7杯目☕ナゾを抱えつつ、平和な日を満喫中…のはず!?
キャラが勝手に動くということを実感してます。出す予定なかったのにな。
「ねぇ!くまさん!このアイディアって、この間、一緒に行ったカフェのおかげ?」
──前回の藤代さんの一言で、場の空気にはわずかな気まずさが漂っていた。
上城さんも、どこか驚いたような表情を見せている。安西さんへ視線を移すと、一瞬だけ目を見開いたが、すぐにいつもの穏やかな顔に戻っていた。
……やはり二人が付き合っていることは秘密で、この話題は触れてはいけないものだったのではないか、そんな疑念が頭をよぎる。
「うん、そうだね。藤代さんのおかげだね」
照れを含んだ表情で上城は答えた。その言葉に、花帆は嬉しそうに笑みを浮かべる。二人の間には柔らかな空気が広がり、まるで花が咲き誇っているかのように周囲を彩っていた。上城の発言に、真雄の口はまるで固まったかのように閉じられない。
(ふ、藤代さんのおかげ……???)
カフェのおかげ、から藤代のおかげへ――。
その言葉のすり替えに、真雄は思わず度肝を抜かれた。
(……これが、モテる発言ってやつか。)
「…あ、あの」
「おお!!新作出来たのか!!」
しかしその声は、厨房の入口から響いた大きな声にかき消されてしまった。視線を向けると、肩に何かを担いだ遠久村の姿と、「うるさいですよ」と眉をひそめる土岐が見えた。
「ちょうど良かった。3人も食べてください」
(3人?)
上城の言葉に、真雄は思わず疑問を抱く。すると、身長の高い遠久村がこちらに歩いてくるのに合わせ、後ろで土岐と話すもう一人の人物が見えた。少し緑がかった目にかかる黒い前髪とメガネ。全身から優しさをまとった雰囲気を漂わせる男性の姿だった。
真雄の視線に気づくと、男性はぱっと顔を明るくし、歩み寄ってきた。
「君が高瀬くんだね。やっと会えて嬉しいよ」
「…あ!初めまして。高瀬真雄です」
「初めまして。僕は北里 孝助。よろしくね」
「この職場にはもう慣れた?」
「はい。なんとか!」
柔らかい声とともに微笑む北里。その穏やかな雰囲気は、まるで“聖人”という言葉が自然と浮かぶようだった。初対面のはずなのに、どこか空気がやわらぐ。真雄はその場にほっとしたような表情を浮かべる。
これまでの同僚たちも決して悪いわけではない。ただ、北里の纏う空気には、それとは異なる種類の温かさがあった。言葉にできない優しさが、場全体を包んでいるように思えた。
――北里。
その名前に、真雄の中で小さな引っかかりが生まれる。どこかで聞いたことがあるような、記憶の奥がくすぐられるような感覚。だが、思い出せない。
「今日、北里さん出勤だったんですか!」
花帆が嬉しそうに声を上げる。
「違ったんだけど、欠員出たみたいで」
「ある意味、お前のせいだけどな」
「うっ、それ言われると返す言葉もない…」
土岐が指摘すると、北里はお腹のあたりを押さえた。
「じゃあ! 久しぶりに北里さんの賄い食べられるんだ!!」
《北里さんが作ってくれた料理の味に惚れちゃったの》
――賄い。
その言葉が引き金のように、真雄の中で何かが繋がった。忘れていた記憶が一気に形を取り、思考より先に声が出た。
「賄い!!」
その声は思った以上に大きく、店内に響き渡った。会話をしていた北里たちは驚いたように動きを止め、キッチンの奥で試作を味見していた遠久村たちまで顔を上げる。
静寂の中、真雄の声だけが鮮明に残った。
「えっ!?あ、すみません!北里さんの名前、以前藤代さんに聞いてたのを思い出して、あの……」
「あー! 北里さんの料理の味に惚れた話だね!!」
「恥ずかしいな。その話してたんだ」
「本当の話ですから!」
花帆と北里のやり取りを見て、真雄はふと胸の奥がざわつくのを感じた。誰かを惚れさせるほどの料理――そんなものを作れる人に、素直に憧れてしまう。
「俺も食べてみたいな――」
真雄の何気ない一言に、土岐が即座に返す。
「食べてるだろ。一度」
「……へ?」
思わず間の抜けた声が漏れた。土岐の顔は「何を言ってるんだ」とでも言いたげで、その表情に真雄は反射的に“そっくり返してやりたい”気分になる。
「食べてるだろ。ここに来た日に」
そう言われ、真雄は記憶をたどった。
ここに来た日――そこで出された食事を思い出す。
……オムライスだ。
「「ええええ!!」」
真雄の驚きの声とほぼ同時に、なぜか北里まで声を上げていた。
「大丈夫だった? お腹壊したりしてない?」
焦ったように北里が尋ねると、真雄は混乱したまま瞬きを繰り返す。
「え? え?」
「あれ、前日に遠久村さんが食べるって言うから作ってたやつなんだよ!まさか、食べてなかったなんて!」
北里が慌てたように弁明する。その様子に真雄が返す間もなく、「ははははっ!」と、後ろから笑い声が響いた。
(……あの野郎!)
声には出さなかったが、顔にはしっかり出ていたらしい。北里が少し困ったように笑っている。
「なんかあったら言ってね。薬剤師として働いてるから、少しは役に立てると思うよ」
「北里さん、薬剤師なんですか!?」
「本業がね。ここはお手伝いみたいなものだから」
そんなやり取りの最中、土岐が思い出したように口を開く。
「そうだ、高瀬。お前、今度から遅番も入れるから」
これまで短時間の早番しか入っていなかったのは、遅番で指導できる人がいないからだと聞いていた。
それが変わるということは――。
「僕が復帰できるからね。よろしくね」
「え、あ、よろしくお願いします!」
北里の柔らかい笑みに、高瀬は思わず姿勢を正す。けれどその裏で、心の中には別の疑問が浮かんでいた。
(遅番にもアルバイトいるのに、“指導できる人がいない”ってどういうことだったんだ?)
早番では花帆や清夏に教えてもらっていたし、特に困ることもなかった。それなのに――どこか引っかかる。
「高瀬くん、そろそろ上がりじゃない?」
清夏がフロアの奥からひょいと顔を出す。
「あ、本当だ!」
時計を見ると、もう上がりの時間だった。慌ててロッカーに向かい、着替えを済ませる。
「お疲れ様でした!」
店を出ると、外の空気が肌を撫でた。ふと視界に入った看板に、真雄は足を止めた。
(あれ、看板、変わってる?)
初めて来たときと少し違う気がする。けれど、その違いを確かめている余裕なんてない。
息を整える間もなく、真雄は再び走り出した。
店を出て角を曲がった瞬間、すれ違いざまに誰かと肩がかすれる。
「……っと。あー、すみません」
「いえ、こちらこそ」
思わず振り向いたが、相手はすでに背を向けて歩き去っていた。すらりとした長身に、少しだけ揺れた髪の色が妙に印象に残る。
(今の人、背、たっか……!)
無駄にスタイル良いなとか思ってる場合じゃない。真雄は軽く頭を振り、再び前を向いて走り出した。
「高瀬くん。忘れ物――」
店の鈴の音に振り返った清夏は、一瞬、先ほど出ていった真雄が戻ってきたのだと思った。だが、そこに立っていたのは別の人物だった。
少し猫背ぎみの高身長。青みがかった長めの髪から覗く、水色の瞳。両耳にはいくつものピアスが光り、右耳ではインダストリアルピアス。背には楽器らしきケース。そして、そこにぶら下がる猫のキーホルダーが、ふわりと揺れる。
この時間に彼がいるのは珍しい。清夏はそう思った。
「あら、今日は早いのね」
「葉山くん」
せっかく考えたのでプロフィール載せていきます。
▶高瀬真雄
誕生日9/1
age18。大学1年生
163cm。51kg。
名前、低身長にコンプレックスを持っている。
瞳は黄緑。前髪長めの黒髪。
メガネかけてたけどコンタクトに変えた。
幼なじみの桃音を追いかけて兵庫から上京。
お金工面のためと桃音の言葉でカフェ店員にこだわる。唯一受かったカフェが新撰組コンセプトのカフェ。
小さい頃に父親に武道習っていたため武術は得意。
武道やってたのも「悪い人から守ってくれる騎士みたいでかっこいい」と桃音に言われたから。
【真の漢になるように】と父親に真雄と付けられた。
名前負けしてると思いコンプレックス。
▶︎滝川依月
誕生日2/14
age18 大学1年生。
170cm58kg
暗赤色色の髪色にサーモン。ピンクの瞳。
前髪にヘアピンをしている。
真雄と同じ大学の友人。高知県出身。真雄にとっては唯一の友人。人懐っこく大系男子と呼ばれている。
学校ではモテているが本人にその自覚なし。




