あおちゃんと陽くん
告白してから数日が経った。2人は特に変わったことはなく普通通り両者LINEのやり取りをしていた。付き合う前と変わらずLINEは進み2人の履歴が思い出のように積もっていく。これからもずっとこの思い出が積み重なっていくと信じたい。
太陽はこの前の告白のことをツッキーの報告するためにツッキーとご飯に出かけていた。
「太陽結果は成功だったようだな。」とツッキーは太陽を見て即答した。
「なんで分かったの。まだ何も言ってないじゃん。」と太陽は不思議そうに聞く。
「だって顔に書いてあるもん。すごく分かりやすいね。」
僕はどうやら顔に書いてあるくらい分かりやすい表情をしているようだ。ツッキーが鋭いのもあるけど僕も顔に出やすいタイプなのは自覚している。
「それでどんな感じで告白したの?」とツッキーはニコニコしながら聞いてくる。
僕は告白までの流れをツッキーに説明した。
それを聞いたツッキーは「本当2人らしいなって思ったよ。でも葵さんから告白されなくてよかったな。自分で言いたがってたし。2人で同時に告白だけど太陽自身から気持ちを伝えたのは大きいよ。」と太陽を褒めた。
太陽は「ありがとう。」と言って手元にあったコーヒーを一口飲む。自分の告白の話をするのはコーヒーのように少し苦い感覚になった。
「けど告白が終わりじゃないからね。告白からがスタートだからね恋愛は。葵さんはそうとはいえ心の闇を多く抱えているからそれをゆっくりと解消していってお互いの愛を深めていくことが大事だと思うよ前も言ったと思うけど。」
ツッキーは真剣に答える。やっぱり葵の抱えている心の闇としっかり向き合いそれに対して向き合わなければいけないと思った。
「まあどうぜ太陽は真剣に向き卯合わないといけないと思ってるんだろうな。」とツッキーはオレンジジュースを片手に言った。
太陽は今思っていたことをズバリ言い当てられ驚きを隠せなかった。
「はい図星。頑張りすぎも良くないんよ。心の闇を取り除くことは重要だけど自分が疲れたら何もできないからな。そこのバランスの重要だからね。自分を大切にできない奴が人を大切にすることなんてできないからね。逆も然りだけど。」
ツッキーの名言語りが始まった。いつも的を得ていてすごく勉強になる。
「自分を大切にすれば人にいい影響を与えられる。人に与えたものは自分に返ってくる。今までの葵さんとの関係もそうだったんじゃない?太陽が泣いている葵さんをなんとかしようとして話しかけた結果葵さんと付き合えたじゃん。ほら人に親切にしたら自分にも返ってきたでしょ。そんなもんよ。」
ツッキーそう言われてハッとなった。とても信憑性がある。
「それができたのは太陽が自分を大事にしてきたからだしね。疲れているときはちゃんと休みを取るように休息とったり自分の好きなことをして言ったからこの出会いがあったんよ。」
本当にその通りだと思う。太陽はこれまでに自分が疲れているなと思ったらしっかり休んだり趣味をしたりツッキーと遊びに行ったりして身体のバランスを整えてきた。やっぱ自分を大切にするのは大事なことなんだと改めて思った。これからも自分を大切にしつつ葵さんも大切にしようと思った。
「ところで付き合って初めてのデートとかは決まったの?」とツッキーは目がルンルンになりながら聞いてきた。
「それなんだけどね。少し相談したいことがあってね。」
太陽は付き合ってから初めてのデートについてツッキーに相談したいことがあった。来月は葵の誕生日の月でありそれに合わせて泊まりで旅行に行きたいと思っておた。LINEで来月何処かに行こうねという話はしているものの具体的なものは決まってなかった。
そのことをツッキーに話すと即答で「鎌倉と江ノ島。」と答えた。
「鎌倉と江ノ島ね。」と太陽がつぶやく。
続けてツッキーが話す。
「太陽と葵さん神社とか好きだから見所がある神社やお寺がある鎌倉は普通におすすめよ。江ノ島はおしゃれなお店とか江ノ島水族館とかデートにとって定番スポットもあるし海岸に行けば綺麗な海に見えて楽しめると思うよ。葵さん海も好きみたいだし。」
ツッキーは鎌倉、江ノ島がこの2人のデートにとって最高の場所だと思っていた。2人の好きなこともできカップルが行きそうなスポットもある。そして泊まりで行くのに旅館とかも充実している。まさに完璧な場所だとツッキーは自信満々に太陽にお勧めした。
「確かに僕たちが好きなこと全部できるし江ノ島だと定番のデートスポットだから江ノ島にしようと思う。」と江ノ島にすることにした。
「ちゃんと葵さんの意見も聞いてね。葵さんの行きたい場所もちゃんと取り入れないと葵さんが本気で楽しめないとおもうからね。」
「そこはちゃんとに聞いて2人で計画を練るよ。」
「まあ太陽なら大丈夫よ。そこらへん機を使えるし優しいし。」
「ありがとう。」
ツッキーに的確なアドバイスをもらいデートの計画を本格的に練ろうと太陽は思った。
ツッキーと別れた太陽は帰り道葵とLINEをしていた。少しだけ雑談をして旅行の話をした。鎌倉と江ノ島に行きたいという話をしたら葵も喜んで賛成してくれた。そして今度2人で旅行の計画を立てながら食事をする予定も立てた。2人とも直に話して一緒に計画を立てたいと思っていた。
そして数日後2人は公園で待ち合わせして近くのカフェに入った。
カフェの中には勉強に励む学生やパソコンを開いて仕事をする人、楽しく会話をしている人など様々な人がいた。
席についてコーヒーを頼み2人は旅行の計画を練っていた。
旅行に行く9月は三連休があるがそこは人が多そうなので平日に有給で三連休を取り行こうと思っていた。幸い2人とも有給は溜まっていたので有給も簡単に取れる状況だった。
どうせなら葵の誕生日の日に合わせて行きたいと思うので誕生日の前後当日に休みを取ろうと2人で決めた。
「葵さんの誕生日9月18日だから17から19日の間に有給を取るね。楽しみ。」と太陽はウキウキしながら話した。
「私もその三日に休みとるね。会社の方もそういう福利厚生とかに気を使って有給は簡単に撮らせてくれるから。」と葵も返した。
行く日程は決まったので2人は行く場所とか詳細を決めることにした。
「鎌倉に行ったら大仏と鶴岡八幡宮には絶対に行きたいよね。」
鎌倉といったらこの二つは外せないものを葵は提案した。
「そうだよね。この二つは確定としてあと長谷寺とかも庭園が綺麗だし銭洗弁天も金運の御利益で有名だから行きたいな。」と太陽も行きたい場所を提案する。
「あと小町通りで色々美味し物やお店あるからそこ私みたい。」
「そうだね。なら鎌倉駅周辺の駐車場に車止めて江ノ電に乗って最初大仏と長谷寺に行ってそのあと銭洗弁天いって小町通りで昼食と色々見て最後に鶴岡八幡宮に行くルートにする?」
「いいね。私鳩サブレーも好きだから鳩サブレーも買いたい。」
「よし。1日目はこんな感じにしよう。」
2人はお互いの意見を取り入れ1日目の予定がすんなり決まった。
「なら宿をどうするか決めよう。」と太陽がいうと葵はする様こう答えた。
「今調べたらさ江ノ島周辺に海が見えて温泉もある宿があったの。ここ良さそうだよ。」といってスマホの画面を太陽に見せた。
そこは海辺にある旅館で旅館か江ノ島の海が見えるのが売りの旅館だった。部屋には露天風呂もついていてそこから見る景色はとても綺麗そうだった。
「ここいいね。お値段もお得そうだし。ここにする?」と太陽が葵に聞くと葵は頷いて旅館も決めることができた。
「サクサク決まって行くね。旅行プラン考えるのってとっても楽しい。」葵はにこやかに太陽にいう。
「本当にそうだよね。こうやって決めている時からもう幸せだよ。」と太陽も笑顔で返答する。
「ありがとう。」
「好きだよ。」
「唐突すぎだよ太陽くん。」
唐突の好きだよに葵は恥ずかしくなった。けれど嬉しい気持ちになる。こういった些細なタイミングで好きと言われるのが葵にとって嬉しかった。
2人はその後も二日目、三日目の予定を決めて二日目は新江ノ島水族館と江ノ島に行き三日目はゆっくりお土産などを買うことにした。
予定が決まり2人は楽しみが溢れていった。付き合って初めて行くデート。それにお泊まりで。どんな幸せが空間が待っているのか2人はワクワクしていた。
2人はカフェを出て2人で会話をしながら歩いていた。
「葵さん今日もありがとね。おかげで予定が決まったよ。」と太陽がお礼を伝える。
「こちらこそありがとうね。」と葵も返事をする。
そして葵は少し太陽から目線を外した。何か言いたそうだった。
少し時間が空き葵が口を開ける。
「ねえ太陽くん。私のこと葵さんって呼んでいるけどサンずけだとなんか距離があるように聞こえるの。だから他の呼び名で読んで欲しいかな。」
葵は恥ずかしそうに言う。確かに付き合ってからも太陽は”葵さん”呼びだった。葵はそこに距離感を感じてしまっていた。
太陽はそう言われてハッとした。確かに付き合っているのに葵さん呼びは距離感が生まれる。太陽は葵のことをなんて呼ぼうか考えた。
少しして考えがまとまった。
「あおちゃん。」と太陽が葵にいう。
葵はドキっとした。自分から他の呼び名で言われたいといったがいざ言われると胸がきゅんとなった。
「あおちゃんどうしたの?顔真っ赤だよ。」と太陽が続けていう。まるで追い討ちをかけてくるかのようにいってくるので葵の顔がもっと赤くなった。
「うん。なんか恥ずかしくなっちゃった。けど嬉しい。」と葵は太陽の方を見ていう。
「ありがとね。陽くん。」と葵も太陽の呼び名を変えて言った。
「・・・」太陽は言葉が出なかった。そして顔が火照っていったのが自分でもわかる。多分自分の顔は真っ赤だ。
「どうしたの?陽くん。陽くんも顔真っ赤だよ。」と葵はにこやかに続けていった。
「いや。やっぱ照れるね。でも好きだよ。そういう風に呼ばれるの。」
「私も好き。」
2人はお互い赤くなった顔を見せ合いそのまま道を歩いた。
2人の周りにピンク色のオーラが放たれているのがはっきりわかった。
周りの木々がそれを暖かく見守るかのようにゆらゆらと揺れていた。
呼び名が変わるだけでグッと距離が近づいた気がした。恥ずかしさもあるけど好きなのが伝わってくるのが感じられた。