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北に南部の旗を立て。

作者は地図を作れないので、東北地方の勢力図は自分でググって妄想してね‼︎


……誠に申し訳ない。



 視点 安東舜季



 何が起こっているのだろう。


 まったく、思えばこの戦は分からないことだらけだった。


 南部家は何故、仲の悪い安東家と手を結び、その上行く先々で我らを手助けしているのか?


 斯波家は何故、開戦後1週間も経たず敗北したのか、そこまで弱い大名家ではなかったはずだが?


 戸沢家との戦で、長野衆は何故裏切ったのだ?あの信頼できる晴政殿に任せていたのだぞ?


 何故戸沢家の奇襲で、安東軍だけが一方的に被害を受けたのだ?


 南部軍は何故その奇襲にあそこまで迅速に対応できた?


 火矢の数本で炎があれ程の勢いで燃え上がるなど、あり得るのか?


 そして突然現れた目の前の軍勢は何者なのだ?旗一本すら掲げていない。




 

 人は死の寸前、思考能力が一時的に、大幅に上昇する。


 安東舜季、彼は基本的に馬鹿ではない。ゆえにその結論に容易に辿り着くことができたし、またその結論は正解であった。


 白側と黒側に分かれて戦うとする。この場合、最も致命的な敗北の要因となるものは何だろう。


 白(味方)に対して黒(敵)が大きい、まだ何とかなる。


 黒は普通だが白が著しく小さい、これもまだ何とかなる。


 最も致命的なのは、白だと思っていたものが黒になることである。


 今はその状況に良く似ている。




 

 平たく言うと南部軍は味方ではなかった。




 

 安東軍が視界に捉えたのは、檜山城を包囲する約2000の軍勢である。


 負けるわけがない、安東軍は数を減らしたとはいえ約2500人、そしてその後ろには南部軍5000人が控えているのだ。圧倒的な人数差の野戦である。


 しかし正体不明の軍勢は何一つ動揺を見せることなく、ゆうゆうと陣形を整える。


 そしてどこに隠し持っていたのか、軍勢のあちこちから旗を掲げた。






 [対い鶴に九曜]、[北方鎮護]の四文字


 総大将 石川高信

南部軍安東領侵攻部隊 2000人





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 安東軍は動揺を抑え切れないまま、5000と2000の南部軍に挟み撃ちにされ、呆気なく壊乱した。


 安東舜季は混乱の中あえなく討ち死に。


 軍が壊滅した安東家は、南部家に対抗する術が無く。檜山城が降伏。安東舜季の幼い息子ただ一人を残して一族は処断された。


 舜季の息子を殺さなかった理由は、晴政曰く最後まで自分を信頼してくれたお礼だとか……。


 南部家は安東家の領土を獲得。これにより領土を南部家に完全に包囲される形となった安東領と南部領の間の浅利家も、即座に服属を申し出た。


 その数日後には、南部家の強さを恐れた浪岡北畠家。繋がりの深かった安東家が一瞬の内に滅亡したことに驚愕した蝦夷地の蠣崎家、南部家に対抗しようにも南の伊達連合が分裂し、援軍を期待できないと悟った稗貫家、和賀家が次々と服属した。


 こうして日の本の最北にて、広大な領土を有する巨大勢力が誕生する。




 各地の大名達はその神速の征服劇を聞き、ある者は感嘆し、ある者は震え上がった。


 立役者である南部晴政は[風神]と渾名され、その名が日の本全土に鳴り渡ることとなる。


 また一庶民達が驚いたのは、その支配する領地のあまりの広大さである。


 庶民達は源頼朝、足利尊氏らかつて日の本全土を手に入れた者達を、既に知らない世代である。


 各地で小大名の小競り合いといった様相が続くこの時代において、どれほどのインパクトを与えたことだろう。


 人々はいつしかこう謳うようになったという。







 [三日月の 丸くなるまで 南部領]







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 

 南部家本拠地 三戸城 評定の間



 「皆、万が一にも情報が漏れてしまわぬよう、色々と黙っていて済まなかった。だから敢えて宣言させてもらう。この戦、我ら南部家の勝利‼︎これにて完全に終結だ‼︎全員無事で再びこの場に集まれたこと、本当に嬉しく思う‼︎」


 「「「おお〜‼︎‼︎」」」


 南部家の諸将は戦前に話していた通り、再び評定の間に集まり宴会を開いていた。


 あまりに圧倒的な勝利、一挙に広がった南部家の版図。誰もかれも酒が美味くて仕方がなかった。


 晴政は嬉しく思うと同時に少し心配していることがあった。


 この戦の最中、オレの精神はかなり南部晴政に寄っていたのではないか?


 今から思えば巧みな指揮も、相手を貶める謀略も、容赦なく命を刈り取る命令も、とてもじゃないが現代日本に生きていた自分がまともにこなせるものではない。


 確かにオレには南部晴政として生きてきた記憶があり、その能力も全て受け継いでいる。しかしそれだけである。冷酷無比な戦国時代の価値観に忌避感を覚えない訳ではない。


 それがどうだ、今回の戦をしている最中は、特に疑問に思わずそれらを行なっていた。


 晴政は何やら末恐ろしいものを感じたものの、考えて何か分かるわけでもないと結論を出す。


 今は共に戦ってくれた自慢の家臣達と、この宴席を楽しもうじゃないか‼︎


 晴政はとりあえずそう決断し、より賑やかな方へ向かう。




 

 評定の間の中央では、斯波詮高、戸沢政安、安東舜季の3つの首が、憤怒と怨嗟の入り混じった表情で、戦いの勝者達を睨み付けていた。






これがやりたかっただけです。

本当に続けようかな……。

書き溜めがもうない……。

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