幻覚
「くたばってくれ」と五回鳴くと、カラスは翼をへし折った。
泥水を啜って君は喘ぐ。
星屑を吸って僕は笑う。
「痛いも遺体もトんでいけ」
ネジが狂った僕は叫ぶ。
レインボーブリッジの高架下。
捨て猫を海に沈め、快楽を覚えて唾液を垂らした。
ダブルベッドに倒れこみ、深く浅く微睡んだ。
天井の吉兆を叩き潰し、苦しくなって、息を吸う。
熱い暑い。
喉が焼けて厭になりそう。
君は隣だ。隣にいる。
僕はどこだ? どこにいる?
葉っぱを咥えて、薬を飲み込んだ。
今の僕は最高にキマっている。
最高に最悪で手軽な幸せを味わう。
イイ気分のまま、誰かはその場でくたばった。
六回目は言わなくても良かった。