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議事録と中年

作者: アオヤマ

「くぇrちゅいおぱsdfghjkl」


何をいっているのかは分からない。英語だろうと言うことはわかるが、これほどまでに聞き分けられないものなのだろうか?今までの教育って一体、、、。と英語教育をある程度は真面目に受けたつもりの6年間を考えてみる。よくよく考えれば、文字は読んだが聞き取りはほとんどなかったなとある意味納得した。


「こちらからは指示していないと考えて思っているだろうです。」


通訳の人が怪しい日本語でボブの言葉を日本語にしてくれた。その日本語をさらに自分の頭で翻訳する。意味はある程度わかるけど、相手の思いを間違えて認識したら結構不味いよな。まあ議事録で確認するからいいか。と、4月から関東地方に転勤した中年の男が議事録のメモをしていく。


現在オンライン会議で東京と埼玉と山梨を結んで画面上で会議を進めていく。

つい5分前に「は、はじめまして。配属技術者の青山です」と緊張しまくりで挨拶したばかりだ。オンライン会議は始めてで、さらに外人までいる。Zoom飲み会は経験済みだが、砕けた雰囲気ではないし、こちらの言葉が相手に聞こえているかも確認できないし、社内の仲間も画面越しで更に画像offで表情も見えない。

Zoom飲み会は想像以上に楽しかった。空気感がわかっているし、やはりある程度の知り合いであることが大きい。全くの初見が画面越しというのは苦痛だと感じた。この感覚が古いのかも知れないが、、、。


英語と日本語での会議が続いていく。こちらの日本語を英語に訳すのも先ほどの通訳である。きちんと英語に訳せているのか不安に思う。例えば日本語で私というのは僕、俺、自分、某それがし、拙者、我輩、儂、俺様 (ジャイアン)など多種多様な表現方法がある。(多少時代劇多めだが、、、) 英語ではどうなんだろう?自分は「I、my、me」しか知らない。そう思うと、いかに翻訳が凄いことがわかるし、怪しい日本語の通訳の人でも尊敬に値することが分かる。


「で、青山くん分かった?」


少し他のことを考えていたら突然話を振られてビックリした。


「すみません。少し意味が、、もう一回説明いただいてもいいですか?」


反射的に言ってしまった。ごめんなさい通訳の人。聞いていなかっただけなんです。と内心謝りながら、いかにも通訳の翻訳が分かりにくいせいにしてしまった。


「あー、私の日本語の怪しくてごめん」


って翻訳が怪しいという自覚はあったのか。


こうして1時間程度の会議が終了した。後日、実際にボブと現場で合うのだが、「はじめまして」と挨拶された。テレビ会議で挨拶したことが無かったことにされていて悲しかった。

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