表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青空の向日葵  作者: チュラ
30/30

青空の向日葵

 太陽はひまわり畑に向かっていた。道中いろいろなことを考えた。ひまわり畑に行けば葵に会えるはずだ。そう確信していた。話せなくても葵は聞いてくれているだろう。そう信じていた。


 ひまわり畑についた。いつもの駐車場に車を止めひまわり畑に進む。

 一人で来るひまわり畑はしんみりしていた。いつもは葵がいた。しかしもういない。葵ときた記憶が蘇る。時には笑って時には泣いて。そんな想いのもとひまわり畑を見る。


 ひまわり畑は前見たときと変わらず輝いていた。青空の下で満開に咲いている。

 太陽は息を吸う。涙がこみ上げて来る。そして涙が流れて来る。けど伝えなきゃ。ここに葵がいる。そう確信した。


「あおちゃん。あおちゃんと出会って僕は幸せだった。初めてあった時から運命を感じていたよ。いろんな困難を乗り越えて二人で幸せになると決めたのに。どうしてこんなことになっちゃったんだろう。ずっと一緒に痛かったのに。でもそれはもう叶わない。」

 そう言い切った途端にひまわり畑のひまわりが一斉に揺れた。まるで葵が答えているようだった。確かに葵に届いた。声は聞こえないけど確かにそこに葵がいるきがした。


「そしてねあおちゃん。あおちゃんが死んで僕は本当に立ち直れないかと思った。一番大事な人を亡くしてどうすればいいのかわからなかった。死のうとも思った。けどツッキーが止めてくれた。あのときあおちゃんを止めたように。正直をいうとまだしんどい。泣きたい。逃げ出したい。この気持ちは消えていない。けどあおちゃん最後まで生きようとしたんだね。一緒に幸せを作って行きたかった。なのになんで。これも試練なのかな。試練ならしんどすぎるよ。」

 向日葵は変わらずゆさゆさ揺れている。


「あの時のひまわりと送ったのは最後に助けてって意味だったんだね。せめて僕が迎えに行ってあげればよかった。ごめんね。」

 そう行った途端向日葵がびたっと止まる。そして一本のひまわりだけが左右に揺れた。


「けどそう言ってももう遅いのは知ってる。だから前を向くよ。僕がいつまでも落ち込んでたらあおちゃんも悲しく思うから。」

 また向日葵が一斉にゆさゆさと揺れる。


 「あおちゃんの笑顔が好きだった。あおちゃんの声が好きだった。いやいまも好き。大好き。本当に大好き。あおちゃんの全てが好きだよ。過去も。現在も。そしてこれからも。」


向日葵はこれまで以上に大きく揺れていた。一面に咲く向日葵が揺れてゆさゆさと音を大きく出していた。

向日葵が揺れるたびに葵が聞いてくれている気がした。見えないが絶対に葵がここにいる。葵に言いたいことが言えてよかった。


「陽くんとあったおかげで全てが変わって行った。世界が。景色が。けど項羽ことになって陽くんのこと忘れようかと思ったの。向日葵も嫌いになりそうになったの。そのほうが陽くんが苦しまないと思って。」

「けどそれは無理だった。本当は忘れようとなんてしていない。忘れたくても忘れられない。この言葉は陽くんには聞こえてないのはわかっている。向日葵はいまも大好き。けどそれはもう陽くんにはつたわらない。そんなの辛いよ。」


「向日葵のおかげで幸せになれた。本当に幸せだった。いまも幸せだよ。世界は違うけどこれからも二人で幸せを作って行こうね。陽くん。」


 雲ひとつない青空の下。向日葵が満開に咲いている。そこには二人の男女がいた。二人は互いに違う方向を向いている。どうしてだろう。同じ方を向けばわかるのに。二人の笑顔が。顔を合わせても二人の顔は見えない。けど笑っているのは確かだった。悲しげに咲く向日葵もあったがそれらもすべて上を見て”太陽”の日差しをたっぷりと浴びていた。


「「ありがとう。」」


 二人の言葉がこだました。


 大好きなひまわり畑の下で。




 青空の向日葵 完

 




 ※読み終わった後にプロローグをもう一度読んで見てください。感じ方が変わると思います。


 最後まで読んでいただき有難うございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ