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夜籠
手探りで、
あなたのまぶたを撫でる、
爪の先、
動く眼球を転がして、
だめ、
まだ開かないで、
息を吐く、
湿度を帯びた、
鳥肌、
カーテン、
車が過ぎる、
ふとんのなかの、
静寂。
……
「エーデルワイスの夢をみる、花弁は淡く陰り、深夜、星は雲に隠れ、二時を過ぎた露が山を潤している、高山の、耳鳴り、あなたの鼻が赤い、流れる、手の温度、駆け巡る、関節の、軟骨、湖には月が落ちた」
……
ふとんの皮が剥れている。
足で綿を絡める。
小指の爪で引っ掻いて、
乾いた息を吸う。
今まどろみの
夜に籠る。