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クロスオーバー  作者: 連鎖
あーちゃん(夏の海)
19/99

相談

 知り合いの子どもとはいえ、どう扱っていいのか分からず、

 なんとなくけんちゃんの店を訪れていた。


 もちろん、いつもと同じく彼が選んでくれた服や下着に着替え、

 けんちゃんの趣味であるカメラの前で、

 プレゼントのお礼として、軽い撮影に今回も応じていた。


「ひかちゃん、その下着どう?」

「うん、いい感じかなぁ。締め付けが無いよね。」

「そりゃそうだろぉお!サイズを測ったプロが選んだんだぞ!」


「色々とあるんだね。私も知らなかった。」

「もっと動きやすいのも探しておくよ。」


「でもさぁ、高校生じゃないんだから、

 こんなに短いのを履いて、外での撮影なんて無理だって!」

「そうなの?最近は地上波でも見かけるけど?」


 店の奥に仕舞ってあった商品らしく、個別包装もなく、

 タグも外されたミニワンピースを着て、今回は部屋で撮影をしていた。


 最初は、膝下でも短いとひかりは嫌がっていたが、

 こうやって撮影される度に、色々と慣れたらしく、

 今では下着が見えそうな長さのスカートでも、

 少し嫌そうな顔をするだけで、撮影をさせていた。


「それよりさぁ、聞いてよ。」


「どうしたんだい?今日は何か悩んでる顔をしているな。

 おっ、いいねぇ。そのポーズ、セクシーでいいよ、ひかちゃん。」


 相変わらずのラフな口調で話しかけてくれた。


「実は週末、海に行くことになったの。

 前に話した藤間さんの息子、亮平くんのことなんだけど。。

 なんだか気が進まなくて。というか、自信がなくって。。」


 けんちゃんは眉をひそめながらカメラを置き、興味深そうに聞いてきた。


「ふぅん、子どものおもりって、そんなに大変なのか?」


「いや、そういうことじゃなくて、単純に日焼けとか、

 着ていく服とかが気になるの。


 もう若くないし、肌とかちゃんと気をつけないとシミとか。。。

 はぁあ。それに、子どもと一緒に歩いても変じゃない服装とか、

 真夏でも浮かないって、そんな感じのがいいのかなぁって。


 それを漠然と考えているだけで、夜も寝れなくなるんですぅう!」


 自分で言いながら少し恥ずかしくなったけど、その気持ちは本物だった。


 都会の生活に慣れないまま、身だしなみにも自信が持てず、

 余計に日焼けや周りの流行が気になっていた。


「なんだ、そんなことか。アハハハ、ひかちゃん、そうかぁ。」


 けんちゃんはあっけらかんと笑い飛ばした。


「日焼けは残るんですよ、けんちゃん!」


「アハハハ、別に水着を着なくてもいいだろ?

 長袖シャツとかパーカーを羽織って、サングラスに帽子で十分だって!」


 その無邪気な笑いにつられて、私もため息混じりに笑ってしまった。


「はアアぁぁ、けんちゃん?まあ、それもそうなんだけどね。アハハ。

 でも、せっかくだからちゃんと楽しみたいのぉ。

 何か良いアイテムとか、服とか奥に無い?海に入らなくてもいいから。」


「おう、それなら俺に任せろ!特別に揃えてやるから、待っていろ!」


 けんちゃんは自信満々に言うと、店内と倉庫を物色し始めたが、

 残念そうな顔で奥から戻って来た。


「ひかちゃん、今すぐには無いや。後で揃えて準備しておくから。」

「ありがとう!けんちゃああん。それじゃあ、後はお願いねぇええ。」


「お礼なんだけどぉ?」


 最近は、けんちゃんの店にもよく寄っているので、

 相手が言ってくる事など簡単だと、ひかりは笑って答えていた。


「ハイハイ、わかりましたぁあ。

 撮影会でしょぉお。さっき言ってたのもしてあげるから、ヨロシクね。」


「そうだ。今度、おいしいお酒も手に入りそうだし、一緒に飲むか?」


「じゃあ、その時に一緒にお願いねぇえ。

 もちろん、海に行ったお土産も持ってくるから、その時にネェ。」

「おう。楽しみにしてるよ。」


「美味しいお酒ね。あははは。じゃあ、また今度ねぇえ、けんちゃん。」


「ひかちゃんもねぇえ。もちろん、もう一緒に住んじゃおうか?」

「アハハハハ。考えておきますぅう。」


 けんちゃんとのやり取りはいつも心地よかった。

 年齢の離れた彼の気さくな態度には、祖父に似た温かさを感じていたし、


 私の相談にも軽口を交えながら真剣に乗ってくれる彼の姿勢が、

 都会に一人で出てきて寂しい私には救いだった。


 週末が近づき、けんちゃんが送ってくれたアイテムを家で眺めながら、

 私はどうやって、亮平くんとの旅行を楽しもうかと考え込んでいた。



 相談

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