第一幕 異変の始まり
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第一幕 異変の始まり
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ある日のことだった。私はいつも通り、境内の掃除をしていると、空から魔法使いがこの境内目掛けて突っ込んできた。
「よう霊夢」
彼女は霧雨魔理沙。極めて普通の魔法使いである。彼女と私は、むかしからの付き合いであり、たまに、異変解決の取り合いをしている。
私は、博麗神社の巫女にして、この幻想郷と外の世界を繋ぐ博麗大結界の管理人でもある。
ただーーこの頃、外来人を多く見かける。最初は人里の人間かと思ったが、どうもそうじゃない。結界が緩むのは一定周期のはずーーーと思い、現在は注意しながら、監視を続けている。といっても、人里まで降りてくるのは流石に厳しいので、山の上からの監視をしている。
「で、何の用なの、魔理沙」
「これ見ろよ。さっき天狗が号外を配っててよ」
天狗とは、ここ、博麗神社から、東方向にある妖怪の山に住み、この文々。の発行者でもある射命丸文のことだ。彼女の新聞は幻想郷一の情報の速さを誇っている。
私は、その新聞の表紙の大見出しを読んだ。
「『妖怪の山で死骸を発見。』?」
「そうだ。妖怪の山で、死骸があるっておかしいだろ?しかも、その死骸、傷が見当たらないんだ」
「餓死したんじゃないの?」
すると魔理沙は、首を横に振って答えた。
「いや、その死骸を永遠亭の奴らが持って帰って、司法解剖したらしいんだ。すると、死骸は餓死はしていなかったらしい。」
「なるほど…。自殺の線は?」
「そこなんだけど、山の中をくまなく探索したけど、そういう自殺できるポイントはたくさんあるんだが、そこに自殺のアイテムらしきものはなかった。」
「なるほど、じゃあ自殺の線はないとすると、やっぱり殺人?」
「としか考えられないよな?」
魔理沙はそう言った。
「でも、まあ一応事件の真相は私も調べておくよ」
「わかった」
そうして、私は魔理沙と別れた。
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