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0話 屠殺の異世界転生

数多くあるなろう系小説の王道である異世界ものを選択、それに則った話を執筆させていただきました。

出落ちみたいなタイトルですが、もしよろしかったら読んでいただければ、と。


後、この物語は実際にある食肉センター及び団体とは一切関係ございません。あしからず。

1・


20××年 6月下旬。


その日は早朝から雨雲に包まれていた。

今にも泣きだしそうな雨で、まるでこいつが殺されるのを悲しむかのように・・・・・・


いや、そんな事はないか―――――

この職場において、それは日常的に起きてる出来事だ。

手塩にかけて大事に、我が子の様に愛情をこめて育てたそれを殺してバラバラにする。

そんな矛盾した事象が毎日のように起きている。


それがたまたまこいつの番だった・・・それだけの話だ。



俺はこいつを連れてダーティゾーンと呼ばれるところに連れて行く。

ダーティゾーンというのは俗にいうこいつを殺すための施設だ。


此処は国内でも特に小さな施設で、俺含め10人程度しかいない。

その為、回数は多く行うことはできず、多くて10回が限度だろう。


「名前は……竜王破亞厳りゅうおうはあごん!?・・・何つー名前だよ」


俺は資料に目を通す。

悪趣味な名前だ、今日日どんなキラキラネームでもこんな名前つける親は見たことがない。

そもそも、この名前って昔流行したゲームの敵キャラクターだったような・・・・・・?


そいつの顔をじっと見る。

自分がこの先どうなるのか知ってか知らずか、のんびり抵抗もせず俺に引っ張られている。

呑気なものだ。

俺の倍近くある黒肌の巨体はゆったりと歩いて、時折欠伸をしている。


どんだけマイペースなんだよこいつ・・・


俺は内心呆れながらも、ダーティゾーンにこいつを連れ込む。


昔は特殊な銃を使い、頭を打ち抜いていたらしいのだが

論理やその他もろもろの事情により廃止され、今では電気で行っている。


そのほうが苦しまずに殺すことができ、色々と都合がいい・・・・・・らしい。

最も、大きな施設になると窒息や空気圧とか大掛かりな装置で多く殺せるらしいのだが

小さな施設では旧式の装置しかない。


だが俺にはそういった難しい話は分からないし、使い慣れたこれが一番だと思ってる。


俺はこいつを鎖でつなぎ、装置を取り付ける・・・準備は完了だ。

あとは起動させれば完了・・・・・・・何、簡単な事務的なものだ。

別に初めてではない・・・・・・俺は慣れた手つきで機械を起動させる。


あとは機械が電流を流し、勝手にやってくれる・・・はずだった。


おかしい、機械が動かない。


俺は何度も確認をした後、再度機会を起動させる。


だが、結果は同じ・・・流れるはずの電流が全く流れない。


っかしぃなぁ~?故障か?

確かに年代物だったし、前にもこういうことがあったっけか?


俺は機械を開き、中身を検査する。

だが、特に故障してるわけでもなくどこも異常は見られなかった。


おいおい、本格的にぶっ壊れちまったか?

こうなってしまったら俺なんかではどうにもならない、お手上げだ。

専門的な知識を持つ技師を呼ぶか、最悪部品交換。もしくは機械を買い直すという事になる。


勘弁してくれよぉ・・・・・・


俺は愚痴をこぼしながら動作確認を何度も行う。

その時だった。


今まで微動だにしなかった装置がけたたましい音と警告メッセージと共に突如動き始める。

これは毎日飽きるほど聞いてるからわかる。

電流が流れる合図だ。


おいおい、マジかよ。

馬鹿でっかい機械の下部に潜り込んでた俺は突然の出来事に焦りを感じていた。


当然だ、こんな所にいたら俺も電流の餌食になる。

身体を必死にくねらせ、機械から離れようとする・・・だが、動揺してたのかうまく出れそうにない。


まずい

こんなくだらない理由で死ぬのか、俺は?


40年近く生きてろくに彼女も出来なかったんだぞ、俺は。

素人童貞のまま死にたくないし、何よりあのゲームの限定イベント今日までなんだぞ!?


冗談じゃない、 まだ死にたくない。


俺は大声で助けを求めながら脱出を試みる。


くそっ、引っかかってうまく出れない・・・・・・!!

焦りながら、大声で人を呼ぶもバカでかい警告音とメッセージでかき消されていく。


おかしいだろ!?安全を促す装置がなんで俺の危険を促してるんだよ!?


その警告メッセ―ジがカウントを数え、それがゼロになったとき


――――――俺は光に包まれてた。


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