第五話 談合
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目を覚ますと手足を縛られた状態で逆さ吊りになっていた。場所は見覚えの無い密室だ。
人魂のような魔力光が周囲を漂っていて、光源には事欠かないが、床にレーベインベルグが無造作に転がされているだけで、他には何も無い。
「一体、何のつもりですか? 自分で無ければ死んでいるところですよ」
この状況で怒鳴り散らかして罵声を浴びせるのは却って負けた気がする。
裾や袖が破れた真っ白なワンピースドレスを着た女に極めて冷静に声をかける。
「罰ゲーム♪」
そう言って女は――ルカビアンの十九魔人の一人ヴィヴィアナは、血のように紅くて長い髪を弄りながら、撫子色の瞳を無邪気に輝かせた。
「そう言えば、そんなこと言ってましたね。で、いつになったら開放してもらえるんです?」
「まあまあ、ちょっとお話しようよ。これからについて」
弧を描いた口から飛び出したのは意外と普通の提案だった。
話し相手の意識を奪い逆さ吊りにしていなければだが。
指を動かし、龍装甲が起動可能であることを確認してから頷く。
ヴィヴィアナに殺意を抱かれても即座に拘束を解き、レーベインベルグを回収して逃げ出すくらいのことは出来るだろう。
すると彼女は不思議そうに首を傾げた。
「いつまでそうしてるの? もしかして、そういう趣味?」
「そんなわけ無いでしょうが」
精霊兵器を召喚して縄を引き千切り、着地した床が派手な破砕音を立てて抜け落ちた。
「んな……!?」
腰まで床に埋まり、呆気に取られているとヴィヴィアナが裸足でひたひたと歩み寄り、目の前まで近付き、膝を抱えてしゃがみ込む。
「びっくりした?」
目線の高さを合わせて彼女はニンマリと大型犬のような笑みを浮かべた。
「は、は……?」
「だから、罰ゲームだってば♪」
意味が分からない。
「反応鈍いなぁ、寝ぼけてんのかな?」
次の瞬間、小さな風切り音から続けて、激しい衝撃音が耳朶を叩き、視界を揺さ振らせた。
「金ダライ……? なんでルカビアンがコントみたいなことをやってんだ!? 日本か、此処は!?」
「お前、ルカビアンを何だと思ってんの? 普通にバラエティも、コントも、お笑いも好きなんですどー?」
「やかましいですよ! ファンタジーとSFを掛け合わせた訳の分からない生き物のくせに!!」
「偏見だー! 横暴だー!」
こんな物騒な意味不明生物なんかに付き合っていられるか。
床から這い上がろうとして、更に床が崩れ、首まで埋まる。
目線を上に上げると、このクソアマ。声を漏らさずに俺を指差して爆笑していやがった。
乞食みたいな恰好をしているせいで、化け物染みた胡散臭さを余計に感じる。
「はいはい、降参です。これ以上無い程にびっくりしましたから……?」
改めて這い出そうとするが身体が微動だにしない。
「ヴィヴィアナ式トラップは隙を生じ得ぬ多段階式~♪ 行動心理学と人体組成学、建築工学に基づいて作った落とし穴からは簡単には抜けられないよ」
「なんで落とし穴一つの為に、心理学だの人体組成だのが出て来ますかねぇ!?」
「ん~? 落下や着地の仕方で床がどんな風に壊れるか予測して、穴から出て来る時に手足をかける場所を脆くして、崩壊と同時に中の木材がパズルのように嵌って、どんな力自慢でも力を入れることが出来ずに、抜け出せなくなるようにしたかったからだよ」
「要はルカビアンの頭脳を使って、クソ下らない物を作ったと?」
「だって他に使い道無いし?」
そう言って、ヴィヴィアナは知識はあっても知恵の無い、自身の頭を小突いて不思議そうに首を傾げた。
「いやいや、もっと有意義な使い方があるだろ!?」
「有意義な使い方でもヴィヴィアナさん的に面白くないなら意味なーし!」
「たったの十九人とは言え、ルカビアンなら世界を復元させることも出来たのでは……? 更に言えば、男と女がいるなら数を増やすことくらい出来たのでは?」
「ふふふっ♪」
「何かおかしなことを言いましたか?」
「床から首だけ生やして何真面目なこと言ってんだろうって。顔がイケてると却って滑稽だね♪」
――うっぜぇ……。
「そんなにカッカしない。お前じゃヴィヴィアナさんには勝てないんだし、ヴィヴィアナさんもお前とは争うつもり更々ないんだしさ」
そう言って彼女は腰を下ろして、自分の頭を撫でた。
「イケメンの生首を撫でる美女ってホラーな感じじゃない?」
「自分で言うか? 自分で。まあ、貴女の格好は無理心中に失敗した女の霊みたいですから――」
頭に手刀が叩き落され、危うく舌を噛みかける。
彼女にしてみれば軽いツッコミのつもりかも知れないが、木刀で頭をド突かれたような一撃だった。
脳細胞。そして何より、毛根が死んだらどうしてくれやがる。
「で、倉澤蒼一郎。お前の疑問なんだけどね、現存するルカビアンには生殖機能も繁殖機能も無いわけ」
「世界が滅びる前に機能を除去した?」
「正解! ルカビアンって基本的に不老不死だから、年功序列の社会ってわけ。若さは障害。若ければ若い程不利になる社会。そんな社会に可愛い我が子を送り込むなんて虐待だよね。それに家族同士で憎しみ合ったりしたくないしー?」
「家族同士で憎しみ合う?」
「オウラノの寿命は百年にも満たないから先祖代々が築き上げてきたモノ、財産だとか、歴史だとか、志だとかを若い世代に受け継いでいくわけじゃない? でも、ルカビアンは不老不死だから、子や孫は何も受け継がれず、上の世代が敷いた、上の世代にとって都合の良いレールを何百年、何千年って歩まされるだけ。時代を重ねる度に負の感情が澱み積もっていくだけの存在が、公私に渡って常に目の前に存在し続けるんだからいがみ合うのは当然なのだー♪」
「そんな上機嫌に言われましても……」
「好きな人との間に出来た子どもだから可愛い筈なんだろうけど、最初の三十年くらいだけらしいよー? ヴィヴィアナ先生世代の前後五百年くらいは避妊治療が当たり前で、社会問題になってたんだよね」
「世代……、社会的階級の最下層が更新されなくなることで若いルカビアン達の不満が爆発することを恐れていた。だから、オウラノが生まれた……。グァルプの反応を見る限り、その試みが上手くいったようには思えませんが」
「これがお前の部下だーって、馬や牛を与えられて喜ぶ奴がいないのと同じ理屈だよねー。でも、遥か上の世代にしてみれば、若い世代も、オウラノも、家畜も、大した差は無いってこと。一時期はオウラノに選挙権を与えるなんて話もあって、テロリストになる若いルカビアンがいたくらいなんだから。多分だけど、不老不死が集まって社会を築いても破綻するようにしかならないんだと思うよ」
自分の頭を撫でながら言う彼女の顔を見上げると当時を思い出してか、疲れた老婆のような表情を浮かべていた。
地球よりも遥かに高度で、自分の頭程度では予想だに出来ない程の優れた文明だったのかも知れないが、技術ばかりが先行した、ろくでも無い文明だったのかも知れない。
「しかし、ルカビアンの叡智ならば、今の状態でも体外受精で子を増やすことは出来るでしょう? 再び社会を築き上げたら、自分達がトップ層になれるとは思わなかったのですか?いや、思わないわけが無い。社会を復興させ無かったのです?」
「復興させるにあたって……、どんな社会を作れば良いと思う?」
「そこで即答出来る程、社会を舐め腐ってはいませんよ」
「だよねー。ヴィヴィアナ先生達もいっぱい話し合ったよ。けど、全然決まらなかったんだよ。オズヴェルド、ヴァレイグラルフ以外は下から数えた方が早い世代で、上の世代から顎でこき使われてた世代だからね。逆に何をして良いか分からなかったんだよ。ヒーローのオズヴェルドだって結局はスポンサーや事務所の言いなりだったし、軍人のヴァレイグラルフも更に上の世代や上官には逆らえない立場で、生き残ったルカビアンは上に不満は言うけど、使われることに慣れ過ぎてるって言うか、自分が上に立って何かをする経験が欠如していたんだ」
「何をして良いか分からず……、なまじ不老不死で強靭な肉体を持っているが故に数年、数十年、数百年単位でまごついている間に、家畜同然と蔑まれていた奉仕種族のオウラノが、原始的とは言え、国を、社会を、文明を築き、主であった筈のルカビアンを魔人と蔑み、恐れ、人類共通の脅威と認識してしまった」
「おまけに本物の神様なんかまで現れて、オウラノを人間扱いして守護するようになるんだからもうやってられないよねー」
「並々ならぬ苦労があったのでしょうね。そこは同情しますよ」
「だから、自棄になって世界の脅威ゴッコして遊んでみたり」
「だから、なんでそうなる。頭も良くて力もあるのに、その脈絡の無い突拍子の無さが怖いんですよ。貴女達は。と言うか誰か一人くらいオウラノを味方するルカビアンはいなかったのですか?」
「んー、ハーティアくらい? オウラノは弱いんだからイジメたりしたら可哀想って。後すっごい可愛いからオウラノの社会に混ざってアイドルやってたりとか」
――なんでよりによって話の分かりそうな魔人が、よりにもよってカトリエルの胎の中に封じられているかな!?
「後の半分はオウラノにも復興にも興味が無い派。折角、邪魔な上の世代がいなくなったんだし、多少文明がぶっ壊れてても好きなことが好きなように出来るようになって万々歳的なー?」
「ヴィヴィアナ。貴女は?」
「ヴィヴィアナ先生の研究の邪魔をしないなら何でも良いよー。手持ちの資材だけでも研究は出来るし、研究テーマを決めるのに高度な技術はいらないし? 派閥とか、世代とか、面倒なのが無い分、世界が滅んだ後の方が捗ってるかも」
滅んだ後の方がマシとか、本当にろくでもない世界だったんだろうな。
「それでさー、倉澤蒼一郎。お前の疑問にも答えてやったんだから、ヴィヴィアナ先生の質問にも答えて欲しいんだけどー?」
「そう言えば、これからについて話し合いたいと」
「うんうん。取り敢えず、埋めてみたけど、それが本題」
――取り敢えずで埋めるな。取り敢えずで。この阿呆が。
「ぶっちゃけた話をするとお前は、ルカビアンの半数くらいから敵扱いされてます」
「マジか……」
「マジだよー。ライゼファーって、みんなの弟分って感じで結構好かれてたからさー」
「メラーナから処刑宣告されたばかりなのですが……」
「あー、あのショタコン兼オジ専、割とライゼファーのこと愛しちゃってたからねー。まあ、ライゼファーはシスコンだから眼中に無いって言うか、気付いてなかったみたいだけど」
「微妙に親近感を覚える業の深さだな、ルカビアン」
「業が深いのはお前だよ。ライゼファーが復活から一週間以内で殺されるのはいつものことだけど、核ごとやっちゃうから微妙に許せないし、微妙に庇い切れないんだよ」
二発目の手刀が脳天に命中する。頭は剥げてないか、頭蓋骨は陥没していないか。それだけが不安だ。
「仕方が無いでしょう! 目の前で家族を狙われたんだ、殺すしかない。しかも、狙えと言わんばかりにあからさまな核を露出した。だったら斬るでしょう、普通!」
「気持ちは分かるけどさー、あの子、結構好かれてたからさー。そういうわけでヴィヴィアナ先生とヴァリー、それからハーティアの三人でお前の助命嘆願の旅に出ようと思うんだ。百年か二百年くらいオウラノにちょっかいかけるのを止めようって。まあ、それでも喧嘩を売られたら、しょうがない。ヴィヴィアナ先生も殺すの手伝ってあげよう。核を破壊しなかったら問題にはならないだろうし。けど、ガラベルが殺しに来たら諦めてねー」
どんなに長生きしても流石に後百年も生きてはいられないとは思う。
まあ、ルカビアンにとっては百年も二百年も誤差の範囲なのかも知れないが。
「だからさ、ハーティアの復活に手伝ってくれない?」
心臓の鼓動が爆ぜる程の勢いで加速する。不味い。
「ハーティアが何処にいるのか分かっているのですか?」
「んーん、全然」
彼女は素直に首を横に振って、何故か満面の笑みを浮かべた。
「けど、お前は知ってるみたいだね」
刃のように冷たい声色だった。
「お前は私の生徒を殺した。どんなに憎んでも全然足りないくらいの憎悪と嫌悪の対象だ。けれど、もう一人の生徒はお前の事を慕い友達だと呼び、殺さないでと言っているから許すことにした。冷酷だと言われても、死んでしまった子よりも、今を生きている子を大切に、優先することにした。お前との関係も私から歩み寄り、交友関係を結ぶことにした。だから、倉澤蒼一郎。お前もこれ以上、私を怒らせるな。私は私の大切なものを奪われ続けて、受け入れられる程、大人に出来てはいないぞ」
サア、ドウスル?
「その前に、仮腹の儀をご存知ですか?」
「誤魔化すつもりか?」
「その立派な頭で少しは冷静になって考えてくださいよ。このタイミングで、この話をすると言うことは?」
「ハーティアが仮腹の儀で封じられている……? え? あの子、神様になるってこと?」
仮腹の儀が何なのか一から説明する必要が無くなって安心した――が、神様になるだの何だのは初耳だ。
「子宮の中に神の因子を組み込み、胎児を触媒にして邪神や悪神さえも従順にしてしまう邪法だと聞いている。だが、生まれてくる存在をも神にする。そんな効力もあるのか? だったら余計に無力化しなければいけない。何か方法を知らないか?」
「一番手っ取り早い方法は子宮を摘出すること」
「駄目だ」
「じゃあ、儀式にかけられた女を殺すー」
「話にならん」
「うー……、その女の躰に封じられてるのは間違いなくハーティアなんだろうね?」
「情報源はグァルプ。そして、裏付けはライゼファー。情報を知った時系列は逆ですが、彼等の行動だけが根拠です」
「子宮を摘出する以外に、一個だけ、手っ取り早く解決する方法が……無いことも無い」
そう口にするヴィヴィアナからは完全に殺気が霧散している。
代わりに何故か、顔がゆでだこのように赤く染まっている。
「けど、やりたいような、やりたくないような、好都合と言えば好都合なんだけど……」
やけに煮え切らない態度だ。何処かで見た覚えのある雰囲気だ。しかも、身近な。
だが、それが何であったのかが思い出せない。喉の所まで出かかっているが……。
「ね、ねぇ、倉澤蒼一郎。一度、儀式にかけられている女と会えない?」
「え?」
「絶対、ぜっっっっっっっっっっったいに危害を加えたりしないから!」
妙に必死だ。
「ま、まずはその女の躰にハーティアがいるかどうか……それを確認する」
「それで方法は? 自分は何を手伝えば――」
カトリエルの身体から儀式が、ハーティアが開放される。
前のめりになって――、首から下が埋まっているので前のめれないが――、兎に角彼女に言う。
「手伝――っ!? く、倉澤蒼一郎のドエロ!!」
「ドエロ!? 言うに事欠いて、こんな時に何を言っているんですか、貴女は!!」
「う、うるさいんだよ!! と、兎に角、その女から術式ごと、ハーティアの因子をヴィヴィアナ先生の子宮に移すんだよ。ヴィヴィアナ先生がハーティアを産めば問題無しっ!!」
「あー、つまり自分が貴女を手伝うって言うのは……」
「う、うるさいから!! だまれ!! だまれってば!!」
思いっ切り頭を踏み付けられる。踏まれて喜ぶ趣味は持ち合わせていない。
「で、お相手は? ガラベルで宜しいので? どういう性格をしているか知りませんが、ドストレートなのが手っ取り早いですよ。男なんて、余程相手がどうでも良いとかで無い限り、外堀埋められたら基本的に女に言われるがままですし」
「待って、ちょっと待って、今ヴィヴィアナ先生、子宮無いから。まず子宮作りから始めないと」
「だから、それにガラベルを巻き込みましょうよ」
「そもそも、ガラベルにも生殖機能を取り戻してもらわねばいけないわけですし」
「え? ええええ? えええええええええええええええええええええええええええええ!?」
「何なんです? その小娘みたいなリアクション」
「その冷静さが腹立つ!! 首から下は全部埋まってるくせに!!」
「埋めたのは貴女でしょうが」
「って言うか、色々勘違いしてないか、お前!? これからどうするかお前、本当は全然分かってないだろ!? 分かってるなら言ってみろ!!」
「まず人工子宮を作る」
「うん」
「人工子宮をヴィヴィアナの体内に埋める」
「うん」
「仮腹の儀を移す」
「うん」
「ヴィヴィアナがガラベルとセックスする」
「な、ん、で、だあああああああああああああああ!!! ドエロ!! ド変態!! ドスケベ!! 桃色脳味噌!!」
ヴィヴィアナが大層失礼なことをほざきながら、のけぞり、叫びながら前のめりになる。さながらヘッドバンギングだ。
「性教育前の小娘じゃあるまいし、セックス程度で何言ってるんですか。て言うか、セックス抜きでどうやってハーティアを産む気ですか? セックスやって二人の受精卵を作らねばならんでしょう?」
「セックスセックスって連呼するなよ!!」
「六千歳以上のババアが何を」
「あ゛?」
「いえ、今のは失言でした。謝罪します」
「って言うか、抜き出したDNAデータを基に精子と卵子作って受精卵にすれば良いだけなのに、セ、セッ――このセクハラバカ!!」
数千年単位で処女やってたら逆にこうなるのだろうか。
そろそろ顔面崩壊しそうなので口にはしないでおく。
「なんか今、失礼極まりないこと考えただろ、お前!」
「何の根拠も無いのに……、被害妄想ですよ、それ」
「女の勘舐めるな!!」
――神話クラスの処女が女の勘とか(笑)
未来視とでも言うべきだろうか。
自分の首がサッカーボールのように飛び跳ね、部屋中を数百回バウンドしてザクロのように潰れる光景が見えた。
それを現実をものにしてなるものかと、不可視の速度で放たれたトゥキックを紙一重で避ける。
小規模の嵐と見紛わんばかりの激しい衝撃に頬を流れる冷や汗が吹き飛んだ。
「こ、殺す気ですか!?」
「うっさい!! セクハラには死を!!」
「自分を殺せば、ガラベルと結ばれないままもう六千年……いや、一万年かも」
「う……」
「手伝いますよ? 色々と」
「うううううううううううっ!! お前なんかキライだああああああああああああああ!!」
人の皮を被った化け物だが、中身は所詮、神話クラスの処女だ。命がけだが意外と扱いやすい。
ソニックブームを撒き散らし、密室を吹き飛ばして何処かへと走り去る彼女の後ろの姿を見送る。
だが、そんなことよりもだ――。
「人を埋めたまま帰るのってどうなんでしょうねぇ……」
なんやかんやあったけど、色々抱えていた問題が一気に解決しそうで何よりなことだ。
取り敢えずは今の、首から下が綺麗に埋まっているという問題を解決することに専念しようと思う。
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Copyright © 2017-2019 芥川一刀 All Rights Reserved.
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