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A ton anniversaire

作者: 白州藍樹

 手のひらサイズの小さなバースデイブックをぱらぱらと捲って、五月の欄に目を留める。二五日のところに赤の洋墨で綴られた君の名前を見つけて、ああ、もうそんな時期、と思う。薔薇の花の咲き乱れる、今日この頃。今年は安息の日曜日だから、きっとたくさんのひとにお祝いされているはず。私も、知った風に云うくせに祝うのは今年が初めてだから、来年も大事に忘れずにお祝いしたいなぁと思うのだけれど。

もうほとんど仲良しになった気でいて、実はまだ一度も会ったことがないなんて嘘みたいだ。ただ毎日、四角い画面の中に紡がれた文字を見つめては、大切に感じるばかりで、海原みたいにだだっ広い液晶世界の中でも出会えたことが嬉しくて。お話しできるのが楽しくて。会話でなくても、素直で屈託のない君の言葉を見つけては思わず微笑ってしまったりなんかして、そのたびに自分も明るくいようと思えるのです。

 いつも元気にさせてくれてありがとう。


 大きなホールケーキも、色とりどりの蝋燭も、豪華な花束も用意してあげられないけれど。たった一文でも、君をお祝いする言葉を贈らせてね。

 お誕生日おめでとう。


 貴方の生まれたこの特別な日に。

                 平成二六年皐月二五日 白州藍樹


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