第二幕 力比べ
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魔理沙と長いこと話し込んでいた私は、魔理沙が去った後、何かの気配を感じ、当てずっぽうで声をかけた。
「紫?わかってるのよ、出てきなさい」
すると私の背後で声が聞こえてきた。
「よくわかったわね。霊夢、ちょっと情報が入ったのよ」
「情報?」
私は呆れて聞き返した。紫がいつもはこんな情報をとか集めてないのに、と思いながら、先を促した。
「この幻想郷のバランスを保っている大結界を崩壊させようとする輩がいるの」
「はあ?大結界を?崩せるわけないじゃない」
しかし紫は首を横に振った。
「いいえ、大結界を崩壊させようとしているのは、人里の人間じゃない。外来人だと思うの。しかも男で、能力がとんでもないの」
「え?それってどういう…」
「だから、異変を起こせる能力を持ってるのよ!」
「なっ…!?」
ーー異変を…起こす!?
聞いたこともない能力に私の脳裏を巡った。
「まさか…その異変を起こせる能力を使って…?」
「ええ、その可能性が高いわね」
私は絶句と喉を鳴らすしかなかった。
「そいつは退治しないとね…活動場所は?」
「それがわからないのよ」
「じゃあ何で知ってんの!?」
「たまたま竹林で見かけたのよ、あなたに似た人物が」
「わかったわ、とりあえず竹林を重点的に洗ってみるわ」