7人の小人と小さなお姫様のお話。
あぁ、可愛いお姫様。
つぶらな瞳が愛しい。その柔らかい指で花を摘んで
笑ってらっしゃる。
深い深い森の奥小さな小屋がぽつんとありました。
そこには、7人の小人が住んでおりました。
「この国の王様とお妃様にお姫様が生まれたらしい。」
「めでたいことだ」
「ぜひ拝みたい」
「ろくな事になりやしない。」
「みにいこう。」
「みにいく。賛成。」
「私たちがいっても追い払わられて終わりです。」
皆がバラバラの思考をもった7人はお姫様の顔を見たいと
言う者が多かったので少し観に行くことにしました。
漆黒の瞳に腰まである髪は美しく艶やかでふっくらした
頬は赤みを帯びていてそれの可愛いこと。
齢5才でこんなに美しいとは将来が楽しみなほどでござ
いました。
お姫様の周りにはこれでもかというほど仕女がいて近く
ことはできません。それでも、皆満足しております。
「「「「「「「可愛いかった。❮です。❯」」」」」」」
初めて皆の意見が一致した瞬間でした。
...........................................
それから月日が経ち、お姫様は齢15才となりました。
お姫様の美しさは日に日に増していきひと目そのお姿を
拝見したいと沢山の国から使者や王子様がひっきりなしに
くるほどで、王様とお妃様はお姫様のお披露目式を催すと
仰っておりました。
その日は招待されてなくても身分の卑し人でも誰でも
お城に入れるとのことです。
あの小屋にもその噂ははいっていました。
「お姫様にもう一度逢いたいかい?」
「あぁもちろん。」
「なにがあっても知らんぞ。」
皆が皆グチグチ言っておりますが本音は一目みたいの
です
そして当日、思い思いの正装でお城にむかいます。
しかし、門番は7人を通してはくれず追い払わられて
しまいました。
ざわざわ…お城では賑やかな声
「ゆるさない。」
「ゆるす。しない。」
「呪ってやる。」
「王様の嘘つき」
「呪い殺しましょうか」
「ゔぅ…」
「この仕打ちゆるさない。」
ざわざわ…
「「「「「「「お姫様を攫おう。」」」」」」」
そう呟くとニヤっと笑い
その小さな体を巧みに使い城の塀の隙間に体をねじ
こんで城に入っていきます
ちょうどお姫様が現れて愛らしい顔で笑って手を振
っています。
夜になり人が少なくなってくると小さな影が7つ動き
始めます。
ざわざわ…ざわざわ…
お姫様のいるお部屋に忍び込むとお姫様がくるのを
まちます。
ガチャ
「はぁ…なんで民になんかに手を振らないといけな
いの?
愛想笑いも疲れるわ。お父様もお母様も民のため
なんて言って私が可愛くないのかしら。」
お姫様は思いの外ひねくれた性格をしておりました…
ざわざわ…どうする?どうする?…ざわざわ
「誰かいるの?メアリーなの?イタズラなんてよして
ちょうだい。」
「怖がらないでお姫様。悪いものではありません。
お姫様に逢いたくて此処まできました。」
「ふーん。ご苦労さま。それで用件は何かしら?
お金?地位?」
ざわざわ…かわいくない。どうする?ざわざわ
「いえ、帰ります。」
「あら?帰るの?変な人達なのね。見た目もなにも
かも…クスッ」
お姫様は主人公にはあわない方のようです…冷酷な笑
みで7人をみておまります。
「帰る。お姫様かわいくない。ばいばい。」
「私が可愛くないですって?貴方の目はどうかしてる
んじゃなくて?この白い絹のような肌と漆黒の髪をみて
も可愛くないといえるの?」
「性格がおわってるからな。」
「貴方達ほんとムカつくわね。早く帰りなさいよ。」
「仰せのままに。」
そう言って帰ると後ろでお姫様が暴れていましたが
気にしません。
予想以上にひねくれたお姫様には用はありませんか
らね。
それから、7人は家に着くと今日あったことを全て
無かった事にしてゆっくりと眠りにつきました。
さぁ明日からは性格も可愛いお姫様を探さなくてはい
けませんね。笑
この7人にはそんなお姫様をみつけられるのでしょ
うか。
それは、誰にもわからない。
でも、かの有名な「白雪姫」にあったそうですよ。