命日
掲載日:2026/04/29
僕は走った。
夕日の沈みゆく学校帰り、お気に入りのスクールバッグはテーブルの上に置いたまま。
帰宅ラッシュ中の歩道はあまりにも人がごった返していて、まともに歩くことすらままならない。
当然、こんなところを悠長に歩いている時間があるはずが無い。一瞬の逡巡の末、僕は道路に飛び出した。
直後、骨を砕くような衝撃が全身を貫く。
耳をつんざくようなブレーキ音と共に、眩しすぎるハイライトが網膜を焼く。
数秒間の思考停止。
それでも僕は、相も変わらず君を想う。
──ああ、やっと君と同じ場所へ行けるんだ。
命日、お揃いになっちゃったね。
『愛も変わらず』という言葉が欲しい。




