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プロローグ

「君達二人には学校を出ていってもらう。理由は分かっているね?」


ふざけやがって。茶番だこんなこと。隣で顔を伏せて傾く少女を尻目に俺は怒りを募らせていた。俺達は交際などしていない。嘘の告げ口をした奴らが憎い。嫌みったらしく口元が歪むこいつらを噛み砕きたい。


「会うのは今日で最後になる。法律を犯した理由を聞かせてもらおうかね?」



「言い訳して強制転校が取り止めになるなら」


吹き出す校長。脂ぎった肌にお似合いの汚ならしい笑顔を浮かべる

心底この状況を楽しんでいるのが分かる。俺達の担任も愉快で仕方ないらしい。頻繁に眼鏡をくいくいしている。こいつらが上機嫌なのも当然だ。片や罪人。片や死刑執行人。絶対的悪と絶対的正義。どちらが上の立場か幼稚園児にでも理解できる。


「最後に良いことを教えてあげよう」


「何です?」


「この際君達が付き合っているかそうでないかは重要でないんだ」


「まどろっこしいですね。つまりどういうことですか?」


悪意の塊。人の顔を見てここまで恐ろしいと思った事はなかった。

校長の頬は糸で力一杯引かれたように酷く吊り上がり、不自然で暗い影が見える。目は細くなり、瞳が俺達を捉えているのか怪しいくらいだ。俺達が付き合っていない事実が明らかになっても、彼らが発した言葉がこの世の正義。俺達の世界の真実だった。


「君達が交際していると思った人がいたから問題なんだよ」

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