5.崩壊の始まり
しかし、問題が発生した。
デバイスを使うほど、ライカの正気でいる時間が短くなっていった。
デバイスによる調教は彼女の精神を蝕みその反動で起きている時もふと会話が途切れると人形のように夢うつつになってしまう。
彼女は以前のようにゲームに没頭することができず、SNSの更新も滞るようになった。
「……ねぇ、最近ライカの配信ないけど、大丈夫?」
「お前が活動しないと、スポンサー契約なくなるぞ?」
ファンやスポンサーからの問い合わせが相次ぐ。
彼女は呆然と画面を見つめ、何かを考え込むようになった。
「……なんか、ゲームしてても楽しくないんだよね……」
彼女は疲れたように呟く。
「それって……」
「なんか、体がダルいし、ずっとボーッとしてる。最近、何してたんだっけ……?」
彼女の記憶が曖昧になっている。
デバイスの影響か?
だが、彼女の無気力はそれだけではすまなかった。
彼女のマンションは、プロゲーマーとしての収入で維持されていた。
しかし、彼女の活動が減るにつれ、収入は激減。
家賃の支払いが滞り始め、生活費も厳しくなった。
生活は以前のような華やかさは消え失せていき、大した食事もせず性行為が生活の中心となる。
僕は居候の身で、まともな収入はなかった。
彼女の生活が崩れ落ちるにつれ、僕も一緒に堕ちていくしかなかった。
——このままじゃ、まずい。
でも、どうすればいい?
デバイスをやめれば、彼女はまた"ご主人様"を求めるかもしれない。
でも、このまま続ければ、彼女は廃人になってしまうし生活も立ち行かなくなる。
選択肢は、どちらも地獄だった。




