8.プロゲーマーの終焉
ライカはプロゲーマー活動を休止した。
配信は途絶え、SNSの更新も止まり、スポンサーとの契約も打ち切られた。
彼女はゲームの才能を持っていたが、それを活かすことをやめた。
代わりに、行きつけのゲームセンターで働くようになった。
「いらっしゃいませ〜。今日は何するの?」
彼女は、店の看板娘になった。
プロゲーマーとしての知名度もあり、彼女を目当てに客が増えた。
「ライカちゃん、今日も対戦しようぜ!」
「お、勝ったら……罰ゲームしてくれる?」
彼女は笑って、耳元で囁く。
「うん……いいよ。私で満足させてあげる。」
それが彼女の天職だったのかもしれない。
ゲームセンターで、客と密着し、負ければ甘く罰ゲームをし、勝てばご褒美をもらう。
ライカは楽しそうだった。
いや、楽しそうに"見えた"だけかもしれない。
僕はもう、彼女に何も言えなかった。
ライカは僕のものではない。
だけど、彼女は……もう誰のものでもない気がした。
彼女は、ただ"快楽"という波に流される存在になってしまったのかもしれない。
それでも——。
「また来るね、ライカ。」
そう言うと、彼女は微笑んだ。
「……うん、待ってるね。」
その瞳には、もう僕を映していなかった。
(完)




