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3.シオンのこと

短いです~。

僕がシオンに始めた会ったのは、シオンが生まれて一ヶ月たった日だった。

シオンの母・カルラ神官の幼馴染である母に連れられて行ったのだ。僕は5歳だった。


生まれたまだ一ヶ月なのに、シオンは、お人形みたいにきれいだった。ふわふわの髪の毛は、カルラと同じ白銀で、ぐっすり寝ているのか、ぜんぜん動かない。


「このあかちゃん、生きてるの?おにんぎょうみたい」


僕の言葉に。母とカルラ神官は顔をほころばせた。


「おませさんね、ユーリ。確かに人形の様にきれいな子だわ」


今ならわかる。母達は、人形のように美しいと僕の言葉をとらえたのだ。僕は人形のように動かないと言いたかったのに。

五歳の自分の語彙の無さが、その後の母の思い込みに繋がってしまったことは、残念でならない。


かくして、僕はシオンを気に入ったと思い込んだ母によって、カルラ神官に会いに行くときは、必ず連れて行かれるようになった。まあ、僕も兄姉にからかわれるより、かしこい赤ん坊のシオンと遊ぶほうが、楽だったので、嫌がらなかったし。

末っ子の僕にとって、年下の子とのふれあいがいい経験になるという思いもあったようだが、絶対なんか想像して楽しんでたんだと思う。(母はかなりの乙女思考の持ち主だ)


そして、9歳の時、カルラ神官が引退するアカネ先生に代わって、僕達兄姉弟きょうだいの家庭教師になった。まだ4歳のシオンはどうするんだろうと思っていたら、なんと僕達と一緒に授業を受けることに。

ついてこれるかな?と思っていたら、僕のほうがついていくようだった。さすがは、神童とたたえられたカルラ先生とライト神官の子ども。僕は、負けない様に必死で勉強したっけ。…絶対、母はそうなることをわかって仕組んでたな。当然のことながら、シオンは一番歳の近い僕の後をついてまわった。


カサネとスオウと一緒にいった旅から帰ってきたときには、カルラ先生とシオンも出迎えてくれた。


「ユーリさま、おかえりなさい」


うれしそうに笑って迎えてくれたシオンは、かわいかった。あの時、はじめてシオンは美少女だと思ったんだと思う。旅でいろんな人たちに出会って、自分の周りの美女率の高さに気がついたのだ。

母も黙って立ってれば気品ある美女、父親似の姉も美少女といえる。カルラ先生に至っては、神か精霊かという美しさ。女官長や女官達も、みな美女ぞろいなのだ。恵まれたんだか、ハードルあがっちゃたんだか、なんか微妙な子ども時代だったな。

…まあ、美少女に懐かれてるのは嫌な気はしなかったよ。うん。


2年前から、シオンは街の学校に通ってる。勉強的には、もう行く必要ないと思うけど、人生経験として、通ってみたいのだそうだ。

いまでも、週に一度はカルラ先生についてきて、一緒に授業を受けてるけど、将来は親と同じ神官になるのだと、話していた。本当に僕より5歳下なのだろうか?しっかりしすぎてる。


ここ一年で、急にシオンは、女の子らしくなった。背も伸び、体つきもやわらかくなってきた。女の子の方が成長が早いというけど、本当に、僕と並んでもあんまり違和感が無い。無くて困る。

シオンが横に来ると、挙動不審なのは自分でもわかってる。皆がほほえましい目で見てるのもわかってるから!わかってるから、シオンを避けてるんだよ~!


母が、婚約とか言い始めたのも、同じ頃からだ。


「月王のあなたと、陰陽の一対の娘のシオンが結婚するの!ぴったりでしょ~。しかも、生まれたときからの幼馴染よ~」


うっとりと語る母の脳内妄想は、ぜっったいに見たくない!


シオンが嫌いなわけじゃない。いや、むしろ好きなほうだ。

生まれたときから知ってるから、心は許せる。かわいいし、守ってあげたいと思う。

シオンが、僕のことを好きでいてくれることも知ってる。

結婚すれば、王家としても、神殿としても、個人的にもうまくいくことはわかってる。


わかってるけど…、まだ11歳なんだよ!!子どもなんだよ!

見た目はどうでも、ぼくは、ロリコンになりたくないんだ~~!!

あと5年たてば16歳だって言うけど、その5年が待てるか自信が無いから、避けてるんだって!

だれか母を止めてくれ~!!

必死に抵抗しているユーリ王子ですが、避けるからシオンがよけい側に行くのに気付いてません。(もちろん母女王の入れ知恵)

さて、ユーリはいつまでもつでしょうか?(笑)

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