Destage
腐れ縁の友人から、小学生の頃クラスで一番可愛かった女の子が僕のことを好きだったのだと、20年以上も経ってから教えられた。そんなわけないだろうと僕は笑って取り合わなかった。
たとえそれが本当のことだったとしても、それは僕のあずかり知らぬことであって、僕にとっては何の意味も無いことだ。
それは僕ではなくその人の人生の1ページなのだと思った時、自分が誰かの人生の1ページの登場人物になっていたのだとしたら、そいつはどんな風に描かれているのだろうと、ふとそんな思いに駆られた。美化されて少しは格好よく映っているだろうか。それともどうしようもないダメ男を演じてでもいるだろうか。自分はどう振る舞って、どんな台詞を吐いたのか。ちょっと見てみたい気はする。
けれど、たとえそれを見ることができたとしても、それはその人の人生の1ページなのであって、僕の人生ではないのだ。どう描かれていようが、それは僕であって僕じゃないんだ。僕はそこでも、ここでも、舞台袖の傍観者でしかない。
ばかばかしい。
タイトルの"destage"は一般的な用語でもない(であろう)上に、私の勘違いで語意を誤認識していたらしく、タイトルとしては不適切なんですが、このままとします。
因みに私の認識は、(一度ステージに上げたものを)ステージから降ろす/引っ込める、です。もっと言うと、stagingによってダイレクトアクセス可能にした磁気テープカートリッジをシステムから切断して待機場所に戻すこと、です。