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初戦。

ぶっちゃけ突っ込みどころだらけだと思うので、感想などで指摘していただけると助かります。



 天文12年(1542年)南部家は騎馬隊を中心とした5千の兵力で電撃的に斯波領(岩手県南部)へ侵攻。

 

 斯波家が戦の準備をする暇を与えず、支城である雫石御所を包囲。


 多数の牛馬を使った効率的な兵站に、容赦のない現地調達を加え、南部軍は比類なき速度を持って斯波領を蹂躙した。


 斯波家が南部軍の妨害を受けながらも、何とか徴兵を完了させ、開戦の準備を終えた頃には雫石御所が陥落していた。


 

 「戸沢家に援軍を要請しろ‼︎」


 焦りを募らせる斯波家当主、斯波詮高が怒鳴りつけるように指示を出す。

 

 「ご報告‼︎安東家が戸沢領に侵攻を開始した模様‼︎」


 「何だとっ‼︎」


 斯波詮高は歯噛みした。戸沢家は安東家への対応に釘付けにされるだろう、これでは援軍は期待できない。


 南部晴政……‼︎全てあの男の手の内か‼︎許しておけぬ‼︎


 「この城が包囲されたら終いじゃ‼︎城兵や国人達に不信が広がるやもしれん、かくなる上は打って出るぞ‼︎野戦にて南部軍を打ち負かす‼︎」


 斯波詮高は全軍4500を率いて出陣。北上盆地、北上川の川沿いにて南下を続ける南部軍と会敵した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「魚鱗の陣を敷け」


 南部晴政は合戦において名将と言える存在だったのだろう。


 勝つためにはどうしたら良いのか、明らかにオレの考えだとは思えない数多の策が、脳内に次々と浮かび上がってくる。


 「魚鱗ですか?数はこちらの方が上ですし、雫石御所を陥落させたことで兵の士気も高い。鶴翼の陣にて包囲してしまえば容易く勝利できるのでは?」


 傍にいた信愛が不思議そうな表情でそう聞いた。


「勝利はできるだろうな、だがそれまでだ。普通の勝利というのは、相応の被害が出るものだ。我々の戦略目標はここで終わりではない、順当な被害はこれからの作戦行動にズシリと響いてくる。……信愛、お前戦に参加するのは何回目だ?」


 「……? 3回目ですがそれが何か?」


 「いや、1つお前に普通の勝利を超える大勝利というものを見せてやろうと思ってな」


 「……‼︎承知しました。晴政様のご随意に」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「敵は魚鱗か、素直に兵力差を活かした鶴翼の陣を使えば良いものを……晴政は勝利の可能性を下げてまで、ワシの首を狙う気という事じゃな。なればその機先を無様に潰してやるまでよ‼︎」


 斯波詮高の号令ととも斯波軍4500が形を変えていく、右翼と左翼を捨て中央を分厚くした鶴翼、長蛇陣と呼ばれる重厚な防御態勢である。



   斯波軍4500

            南

 川         

 川          本隊

 川          2陣    

 川          1陣

 川

 川

 川

 川

東川                     西

 川

 川

 川

  川

  川         

  川         本隊

   川     左翼    右翼

   川

   川        荷駄隊

   川

            北


   南部軍5000



 斯波軍の重厚な受けの陣形を南部軍は貫き通す事が出来るか、状況だけ見れば単純な戦である。


 両軍が迅速に互いの距離を詰めていく、兵士に緊張が走る。


 その時、南部軍に異変が起こった。


 南部軍が敷いているのは魚鱗の陣、本来なら本隊を先頭として敵と激突するはずの陣形である。


 ところが何故か南部軍の右翼と左翼は本隊を超えるスピードで前進を続け、本隊を追い抜いてしまったのだ。


 「はははっ‼︎何だあれは‼︎南部軍はよほど訓練が足らぬと見える。のこのこと出てきた右翼と左翼から各個撃破じゃ‼︎」


 斯波軍の分厚い陣形に南部軍の飛び出た両翼がぶつかる、かと思われた。


 しかし南部軍の両翼の動きは予測をさらに超え、大きく横に進行方向をずらし、斯波軍の第1陣と第2陣を無視して斯波軍を通り過ぎた後、反転。斯波詮高のいる斯波軍本隊へ背後からその牙を向けた。


 「なるほど、ハナからワシの首以外、眼中に無いという事か‼︎だが甘いわ‼︎


 全軍‼︎突撃‼︎」


 そう、両翼の抜けた南部軍本隊は、開戦当初とは比べものにならないほど手薄になっている。


 南部晴政め。愚かにもワシの首を狙う事に固執し過ぎて、戦の動きを見誤ったな。


 斯波詮高は笑みを浮かべる。南部軍の両翼がこちらに向きを変えるまでにはまだ猶予がある。


 3陣に及ぶ分厚い陣を手薄な南部軍の本隊に差し向ければ、先に死ぬのは晴政の方よ‼︎


 詮高の読み通りに戦況は推移する。第1陣が南部軍本隊に接敵。そして南部軍本隊は呆気なく壊乱した。いや、()()()()()()()ほどに……。


 まともな戦闘すら行われず、斯波軍が近付く前にただ逃げるだけ、それにその逃げ回る南部軍本隊もいやに人数が少ない。


 そして程なくして斯波詮高はそれを目撃する。南部軍本隊のいた場所には、大量の旗と大量のかかしが残されているだけだった。


 人数を誤魔化す小細工‼︎謀られた⁉︎ならば南部軍はどこにいる、本隊はどこにいる?


 どちらにせよここで立ち止まっては、先程の反転してくる両翼に後背を突かれるだけだ。進むしか道は無い‼︎


 確かな戦果が欲しい。とりあえず前方の南部軍の荷駄隊を蹴散らし、敵の継戦能力を削っておくか。


 そこまで考えたところで戦場にまたもや異変が起こる。南部軍の荷駄隊が奇妙な動きを始めたのだ。


 荷駄隊は兵糧を積んでいるはずの荷台から弓矢や槍、刀剣を取り出す。荷台の影からはぬるりと新たな兵が現れる。荷台を引いているのは馬である、馬と荷物が切り離され何人かの兵が騎乗する。


 荷駄隊にしては、やけに数が多くないか?


 脳が理解するのを拒否しているのだろう。非常にスローなペースで斯波詮高は状況を把握する。


 

 

 南部軍本隊が斯波軍を半包囲していた。



 

 驚愕する斯波軍。それを見下ろすように、巨大な馬に跨った男が南部軍本隊の前に歩み出る。


 

 漆黒の大鎧、[対い鶴に九曜]、[北方鎮護]の旗印。


 後に戦場で彼と向かい合ったある武将はこう記している。




[音に聞く異様な風貌、鎧姿は墨染めより尚暗し。

 

 世に聞く鬼神の戦ぶり、英雄豪傑もただそれを恐れ。


 日の本北のさいはて、恐山は冥府に通ず、と世人

 は吹聴す、彼の御仁を見れば合点に候。


 陸奥(みちのく)羽州の大大名、晴政公はまこと化外の魔人なり。


 聞くより見るは恐ろし、見るより知るが恐ろし]



 

 南部軍総大将 源朝臣南部大膳大夫彦三郎晴政。

 


ぐうっ‼︎作者の中二病の発作が始まった‼︎


戦況図は上手いこと見れていますか?スマホで書いているので、他の媒体だと変な感じになっちゃってたりしないでしょうか?

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