退院
太陽はしばらく葵に付き添うため休みをもらっていた。葵は一週間くらい入院が必要とツッキーが判断した。そのため太陽も一週間病院にいることになった。会社にはツッキーが上司に説明をしてくれたので手続きもスムーズに進んでいた。太陽は安心して葵に付き添うことができた。
葵はあの件があったあとは比較的体調が安定した。立ち向かうのは確かに怖いと思ったが太陽をはじめ多くの人がフォローしてくれているので安心感が勝っていた。今は太陽とゆっくり休もうと思っている。しっかり治して両親に立ち向かおう。未来のために。そう意気込んでいた。
入院生活中太陽と葵はいろんな会話をして楽しんでいた。この問題がかたずいた後の話や理想の人の話などジャンルは様々だった。
それに葵はかなり甘えてきた。心が淋しかった分甘えたくなったんだと太陽は思っていた。
「ねえ陽くん。病院の中庭に行こうよ。」と葵が言い出す。
病院の中庭はちょっとした庭園みたいになっており入院患者の憩いの場となっている。そこに葵は太陽と行きたくなっていた。
「いいよ。行こうよ。」と太陽がいうと二人は中庭に向かった。
中庭には様々な気が生えており中央には池があり様々な色の鯉が泳いでいた。
葵が池に近づくと鯉が勢いよく寄ってきて口をパクパクさせている。餌をおねだりしているようだった。
「鯉さんごはんちゃんとご飯食べているのかな。」と葵が鯉を見ていう。
「体格いいからちゃんとご飯食べていると思うよ。」と太陽も鯉を見ていう。
「鯉っていつも元気だよね。そして生命力も強いよね。わたしも強くなりたいな。」葵は鯉を見て自分も強くなりたいと思った。いつも周りに助けてもらってばかりなのでいつか自分が人を助けるようになりたいと思っていた。
「あおちゃんは十分強いよ。病気とも戦っているし自分の問題ともちゃんと向き合っている。」
太陽は葵の頭をさすりながらいう。
葵は本当に強いと思っている。こんなにもいろんな問題がある中一生懸命向き合おうとしている。自分だったら絶対にできないことだと太陽は思った。そんな葵は絶対に幸せになってほしいと改めて思った。
「でも私はそこから逃げようとして自殺しようとした。強くないじゃん。」と葵は言い返してきた。
「確かに一度は逃げようとしたけど今はこうやって立ち向かおうとしている。過去は過去。今は今だよ。そしてあおちゃんはちゃんと助けを求めてきた。だからみんなが手を差し伸べてくれたんだよ。そしてその手を借りてたとい向かおうとしている。だから強いよ。」
太陽は笑顔で葵にいう。その笑顔が葵にとって心の支えになった。
「ありがとう。私。頑張る。そして陽くんと一緒に素敵な未来を作る。」
「僕もあおちゃんと一緒に幸せな未来を作る。」
二人は笑顔で見つめあった。中庭には誰もいない。二人だけの空間だった。自然に二人の顔の距離が近くなる。そして静かに唇を合わせる。病院で何をしているのかという気持ちは二人にはあったがそれよりもこうしたい欲求が勝っていた。
ツッキーは病院の廊下を歩いていると中庭に目がいった。そこに二人の人影が見えた。池のほとりでキスをしている二人が見えた。中庭が暖かいオーラで包まれていくのを感じた。
「幸せそうだな。けど二人が元気そうでよかった。」とつぶやきツッキーは廊下を進んでいった。
二人はその後売店に行き必要なものや太陽のご飯を買って病室に戻った。少ししたらツッキーがきた。
「二人とも体調はどう?」
「だいぶよくなりました。薬が効いているようです。ありがとうございます。」
「僕も全然元気だよ。」
二人はツッキーの質問に返事をする。
「それなら良かった。二人とも熱々だしね」とツッキーが笑っていう。その言葉に二人は頭がはてなになったけどまあいいかと思いきにすることはなかった。
その後少しだけ3人はツッキーと雑談をしツッキーは病室を出た。
その後二人はテレビを二人で見ていた。面白いバライティーを見ていて二人で笑っていた。そして夜になり二人は眠りについた。
こうした日々が続きあっという間になって隊員の日がきた。退院する日上司と社長もきてくれた。この後上司と社長と4人で退院祝いに食事に行く予定だ。
退院の手続きを済ませ4人は病院を出た。そして近くの定食屋に入った。
「好きなもの頼んでいいからね。お祝いの席だし。」と社長はいう。
3人はお礼を言って自分の好きなものを頼んだ。
「久しぶりに病院食以外のもの食べるので楽しみです。社長、部長ありがとうございます。」
「全然大丈夫。これも社長の計らいだから感謝は全部社長にしてくれ。」
上司はお茶を飲みながらそう言った。上司も社長も太陽と葵が元気そうで安心している。
少し待つとそれぞれ頼んだ料理が来て4人は食べ始めた。
「久しぶりの定食美味しいです。」と葵が笑顔でいう。美味しそうに定食を食べていた。
「それは良かった。葵さん。本当に元気になって良かった。」と社長も笑顔でいう。
「本当に良かったよ。葵さん無理せずゆっくりでいいから一緒に病気を直していこう。」と上司も社長に続けていう。
「本当にありがとうございます。あしたからでも仕事に復帰できそうです。」
「それはさすが日早すぎるから前みたいにテレワーク中心で一週間に一度出勤で様子見ようと思っている。」と上司がこれからの勤務体系を提案する。
「ありがとうございます。それで行きます。」と葵が答えると上司と社長も頷く。
「後今後の両親の対応も病院の先生たちも含めて話しておきたいからその時間も設けさせてもらう。すでに先生二人には話をしてあるから安心してくれ。先生たちも是非共ということだったのでその時はよろしく頼む。」
社長は今後の話について話した。どうやら二人が考えている以上に今後の対応について話が進んでいるらしい。素直に感謝の気持ちでいっぱいになる。
「ありがとうございます。是非お願いします。」と葵が言って二人は昼食を食べすすめた。
その後会話をしながら昼食を食べすすめた。食べ終わり店を出ると上司と社長は会社へ向かった。
太陽と葵も自宅に向かっていた。いつもなら20分くらいで着く道なのに今日はやけに混んでいた。
「こんなに混んでいるの珍しいね。何かあったのかな。」と葵が太陽に聞く。
「うーん。なんだろう。工事か何かかな。」と太陽が答える。太陽も渋滞の原因がわからなかった。
車は少しずつ進んでいるがまだ渋滞は続いている。そんなことをしていると後ろから救急車とパトカーが来た。
太陽は車を道路どはじに寄せて進路を譲った。前の車も同じようにして車を寄せてモーゼの滝のように道が開ける。その道を救急車とパトカーが走って行く。
「多分これ事事故だね。」と太陽がいう。
「事故怖いね。私たちも気をつけないと。」
葵は事故には気をつけようと心に使った。事故に会うなんて真っ平御免だと思った。幸せな時間を過ごすならこういうことにも気をつけようと肝に命じた。
渋滞に巻き込まれること数十分で渋滞の先頭にきた。パトカーと救急車が止まっており警察官が交通整理をしている。車の外から車と地面い横たわっている人が見えた。
「多分車と人の衝突だよね。」と太陽は運転席から事故の様子を見ていた。
「本当だ。怖いね。車の運転気をつけてね。」と葵が太陽にいう。太陽は頷き事故現場を過ぎて言った。
1時間くらいかけて家についた。二人は渋滞で疲れたので今日は休むことにした。




