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クロスオーバー  作者: 連鎖
あーちゃん(夏の海)
26/99

ほろ酔い

 ほろ酔い気分の浅見ひかりと、少し顔を赤らめた亮平は、

 なぜか車で何かの準備をしていた。


「ごめんねぇ、フフ。リョウヘイ、そっちも倒して。」


「ヒカリ、本当に大丈夫?」「アハハ、お姉ちゃんだよぉお。」

「がゴン。。これでいいの?」「うんうん、そんな感じぃ。」


 彼女のピンク色の軽自動車は、遠くからでもよく目立つし、

 大人と子どもが駐車場で一生懸命何かをしている姿は、

 ほかの人たちの興味を引いていた。


 亮平はそれだけでも嫌だったが、ひかりが大声で話すことのほうが、

 一段と気になっていた。


「リョウヘイって、かわいぃねぇ。ナデナデ。」

「やめてよ、お姉ちゃん! それに声も大きいって!」


 やめてほしいと亮平が頼んでいるのに、

 ひかりは小さな子供を、あやすように頭を撫でてくるので、

 彼は必死に手をはねのけて困った顔をしていた。


「ぐいぐい、チュッ」「本当に、もうやめてよ!」


「チュッ。チュッ。チュッ。」


 嫌がって困った彼をみても、しまいには、彼女は亮平を強く抱きしめて、

 顔中にキスの嵐を浴びせていた。


 。


 今のように、ひかりのテンションが上がった理由は、

 亮平が無邪気に謝る姿で、周りからも気づかれていた。


「本当にごめんね、お姉ちゃん。」亮平が申し訳なさそうに謝ると、


「いいのよ、アハハハハ。誰だって間違えるから! アハハハハ。」


 彼が選んだコーラが、実はカクテルだったらしく、

 そのお酒を飲んでしまったひかりは、

 店を出る頃には、すっかりご機嫌になっていた。


「そうだ!そろそろ、帰ろうって言ってたよね?」「あっ。。。」


 亮平に言われて何かに気づいたひかりは、何処かに電話をかけていた。


「仕事中にごめんねぇ。リョウちゃんと泊まっちゃいますぅう。」

「大丈夫? いいの?アハハハハ。お姉ちゃん、ごめんねぇ。」

「うん、まったねぇえ。また明日ぁあ。」


 その会話を聞いていた亮平は、だんだん不安な表情になっていった。


「さっちゃん?」「リョウヘイ、お母さんでしょ?それはダメよ!」

「うん、じゃあ、お母さんと?」「かわっいぃぃ、ぐいぐい、チュッ。」


「えっ!」


 亮平は、いつも見ていた母親と似たひかりの姿を見て、

 嫌そうな顔をしていたが、

 その彼女に叱られてしまったので、素直に謝っていた。


 彼女にとって、その俯いて謝る姿が可愛かったらしく、

 ひかりは突然、亮平にキスをしてきた。


「ファーストキス? ウフフ。」「兄弟だから違うよ!お姉ちゃん。」

「ウフフ。ブチュぅううう。」「だからぁ!フキフキ。ヤメてよぉお。」


 顔を真っ赤にして否定する亮平に、

 ひかりは嬉しそうに笑いかけると、さらに激しくキスをしていた。


 その光景が海の家の前、まだ多くの客がいる中で行われているので、


「お姉ちゃん、もう行くよ。」

「はああぁい、リョウちゃん。もう行くのぉお。ウフフ。」


 亮平は恥ずかしくなって、ひかりの手を取って急いで車へ戻っていた。


 そうやって車に戻ったのだが、酔ったままで運転するわけにはいかず、

 二人は軽自動車の中で少し休むことにしていた。


 。


 日帰りの荷物を端に寄せて、フルフラットにした車内で、


「こっちにおいでよ、ホラぁ。」「いいよ、こっちで寝るから!」


 狭い車内で、ひかりは佐々木が用意をしていた毛布にくるまりながら、

 一緒に寝ようと亮平を呼んでいた。


 しかし、亮平は一緒に寝るのが恥ずかしかったらしく、

 広くはない車内だが、二人は距離を取りながらそれぞれ横になっていた。


 亮平はドキドキしながらも背を向けて横になっていると、

 やがて眠気が襲ってきて、本当に寝始めていた。


 そんな姿を見ながらひかりは、

 亮平を弟のように可愛く感じているらしく、

 彼を守るように抱きしめながら、寄り添うように眠りについていた。



 ほろ酔い

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