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青空の向日葵  作者: チュラ
18/30

統合失調症の治療そして新たな喜び

 葵と太陽はその後もテレワークをする日々が続いていった。一週間に一度太陽の会社に行き上司と面談をする以外にはほぼ家にいた。

 上司は葵さんの仕事ぶりを葵の会社にも随時報告していた。葵の会社は驚いていたが取引がうまくいってることで葵がこれからも太陽と仕事ができるようになっていく。


 葵の体調は日によって差があるものの薬や太陽の看病のおかげで以前より体調が良くなって言った。このテレワークがかなり効いていると太陽は感じていた。


 この日二人は骨折の経過観察のためツッキーと渡辺先生がいる病院に行っていた。

 受付を済ませ渡辺先生の診察を受けた。

 渡辺先生は太陽と葵のことをツッキーからたまに効いていて今の状況になっていることに安心していた。

「骨も順調に治って行っています。このままでしたら予定より早めにギブス外せそうですよ。」と渡辺先生が答えた。

「よかった。」と葵から温度の声が漏れる。

「葵さん前より元気になりましたね。本当によかったです。これからも無理しないでゆっくりでいいので治療頑張っていきましょうね。」

 渡辺先生の優しい言葉に二人は癒された。

「ありがとうございます。これからもお世話になります。」と行って診察を終えた。


 病院を出ると外は涼しい風が吹いていた。10月の半ばにもなると外もだいぶ涼しくなっていた。風が心地よく感じる季節だった。

 二人はその風を堪能しながら車に乗り込み帰路についた。


 その後も二人は一緒にいる日々を過ごして行った。仕事も順調に進み葵も徐々に元気になって行った。


 一ヶ月があっという間に過ぎて行った。葵のギブスも外れていた。二週間ごとにツッキーの診察を受けながら二人は仕事をこなして行った。太陽の会社でも葵の仕事ぶりに社員全員が賞賛していた。そのおかげで会社の売り上げは上がっていた。

 あるとき面談のために二人が会社に行くと社長に呼ばれ社長と面談することになった。

 三人は応接室に行き社長と面談した。しばらく葵の様子と仕事の進捗具合について話していた。

 ある程度話が進むと社長から驚く提案をされた。

「葵さんもしよかったらうちで正式に社員として働かないか。その方がうちにとってもありがたいし葵さんにとってもいいことだと思う。」葵と太陽は驚いた。葵は太陽の会社で働いていても勤め先は前の会社の社員だ。そんなことをして向こうの会社との関係は大丈夫なのかとか色々疑問が浮かんだ。」

 太陽がその疑問を社長にぶつける。


 社長は笑顔でこたえた。

「そのことについてはもう話をある程度つけておいてる。相手の会社には葵さんがこちらに来てもらったらそちらの会社と末長く取引をさせてもらう契約をした。葵さんにはその架け橋になってもらうと言ったら葵さんでよければ喜んで貴社に送ります。と言って来てね。言い方にムカついたけどその方が葵さんにとっていいと思ったから承諾した。これで葵さんもうちの社員になる。」


 社長が水面下でここまで動いてくれていたことに感謝している。どれだけ器が広く人思いのある方なのかと感激していた。

「ありがとうございます社長。これからも精一杯頑張っていきます。」と葵も笑顔で答えた。

 状況はかなりいい方向に進んでいる。葵の精神的ストレスも軽減されて行く。この調子でいけば統合失調症も治っていくと思った。


 数日後葵は正式に太陽の会社に入社した。改めて入社したため葵は会社に出向き社員に挨拶をする。

「前からお世話になっておりましたがこの度正式に社員となりました日向葵です。皆様には普段から色々なフォローをしていただいてとても感謝しています。これからも皆様のお力になれるよう精一杯頑張って行きますのでよろしくお願いします。」

 社内に社員の拍手が響く。葵は全員から歓迎されていた。

「改めてお願いします。葵さん。」と松岡部長も葵に挨拶をした。

「はい。よろしくお願いします。」と葵も答え二人は握手を交わした。


 この日二人は仕事の打ち合わせとかを上司としていた。今後の仕事の方針や葵の体調のことなどを考慮して仕事を組み立ててった。ある程度方針が決まり二人は今後もテレワークをすることになった。週に一回会社に出勤をするのは変わらず続けて行き葵の様子次第で出勤回数を増やして行くことにした。そして体調が悪い日などは無理に仕事をせず休むことも継続して行くことになった。葵の体調を考えたプランだった。

 話が決まり二人は会社で仕事をして行言った。

 久しぶりの会社での仕事に葵は多少戸惑ったが周りがサポートしてくれたおかげで無事仕事を終えることができた。


 仕事を終えた二人は久しぶりに外食に行くことにした。葵の体調を考慮して旅行の後は病院以外一切外出していなかった。葵の調子も良くなってきたので外食を久しぶりにしようということになった。どこにしようか二人で話し合い回転寿司に行くことにした。


 二人は近くの寿司屋に移動して寿司を食べながら会話をした。

「陽くんそろそろクリスマスも近いよね。」

「うん。クリスマスか。確かにもうそんな時期も近くなるね。」

 11月下旬ともなれば街もクリスマスムードに入ってイルミネーションやクリスマスツリーなどもちらほら出てくる時期だ。冬もだんだん深くなり今年一年も終わりが近づいてく。

「ねえ陽くん。クリスマスどこかに行ってみたい。」と葵がいう。周りのおかげで葵の体調もかなり良くなってきており太陽とのデートもしてみたいという感情も出てきた。

「そうだね。あおちゃんの体調も良さそうだしどこか出かけてもいいね。あんまり遠くに行くのは体調悪くなった時に対応できなくなるから山梨県内で行けるところ探しててそこに行こう。」と太陽は提案をした。

「そうだね。山梨県内でいいところないかな。」と葵はスマホを取り出して色々調べだした。

 太陽もスマホを取り出して色々検索をした。

 そして二人はあることを同時に知ることになる。

「ねえ陽くん。ひまわり畑でイルミネーションやってるらしいよ。」

「ちょうど僕もそれみてたところ。」

 二人同時でひまわり畑でイルミネーションをやってるということを知ってそれを同時に見ていた。

「絶対行きたい。絶対綺麗だし。」

「そうだね。ここは確定だね。」とイルミネーションを見ることは決まった。

 その後も二人は色々調べて行った。だが山梨県内で探すのはなかなか難しかった。


 そこで葵は提案する。

「山梨県外になっちゃうけど諏訪大社四社巡って見たいかも。諏訪なら一時間くらいで行けるからもしもの時に対応できると思うの。」

 太陽は考えた。確かに諏訪なら遠くない。山梨県内で探すのはきついから諏訪もありだと思った。

「なら24、25で連休取って24日に諏訪大社回って夕方からひまわり畑に行ってイルミネーションと近くにあるアウトレットとホテルがあるからそこで食事と宿とって二日目はアウトレット見て回ったりするのはどう?アウトレットは混んでるかもしれないけど諏訪大社はクリスマスで行く人そんなに多くないから空いてると思うよ。」と太陽は提案をした。

「いいね。これならゆっくりもできるしいいかも。ありがとう。」

 とい葵は太陽のプランを承諾した。とっても楽しみだった。クリスマスデートに神社に行くのは普通の人なら絶対にしないのでそれもまた私たちらしいと思った。やっぱ私たちのデートは神社にはいかないとと謎のプライドが葵にはあった。


「なら次仕事行った時に休みの申請しよう。一応ツッキーにもこのことは報告しといてもいいか?精神科医の目線からこのプランに葵の負担になっていないか見てもらいたいからさ。」

「全然大丈夫よ。専門家の意見も聞いといたほうが安心だしね。」

 こうして二人のクリスマスデートの詳細が決まった。


 付き合って2回目のデート。葵の体調や環境を変えることに追われていてなかなか行けなかった分思いっきり楽しもうと二人は思った。それが葵にとっていい方向に向かえばもっといいと太陽は思った。

 二人はその後もお寿司を食べながら会話を続けた。久しぶりの外食でデートのプランも決まり二人はとても充実

した時間となった。


 二人は上機嫌で帰路にそのまま家に帰って寝る準備をして二人でベッドに入った。そこで二人はお互い抱き合いながら寝ていた。

 葵は心が回復してきたのを実感してきた。太陽の温もりがこんなに暖かく感じたのは久しぶりかもしれない。胸がキュキュンする。葵はさらに太陽を抱きしめた。

「あおちゃんちょっと痛いよ。」と太陽がいう。

「いいじゃん。だめ?」と葵は目をキラキラさせて言ってきた。

 太陽は何も言えなかった。とにかく葵が可愛かった。こんなに甘えてくる葵は久しぶりだった。心が回復している証でもあると思った。

「なら僕も。」と言って太陽も葵を力強く抱きしめた。

 二人の体がさらに密着する。心地よいくらいの痛さがまたなんとも言えない感覚にさせる。二人は顔を向かい合わせお互い笑顔で「おやすみ」と言って眠りについた。


 次の日二人は病院に行く日なので病院に行きツッキーの診察受けた。

「葵さん具合はどうですか?」

「最近は症状も落ち着いていてかなり安定していると思います。

「それは良かった。順調に心が回復していると思います。このままいけばかなり快方に向かうと思います。けどそこで焦らないでゆっくり確実に今後も治療して行きましょう。」

 葵の体調はツッキーのおかげでツッキーが見ても快方に向かっていることが目に見えていた。

「薬と精神のケアは引き続き行なって行きましょう。体調が良くなってもまたぶり返す可能性は高いので長い目で見て対応して行きましょう。」

「ツッキー先生ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」葵は笑顔でツッキーにお礼を言った。

「笑顔も明るくなってきましたね。」とツッキもにこやかに言う。

 少しだけ話をして太陽がツッキーにクリスマスデートのことをいう。

 つつキーは太陽の話を聞いて自分の見解をいう。

「これが精神的に負担のかかることなら止めるけど今回の場合精神的にいいことだから全然大丈夫だと思う。むしろいった方が心の健康上いいと思うから楽しんできて。もし症状が急に悪化した時の頓服薬も処方するからそれも一応持ってって。」

 ツッキーは自分の見解いうと太陽の方を見て親指を立てた。これは楽しんで来いという合図だなと太陽はすぐに気づいた。


 ツッキーの診察が終わると次は渡辺先生の経過観察のための診察に行った。肋骨の日々は完全に治っていて手首の骨もほぼ完治ているが渡辺先生は念のためということで経過観察を何回かしてくれた。今日問題なければ渡辺先生の治療は終わることになる。何と無くさみしい気もするが無事葵の怪我も完治したということだ。

「手の動きも問題なさそうですね。葵さんこれで完治したと判断しますね。無事に治って良かったですね。」

 渡辺先生は葵を見ながら笑顔でいう。

「ありがとうございます。先生と会えないってなると少し寂しく感じます。」

「また何かご協力する機会がありましたらその時は協力しますよ。また月の先生経由で誘っていただければプライベートでも食事とかに行きましょう。」

「近い機会に月野先生も誘って食事にも行きましょう。改めてお礼もしたいので。」

「それは楽しみですね。」

 渡辺先生と葵の会話も見守っていた太陽は心が暖かくなった。葵もいろんな人と関わることによって人の温かさを感じられるようになって本当に良かったと思う。

 太陽も渡辺先生にお礼を言って診察を終えた。


 二人は病院を出て会社へ向かった。この後会社で社長と上司との面談もあった。そこでも仕事の経過や葵の体調を話した。社長も上司も葵の体調が良くなったことをすごく喜んでいた。日に日に良くなっていく葵を見てみんなが嬉しい気持ちでいっぱいだった。

 そこで12月24日、25日に休みを取りたいと伝えたら二人は快く承諾してくれた。

「平野くんと葵さん楽しんできて。二人は普段から仕事もしっかりやっているしクリスマス楽しんできてね。」と社長は二人を見守りながらいう。上司も頷き休みをもらうことができた。


 葵の体調は順調に良くなっている。このまま解放に向かって葵が幸せに思えていけるよう太陽も今後も頑張っていこうと思った。

 冬の寒さが厳しくなる中葵の心は暖かくなっていき太陽と葵の関係もまた暖かくなっていった。

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