目が覚めたら南部晴政でした。
歴史ものが好き過ぎる読み専が遂に自分で書いちゃいました。
非常に拙い作品ですが過度に期待せず、どうか温かい目で応援してやって下さい。
気分は最悪であった。
後頭部が猛烈に痛い。おまけに辺りが真っ暗で何も見えない。まあ真っ暗なのはオレが目を閉じているからなのだろうが、オレはもう少し寝かしといてくれ、という感情に脳髄から五臓六腑に至るまで支配されていた。故に目を開きたくはない。
しばらくすると何があったのか段々と思い出してきた。
そうだ、オレは風呂場ですっ転んだのだ。それはもう盛大に、後頭部へ全体重を乗せ、最大の威力を持って床にヘッドバットを喰らわせてやった。それはもう盛大に……。
どうやらそのときオレは気を失ってしまったようだ。
しかしここはどこだろう? 状況から言ってオレは風呂場で倒れているハズなのに、何故か背中に感じる感触はザラザラチクチクとしている。
オレが不思議に感じていると、傍らから突然大きな声が上がった。
「殿‼︎無事ですか‼︎」
……殿?傍にいるであろう男は何を言っているのか。体のだるさを何とか振り払い、うっすらと目を開ける。
そこにいたのは時代劇でしか見たことの無いような格好をしたダンディなおっさんだった。
……オイオイ、こういう流れ、ものすごい既視感があるぞ……。
この日、遥か未来の日の本より、一人の男が戦国の世に降り立った。
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目が覚めたら戦国時代だったって、信じられます?
しかもオレはある男の意識を乗っ取ってしまったようだ。いわゆる憑依転生ってヤツか?問題はその憑依先、悪いってわけじゃないけどイマイチパッとしない……。
オレは陸奥国北部の戦国大名、南部晴政になってしまったようだ。
誰?大抵の人はそう思うだろう。戦国時代を舞台にしたシミュレーションゲームをしたことがある人なら知っているかもしれない。ナンバリングにもよるが、やたらでかい領土で北から押し寄せて来るあいつである。
オレはそういったゲームをしたことがあるし、青森県出身なので地元の戦国武将を調べたこともある。そのためそれなりに知っている。
幸い晴政さんが今まで生きてきた記憶も、不思議なことにオレの頭のなかにしっかりと存在している。そのお陰で状況も簡単に理解できた。
まあそんなに弱いわけでは無いので、よっぽど大ポカをかまさなければ、腹を切らされたり家臣に殺されたりと無残な死を迎えることはないだろう。
しかし正直、故意ではなかったとはいえ晴政さんの意識を乗っ取ってしまった罪悪感はある。それに晴政さんの記憶を辿ると戦国時代なら当たり前だが、領土を拡大したい、領土を豊かにしたい、南部家を存続させたい、といった願望も見える。
戦国時代はそこまで詳しくはないが、オレには未来が分かるのだ。せめてもの罪滅ぼしとして、できる限り叶えてあげようじゃないか。
かくしてオレの戦国ライフが始まった。
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天文10年(1541年)南部家本拠地 三戸城
石川高信
先日、領内の視察の最中に落馬されてから殿の様子がおかしい。
大きな怪我が無かったのは幸いだったが、それ以来一人で何かをブツブツ呟いたり、聞いたこともない言葉を口走ったりする。
やはり頭を強く打ってしまったのが良くなかったのか⁉︎
南部家は未だに家中の纏まりに欠け、その上、南の斯波家、西の安東家、北の浪岡北畠家が虎視眈々と我らの領土を狙っている状況だ。
今、殿の身に何かあったらあっという間に南部家は崩壊するだろう。
先代当主である兄上のたった1人の息子だ。ワシがしっかり支えてやらねばな……。
南部家の宿将は甥であり主君である晴政のことを心配しつつ、改めて決意を固くした。
つかみはお馴染みの感じで適当に。
南部家を選んだ理由は、信長の野望で北から押し寄せて来る騎馬隊がカッコ良過ぎたから。
作者は現在8話まで書き溜めたところで燃え尽きています。50話とか100話とか書いてる人、本当に尊敬する。




