表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

ポッキーゲーム ソフィア&ジェイド

「ジェイドさん、ジェイドさん!」

「はい・・・、ああ、マリン様ですか」

「ね、ね、これ、知ってますか? 知らないですよね!」

「?」


 目の前で楽しそうに頬を紅潮させた少女はソフィアの前世の妹、マリン様。悪戯を企む少女のような気がするのは、気のせいでしょうか・・・?

 彼女は私の目の前で真っ赤な袋で包装された何かを持っています。確かに・・・。見た事はありませんね。


「それ、ポッキーっていうんですけどね、ポッキーゲームというものがあって・・・。ま、お姉ちゃんが知ってるかな」

「ソフィアが? という事は、その、前世の方のものです?」

「はい。あ、先に開けて一本味見してみてくださいよ。じゃ、私はこれで、うふふっ!」


 ・・・。なんであんなに楽しそうなんでしょうね?

 ともかく、袋を開けてみます。中から出てきたのは・・・、プレッツェル? チョコレートでコーティングされています。一つ口に入れてみると・・・。甘くて結構美味しい。


「でも、一体どういう事でしょう?」






 マリンがジェイドの所へ行けって煩い。よく分からないけれど、何か企んでるんだろうね。偶には乗ってみるのも悪くない。

 コンコン、とノックをすると、向こうから返事が返ってきたので扉を開ける。


「って、ちょ、なに持ってるの?」

「え? いや、マリン様に渡されたので」

「あいつめ・・・。ルール聞いた?」

「いえ?」


 ってことは、私が教えなくちゃいけない・・・だと? そんな恥ずかしいこと出来ないんだけど。

 溜息をついて一本咥える。歯に力を入れると、パキン、という音がする。懐かしいな、これ。甘くて美味しい。


「で、これってどうするんです? ソフィアが知ってるって言ってたんですけれど。教えて下さい」

「やだ」

「なんで!」

「だって、説明するの恥ずかしいんだもん・・・。とにかく、やってみりゃわかるって」


 ジェイドの隣、ソファに座ると、一本咥えてジェイドに言う。


「ほら、其処、咥えてよ」

「・・・え?」

「離したら負けね」


 躊躇いがちに咥えるものだから、笑ってしまう。ジェイドって、やっぱり可愛い。


「ほら、食べてよ」

「え、え?」

「ほら、早く!」


 静かな部屋の中、パキン、ポキン、という音だけが響く。それが、やけに恥ずかしくって。

 あとちょっとのところで、ジェイドがパッと口を離す。ちょ、待ってよ!


「離したら負けって言ったじゃん!」

「だ、だって・・・。なんか、恥ずかしくて」

「・・・、馬鹿」


 俯いて、呟く。真っ赤な顔のジェイド、嫌いじゃないけど。寧ろ、嬉しい。恥ずかしがってくれるの。

 ジェイド、最初こそこうだったけど、一カ月もすれば『好き』も『愛してる』もすんなり言ってしまうし、キスだって流れる様に美しい動作でやる。つまり、慣れた。それじゃ、つまんなかった。

 でも、新しい事には慣れていないジェイド。偶にちょっと違う事をすると、それだけで面白い反応をしてくれた。でも、そんなネタ、もうあんまりない。だから、こういうの、久しぶりで、新鮮で、良い。


 もう一本咥えて、無言で促す。ジェイドが咥えたのを確認してから、私はソファにジェイドを押し倒す。今度は逃げさせるものか。一口齧った時、視界が大きく動く。反対側に、押し返されていた。小さく笑うのが、気にくわない。

 ジェイドの首に手を回す。ジェイドは私の背中に手を当てると、自然な動作で抱きあげる。


「・・・、甘い」

「そりゃ、お菓子だもの」

「違いますよ、ソフィアが甘いんです」

「っ! ああもう、馬鹿!」


 こういう事をすらっと言っちゃうんだもん・・・。ほんと、大好きだよ!

 金髪青目の美人エルフに転生! より、主人公のソフィアちゃんと使い魔兼夫のジェイドくんでした。

 金髪青目の美人エルフに転生! の方もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ