかな。」
「堤社長。・・・」
「はい。・・・大丈夫です。ただ。今までの実績が高ければ、事は早いですが。」
「はい。稼働はしています。・・・桶とか。水槽とか。家庭用雑貨とか。製造しています。」
「そうですか。・・・じゃ。実績は、有りますね。・・・分かりました。」
「はい。スミダ、ケミカル。と言う。社名です。」
根津頭取が
「今までの話は。アメリカからの、連絡待ちですね。・・・はい。今後、この事務所の仕事の内容を話します。ただし、内密に、外には漏らさないように、
上場したい企業の後押しをする。依って。投資家を、集めなければならない。要するに資金です。投資家を集めるには。何を造っているのか。その商品は、売れるのか。・・・投資家が一番気になる。ところである。此処までは誰でも知って居る話である。
此処からが、どの会社も資金繰りに、苦労する。手続き。審査に。時間がかかる。其れを此処六階が、敏速に処理して上げる。・・・ご存知通り、上場するまでに。何千万円。と言う、資金を集めなければならない。
従って、将来性ある。この世に、なければならない商品を造っている。だから、此れだけの投資家。資金が、集まって居ます。と言う。実績を、審査会に提出しなければならない。ただ裏技。と言うか。遣り方が有る。大きな声では言えないが。見せかけの資金を用意する。法律には当たらない。ので。心配は要らない。前に戻ります。
本当に需要が有るのか。絶対か。・・・もし、需要が無かった、売れなかった。・・・投資者の、金は、消えてしまう。ゼロに成る。従って確かな情報が必要に成ってくる。実績は、その売れ行きにもよるが、二、三年かかる。・・・何回も言うが。物が売れたとしても。投資額が、何円集まったか、が。大事である。審査官は、一番は、資金力だ。
最終的な話をすると、大金を投資してくれる、金融業者を、見つけなければ、ならない。・・・だから、この事務所に、俺が、三億円預ける。・・・それを管理するのが、順子相談役を指名する。
約、二千万円。以上の投資金を集めなければ、成らない。個人個人を勧誘しても、二千万円は、無理でしょう。
もう一つある。個人個人を、勧誘する手立ては有る。ただ、個人個人に信用が無ければ、集まらない。誰でも分る。
もう一つある。上場申請する。二日前までに、誰でも。買う事が出来る。と言うか。買わせる。インサイダー取引。と言う。法律違反である。・・・ただし、決まったばかりの法律で。罰則は、始末書ぐらいで済む。(法律の穴)その代わり、よ程の、知人が良い。何故ならば、上場申請して、約三か月で、結果が報告される。その金額が。投資した。金額の、三倍に成る。又、上昇率のたかい企業ならば。五倍に成る。可能性もある。一千万円。借りて、買っても、三か月後には。三千万円に成る。此れが社外の人が買う。インサイダー取引だ。
そして。金の無い人には。此処で相談役が、即決して、融資する。ただ。金利は、一か月二割だ。一千万円を三か月借りると。金利が六百万円だ。しかし三千万円に成るから。千六百万円返しても。千四百万円の儲けに成る。ただし自分の金で買えば。三か月で。二千万円。儲かる事に成る。
この仕組みは。本当である。ただ、言ったように。インサイダー取引は、違反であることは、知っておく事。従って著名人の保証人。あるいは本人なら。相談役は、即決するでしょう。
順子相談役は。下を向いた。・・・皆でコーヒーを飲みながら。根津頭取の話を熱心に聞いていた。根津頭取も付かせているようだ。
「あー。こんなに、続けて喋ったのは、初めてだ。・・・今後、分からないことが、有ったら、順子相談役に聞いてくれ。・・・説明してくれるから。」皆、キョトンとしている。考えて居る。まだ誰も遣ったことが無いからだ。・・・でも法律違反。・・・気になって居る。もう少し分からない。
「皆さん。・・・分からない時は。JUNに行って、飲み代を払いながら、勉強してください。」根津は笑って居た。順子も、ニコ。と。笑った。時間は六時を回った。
「相談役。・・・お店開けられるかな。」
「え。・・・ある良いです。空けます。」
「じゃ。八階で。皆で。・・・」すると。根津は。
「俺は、此れから。七時に帝国ホテルで会う人が居るので。」根津は帰った。五人は八階に入った。奥の三番テーブルに。セットした。取り終えず乾杯。
「あー疲れたー・・・頭取は、凄いね。・・・やっぱり、渋沢栄一の、一派で勉強していた。甲斐あって。金融の裏、事情には。詳しい。・・・素晴らしい。」
「でも。私達には、分からないところ。有るね。・・・」
「だから、此処へ来たでしょう。勉強しよう。」堤社長が言った。
「ですよね。・・・」つまみを出した。
「ママ、お寿司。取れるかな。」
「はい。大丈夫よ。・・・取れますよ。」電話した。六人分。ママの分も。
「四〇分位ね。・・・」
「おはょう・・・」女の子達がゾロゾロ入って来た。出勤だ。
「あらーいらっしゃいませ。・・・早いですすね。」
「あ。今日は、打ち合わせが有って、早く来たの。・・・相変わらず、皆さんお綺麗ですね。」三人は6階の事は話さない。
「有難うございます。心に止めて、置きます。」ママは、三人とお話が有るので、女の子達は、座らなかった。お寿司が来た。
「おー腹減った。・・・三人はもくもく食べていた。ママも食べている。
「あれ。・・・ママ。多いね。」
「良いのよ。・・・一人前多いです。食べて下さい。」大分お腹空いたようだ。全部食べちゃった。
「あー生きている感じだ。・・・」此処の寿司は、美味しいね。何時も、感じるよ。喜んで食べた。
「ママ。三億円振り込んである。んですか。もう。」
「うー。・・・何時でも用意して有ります。と言う。事です。」
「そうでしょう。・・・ただから、ママを通さないと、金は出ない。と言う。事ですね。」
「そうです。・・・私より皆さんの方が根津頭取の事は、分かるでしょう。」
「ま。長いですけれど。・・・全て、把握しているわけでは、無いですよ。」
「でも、お金の目途は付いた。から、良かったですね。」
「その通りです。ママ。・・・お願いしますよ。」
「分かって居ます。・・・任せてください。」
「ところで、自分たち、個人投資は。」
「そうだな。一律=五万株。で。二百五十万円。で、どうですか。」
「六人で、三十万株。=千五百万円。」
「資本金と合わせて。千九百万円。で。・・・手打ちしましょうか。」
「はい異議なし。・・・」決定した。
「株は、その都度、増やせるでしょうから。例えば半年操業して、行けそうなら増やしていけば、どうでしょうか。」
「そうですね。分からない時には、根津頭取に、聞けば。・・・」
「難しいですね。初めてだから。」十時過ぎた。リリリリ。電話だ。ママが出た国際電話だ。
「もしもし。あ。ジョン社長。・・・はい。はい。はい。そうですか。伝えて置きます。」
「今。ジョン社長から。今日。航空便で、送ました、て。・・・高額だけれど。て。言って、いました。」
「税関検査が有るから、三日から五日後。かなって。千葉の工場に、届く。て。トラック一台分あるそうです。・・・資材も有る。て。・・・荷物が着いたら、連絡ください。て。三名が、常駐する。そうです。」
「そうですか。税関。・・・でも二月初めには操業出来るでしょう。」六人は安心して、帰った。順子も、疲れたようだ。皆にお店を閉めようと言って、十時半に占めて帰った。直ぐ寝た。そして、
※一月二十六日。十二時。鈴木社長から電話が入った。
「じゅんこ相談役。・・・荷物が届きました。アメリカに連絡して下さい。」
「はい。分かりました。」順子は、落ち着いていた。操業して、一か月位模様見ないと、先の事は、分からない、でも投資が決まった。以上は、やり遂げないと。考えて居た。お昼か。そうだお酢屋さんの支払いが有る。シャワーを浴びて、化粧して着替えて出かけた。
「お早う。・・・」
「いらっしゃい。・・・どうぞ。」何時ものカウンターに座った
「はい。此れ。お寿司代金。千八百円。・・・六人前。分。」
「はい。有難う。・・・」生ビールが出てきた。
「有難う。・・・マスター。このお店、自動でビールが、出てきますね。」
「あ。・・・何時もの。分かって居るから。もう握って居るよ。」頼まなくても何時もので、出て来る。
「とり貝の生。有る。・・・」
「有るよ。今朝取れの。大きくて、活きが良いよ。」お寿司が出てきた。手で食べている。とり貝も来た。
「わー。此れは大きい。」食べた。
「本当。・・・コリコリ甘い。」貝は、それぞれ独自の甘さが有る。
「私は、赤貝より、とり貝の方が好きだわ。」
「それは。・・・通。ですよ。・・・皆さん、とり貝は、活きの良いのを、食べて居ないから、分からない。・・・何故ならば。赤貝の倍します。・・・食べてくれる人が居ないから、・・・買わないですよ。・・・残ると、直ぐ痛む。んですよ。・・・湯がいちゃうと、味が落ちるし。面倒、なんですよ。」
「えー・・・そう。なんだ。難しいね。・・・食べ物は。」順子は、とり貝に・凝っていた。そして精算し、家に帰って、ジョンさんに電話した。
「もしもし順子です。・・・ジョンさん。・・・荷物が届きました。」
「OK。・・・それでは・・・二十九日。二時、東京駅、八重洲口、出たところ。で会いましょう。・・・順子さん。この前と同じね。・・・」
「分かりました。待って居ます。」電話を切った。そして直ぐ。鈴木社長に電話した。
「もしもし、順子です。アメリカから連絡が入って。二九日。八重洲口この前と同じ、場所で会いましょう。四人でしょう。」
「はい。分かりました。会社では工場に全員。二〇名、行きます。いろいろ仕事有るだろうから。・・・」
一月二九日。八重洲口に、一〇人乗りの。ワゴン車で行った。ジョンさん達4人を乗せて。千葉の工場に着いた。社員全員が迎えた。順子も降りた。皆と挨拶して、工場内に入り、荷物を広げた。五種類にわけて、梱包してあった。その脇にも、大きな荷物が有った。別梱包だからプラスチックの機会だと。鈴木社長は、分かった。ジョンさんが来た。
「社長。此れは。プラスチック製造の、機械です。」
「そうですか。・・・」やっぱりそうだった。事務員が、コーヒーを入れてくれた。梱包は全部ばらした。コーヒー飲みながら。見ていた。ジョンさんとエンジニア三人で、機械の配置を話している。五か所。
「皆さん。エンジニアが指導しますから、指示に従ってください。」社員は二十人居る。皆、動いた。
一番から。順番に。組み立てた。五番まで、大体組み終わって、中央に、一メートル×五メートルの大を造ってほしいと言われ。社員たちは。工場裏の鉄骨を運んで、台を造った。後は上に鉄板を行くだけだ。鉄板が無いので、社長は直ぐ手配した、明日朝に届くそうだ。五時を回ったので終了した。順子が、
「ジョンさんは、何日まで居ますか。・・・」
「はい。私は、機械が動いて、何個が完成するまで。居ます。期間は未定です。ホテルは毎日、予約します。・・・相談が有ります。この三人を。・・・会社の寮。有りますか。・・・」順子が社長に。
「鈴木社長。エンジニア三名が、泊れる会社の寮。有りますか。て。言って居ます。」
「あ。・・・そうか。・・・無い。・・・じゃ。俺家の、空いている部屋に、泊りますか。一〇畳あるから。三人。寝られますよ。・・・食事も、一緒に。・・・その方が早いね。」
順子は、そのことを、ジョンさんに話した。すると三人は。社長の傍へ寄って。
「お願いします。」と。お辞儀をした。
泊りは今日からでも良いと言う事に成り。錦糸町の社長の家に行く事に成り。皆は解散した。社員たちは工場に残り。一時間位。自分たちなりに。部品や機械を除いていた。
ジョン社長は、都内の何時ものホテルを、予約してある。ので。エンジニアを、社長宅に降ろして、順子とジョンさんは、社長に銀座まで送って頂いた。
三人は車から降りて。丁寧に挨拶を交わし、別れた。明日は、九時に。工場で会う。
順子は、店の開店に良い時間だ。
「どうしますか。ジョンさん。・・・お店に寄っていきますか。・・・でも何も食べて居ないから。・・・じゃお寿司取りますから。・・・寄って行きましょう。」二人は店に行った。弘子達が掃除をしていた。
「お早う。・・・あれ。あの人。・・・アメリカの。・・・」
「いらっしゃいませ。・・・」ジョンさんが。
「あー・・・お久しぶりです。」
「ジョン社長。・・・」弘子は、ハグした。二番テーブルにセットした。暇なので女の子十人座った。
「暫く、です。オリンピック依頼です。・・・」
「本当だね。・・・」ジョンさんも嬉しい様子だ。ママが来た。
「今度ね。日本の会社に、下請けに頼んで、物を造るの。・・・千葉の会社で。」
「へー。・・・凄い。」お寿司が来た。
「二人ともまだ何も食べて居ないの。・・・ごめんね。」女の子達は席を外した。二人はモクモク食べて居た。ママは、生ビールを、二ジョッキ、頼んだ。・・・持ってきた。ビールを飲みながら寿司を食べて居る。
「ジョンさん。日航ホテルですよね。」
「はい。そうです。・・・」歩いて、二、三分。
「ジョンさん明日は。・・・」
「はい。タクシーで行きます。・・・」
「その方が良いですね。・・・本当にお疲れさまです。」順子はヘネシーを注いであげた。水割にした。
「美味しい。・・・」ジョンさんは御機嫌だ。
「ママ。・・・旨く行きそうですね。・・・若い社員が、やる気、十分で、・・・分かりますね。皆、見る目が、真剣でした。」
「えー。そうでしたか。」
「順子さん。ジャパン、ケミカル株式会社の。株。は、どうなって居ますか。」
「どうなって、いますか。と言うと。・・・株価ですか。」
「そうです。・・・」
「えーと・・・一株。五十円です。」
「え。安い。・・・安すぎます。・・・じゃ。私も買います。・・・まだ、上場していないでしょう。安いから。」
「そうです。上場は、此れからです・・・」
「私も、五百万円分、買います。・・・予定して置いて下さい。」
「はい分かりました。・・・五百万ね。」
「順子さん。ジャパン、ケミカルは、必ず良くなります。我々が、頼んだのは、為替レートが安いからです。・・・アメリカの三分の一です。・・・わが社も儲かります。日本の会社も、仕事が増えて。給料も、アップします。・・・又部品を研究して、開発すれば、アメリカの企業が、増えます。何百人規模の会社に成るでしょう。・・・想像はついています。私が見る。限りでは。・・・大丈夫です。・・・ソニーのように成りましょう。」
「そうですか。・・・世界に広まるのは、確かでしょうから。・・・ユーザーが増えれば。自ずと、企業は発展しますね。」
「順子さん。家の会社も、ただいま上昇中です。・・・我々は、逆輸入に成りますのでお互い、良い事ばかりです。・・・頑張れば頑張るほど、上昇します。」
「有難う。其れ聞いたら、粉さん頑張りますよ。明日工場で話して上げれば、きっと頑張りますよ。
「うん。・・・話しますよ。」ジョンさんは、歩いて帰った。ママも、閉めて帰った。
※一月三十日
朝七時。ジョンさんは、タクシーで千葉に向かった。朝は空いているので、八時半に着いた。社員たちも来ていた。社長とエンジニアも居た。
「お早うございます。」ジャンさんは工場に入った。ジョンさんが挨拶した。
「皆さんご苦労様です。今日は、機械を動かして、それぞれの部品を組み立てます。何台も組み立てて置きます。そして明日。五種類の部品を、一つに纏める。と。一台のコンピューターが完成します。・・・今日は、出来るだけ部品を組み立てて置きましょう。私は、社長と、プラスチック工場を見て、機械の設置場所を決めて、エンジニアと組み立てます。・・・では皆さん始めましょう。」若い社員ばかりなので、熱が入って居る様だ。社長とジョンさんとエンジニア一人が、プラスチック工場に行った。
「おーナイス。・・・」社長とエンジニアは、今動いている、機械と離れて設置するように、見ている。社長に了承して頂いた。そして機械を皆に手伝って頂いて、台車に乗せて、場所に運んで降ろした。社員は、機械の工場に移動した。
「OK。・・・」比して三人は、梱包をばらして、組み立てた。エンジニアは、機械を点検した。・・・大丈夫と言って居る。小休止の時間だ。事務員がコーヒーを入れて、皆にあげた。其れ、ぞれに、機械の周りにいる。眺めている。細かな部分が多い様だ、工具もアメリカから、持ってきた。・・・使ったことがない物も、有った。ハンダ付け。溶接。細かい。皆は機会を動かしている。切ったり繋いだり、細かい。成れないと出来ないようだ。お昼に成った、お弁当屋さんが、運んできた。皆で弁当を開けてだ゛ていた。社長とジョンさんも、食べて居た。・・・一人の社員が社長とジョンさんが休んでいる所に来て。
「社長。此の部所の。はんだ付けですが。・・・ロウ付けの方が、早くてきれいだと思いますが。」社長とジョンさんに、見せて説明した。ジョンさんは、びっくりした。
「おー・・・素晴らしい。・・・ロウ付け。・・・」すると、社長が見て、
「ジョン社長。・・・これは、日本古来の技術で、ロウ付け。と。言います。〇点〇ミリの金属を繋いだりするときの、技術です。」
「おー・・・綺麗で速い。・・・この仕事が。多い。んです。・・・アメリカでは、皆さん苦労しています。・・・簡単で早い。しかも、後が綺麗だ。日本人素晴らしい。」
ジョンさんは、びっくりして居た。此の高度な技法が、一番の問題だった、と言う。ジョンさんは。喜んだ。そしてプラスチックの方も進んで居た。もう肩を流し込める状況に成った。
そして五個の部品。二〇個。づつ、組み上がった。・・・プラスチックの箱。ボックスと画面パネルを百個。持って、きたので、直ぐ組み立てられるが、今日は、此れで終わりにした。社員は、そんなに難しく無い様だ。と。言って居た。又、キーボードは、アメリカから百個。持ってきたので、全部揃う。明日は、いよいよ組み立てだ。社長とエンジニアと、ジョンさんは、社長の車で送られた。銀座で降りた。社長達は帰った。ジョンさんは、JUNに寄った。弘子達が掃除をしていた。
「お早う。・・・」
「あ。ジョン社長。」皆、寄って来た。すると順子ママが来た。
「あら。・・・」
「鈴木、社長に送って頂いたの。・・・」
「そうですか。・・・どうしましょう。・・・ご飯。未だでしょう。・・・それじゃ。近くのおでん屋さんに、行きましょう。直ぐ近くのおでん屋に入った。カウンター二席が空いていた。取り敢えずビールで乾杯。
「どうですか。社員たちの理解度は。・・・」
「もの凄いです。ママ。覚えが早い。・・・びっくりしました。アメリカ人とは、比較にならないです。・・・又、日本の凄い技法を、取り入れてくれた。・・・びっくりです。・・・アメリカ人にはできません。・・・あの技法は。・・・ロウ付け。と言う。」
「へー。知らない。・・・やはり、細かい技術。何ですか。」・・
「そうです。だから大分進んで、明日。本体組み立てです。」
「えー・・・そうですか。・・・へー日本人は、器用、なんだ。」二人でおでんをいっぱい食べた。ジョン社長も店に寄った。女の子達と、ガヤガヤ騒いで、賑やかだ。九時頃帰った。
二月一日。
ジョンさんは、工場に八時に着いた。皆出勤していた。
「お早う。・・・皆さん早いですね。・・・」アメリカとは違う。掃除も終わって、機械の廻りも綺麗に成って居た。ジョンさんが。
「お早うございます。今日は、二台だけ、組み立て完了させて、点検し、作動させます。百パーセントの、仕上がりでなければなりません。じゃ、始めてください。」
エンジニア三人も、皆で見守りながら。一時間で組み立てた。
「エンジニアが、二台の点検をして、作動させた。パチパチパチパチ。三人が大拍手をした。
「OKです。・・・皆さん素晴らしい。・・・日本人素晴らしい。」感動していた。ジョン社長も、使ってみた。百パーセントだ。プログラミングは。アメリカでするそうだ。皆でコーヒーを飲みながら休んだ。ジョン社長は、
「此処に居る。皆さん。二十名は、勉強すればまだまだ、良くなります。依りコンパクトに成るでしょう。此のアメリカの部品を、研究して、もっともっと、小さくしてください。そうすれば需要が、百倍に上がるでしょう。後、二時間。お昼まで、頑張りましょう。」二十人は、活きを合わせて、テキパキと進めている。三台完成した。お昼だ。ジョン社長。ば、隣のプラスチック工場に行った。此処は技術が同じなので、どんどん生産している様だ。
「皆さん。いっぱい造って、ください。このボックスは、アメリカ全土。同じです。日本で造ると、三分の一の値段です。この会社で生産した。物は、・・・私がアメリカ全土に、広げますので、私が買います。後で、鈴木社長と、契約を交わし、明日、帰ります。でも。エンジニア三人は。検査のために残ります。そして、検査できる人を、五人認定します。其れから帰ります。・・・そして、私は社長に電話を借りて。本社に。連絡しました。何故かと。部品。と資材を。一千個分。即急便で、送るように言いました。・・・二日で、届きます。・・・そしてプラスチックは。此処の材料で、出来ますので。進めてください。」
お昼休みでも、皆で部品を見ていた。そして夕方。五時前に、十台。完成した。この速さで行けば、一日。二十台。・・・×二十五日。・・・一か月=五百台。ジョンさんに報告した。ジョンさんは、もっと、上を目指していたようだ。そして、会社は門を閉めた。エンジニア三人は。社員と社長宅に、帰った。
ジョン社長と鈴木社長が事務所で会議を始めた。部品と資材は、送られてくるので、人件費だけに成る。電気料金は、全てジョン社長の会社が払う。給料だけだ。
給料は。一人。一か月=二万円。・・・現給は、一か月=一万三千円。七千円アップ。
社長達。幹部四人。・・・一人。一か月=三万円。
会社経費。一か月=五万円。
プラスチック製造。
材料込みに成るので。一台=二百円・・・一日百台×二十五日=五十万円。の。提示を出した。比して今回のエンジニア分は。奥さんに、食費込みで、五万円を提示した。
「鈴木社長。・・・この数字で、今月。二月から稼働したことにします。如何でしょうか。」
「うん。・・・会社としても。初めての事だから、正直言って分からないです。・・・
ジョン社長。帰りは。明日何時ですか。」
「夕方。四時に、羽田ロビーで、出国手続きです。・・・だから二時間前には。羽田に着きます。・・・」
「そうですか。・・・取締役に連絡とりますので少々。」小林。渡辺。二人に連絡した。
「明日。明日十時に、銀座のライオンで、会いる。でしょうか。」
「はい。私は大丈夫です。」ジョンさんと五人で。ライオンで会う事にした。
「ジョン社長。・・・ライオン。所在地。分かりますか。」
「はい。・・・何度もお邪魔していますので、分かります。」そんなことで社長が銀座まで、送った。ジョンさんは。おでんを食べて、JUNに入った。
「あら。いらっしゃいませ。・・どうぞ奥の三番テーブルにセットした。
「お疲れさま。でした。・・・如何でした。工場は。」
「おー・・・素晴らしい。・・・私は明日帰れます。・・・エンジニアたちは、残ります。何日か。・・・一週間。・・・位かな。其れで明日。十時にライオンで、五人で会う事に成りました。・・・と言う。のは。社長達の給料です。」
「給料。・・・うんー。・・・会社だから。・・・そうですか。分かりました。十時ね。」
「日本の若い人達。・・・凄いです。ママ。・・・覚えが早いです。・・・びっくりしました。」
「そうですか。・・・町工場。・・・部品作りの下請けだ。」
「ママ、ロウ付け。と言う。技法。・・・江戸時代からの、金属溶接です。」
「分からない。・・・私には。・・・」
「あ。・・・はい。そうですね。・・・でも。・・・必ず進展します。この会社は、・・・一か月後。来ます。・・・その時、株。買います。」
「え。・・・お願いします。」順子は、喜んでいる。九時だ。ジョンさんは帰った。
ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。・・・あら。社長。丸中証券。佐野五郎だ。
「今日は、ある企業の創立に招待されて。今帰りです。・・・」
「え。・・・じゃ。情報聞いて、居ないですね。・・・良かった。ジョン社長。ちょっと前。帰ったばかり。・・・明日ね。ライオンで、十時に、五人で会う事に決まりました。・・・買えれば。分かります。でも良かったね。今わかって。」
「何か。虫の知らせかな。・・・」
「そうですね。何の話か、私も分からないの。・・・でもね。凄い呑み込みが早い若者達だ。て。今褒めて帰ったわよ。・・・だからジョンさんは、明日帰る。んだって。その前に会おう。と言う。」
「そうか。じゃ。いよいよ発車ですね。・・・皆で良くなりたいな。・・・」
「佐野さん。・・・お金集めて置いた方が、良いですよ。・・・株を増やす。」
「え。・・・俺はどうやって。集める。」
「私が、・・・言うのは。・・・株を投資してくれる。お客さん。」
「あ。・・・その意味ね。・・・うー。・・・」
「明日の話楽しみね。」二人は、弾んでいた。佐野取り締まりは、帰った。七階に行って店を閉める様に言った。皆帰った。順子も帰って、直ぐ寝た。